各局の1月期ドラマが折り返しを迎え、終盤に差し掛かろうとしている作品もある今日この頃。昨年10月から2クールにわたって放送中の『相棒 season21』(テレビ朝日系)以外、すべてのプライム帯連続ドラマが“視聴率1ケタ台”に落ち込むという異常事態に陥っている。
「昔と比べ、現在では視聴率は指標の1つでしかなく、1ケタ台であろうと視聴者から絶大な支持を集める作品はいくつもあります。例えば、昨年10月期に川口春奈とSnow Man・目黒蓮が共演したフジテレビ系連ドラ『silent』は、全話を通して1ケタ台で、全話平均も7.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でしたが、視聴者の間で作品が高く評価され、一大ブームと言えるほどの盛り上がりを見せました」(芸能ライター)
一方、今期の各局連ドラはすべてが低視聴率で、しかも『silent』のような爆発的人気を誇っている作品も見当たらない。
「特に気になるのは、テレ朝の『木曜ドラマ』やTBS系『日曜劇場』といった、いわゆる“高視聴率枠”のドラマも、今期は1ケタ台を推移し、かつ話題性にも欠けるという点です」(同)
テレ朝系「木曜ドラマ」といえば、これまで米倉涼子主演の『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズや、天海祐希主演の『緊急取調室』シリーズといった人気作が放送されてきた枠。昨年10月期に放送された岡田将生主演の『ザ・トラベルナース』も、全話平均12.1%を獲得していた。
「そんな中、今年1月からは西島秀俊主演の『警視庁アウトサイダー』がスタート。元警視庁組織犯罪対策部、現在は桜町中央署刑事課警部補の架川英児(西島)と、刑事課のエース・蓮見光輔(濱田岳)、新米刑事・水木直央(上白石萌歌)を中心に展開する“超異色刑事ドラマ”を掲げていますが、初回こそ10.7%を記録したものの、第2話以降は1ケタ台を連発中です」(同)
2月に入り、第5話では自己最低の8.5%をマーク。第6話が8.9%、第7話が9.1%、第8話が9.4%と少しずつ回復してはいるものの、2ケタ返り咲きまであと1歩届かない。
「西島は21年公開の主演映画『ドライブ・マイ・カー』で世界的な評価を得た人気俳優だけに、新作ドラマに期待していた視聴者は多かったはず。しかし、『警視庁アウトサイダー』は初回から、ネット上で『コメディ要素がいらない』『西島さんはシリアスな作品のほうが合ってそう』『主演も脇を固めるキャストも豪華なのに、脚本と演出がひどい』など、笑いを取り入れた作風が不評を買っていました。実際、1話で見るのをやめた層も結構いるのでしょう」(同)
次にTBS系「日曜劇場」だが、こちらも堺雅人主演の『半沢直樹』シリーズをはじめ、数々の大ヒット作を輩出してきた枠。ただ最近は“波”もあり、昨年10月期の『アトムの童』(山崎賢人主演)は全話平均9.6%だった。
「同枠で今年1月に放送を開始した『Get Ready!』は、妻夫木聡が主演。天才執刀医の“エース”こと波佐間永介(妻夫木)や凄腕オペナースの“クイーン”こと依田沙姫(松下奈緒)、オペ患者との交渉を担当する“ジョーカー”こと下山田譲(藤原竜也)らによるダークな医療エンタテインメントという触れ込みで、初回は10.2%で発進。その後、10.9%(第2話)、10.3%(第3話)と2ケタ台で粘っていたものの、第4話で9.6%をマークして以降、第7話まで9%台を推移しています」(テレビ局関係者)
そんな『Get Ready!』は、第3話で女子高校生が暴行を受け、生き埋めにされるという残酷なシーンにショックを受けるネットユーザーが続出。
「第3話がトラウマのように残ってしまい、途中離脱した層もいるのでは。一方で、『Get Ready!』もまた『警視庁アウトサイダー』と同じように『不要なコメディパートが多い』『コミカルにしたいのか、シリアスにしたいのかハッキリしなくて戸惑う』『サムいんだよな』といった否定的な声が寄せられています。テレ朝の『木曜ドラマ』、TBSの『日曜劇場』ともに、良作が多いというイメージがある分、中途半端な出来の作品は嫌がられてしまうのかもしれません」(同)
なお、すでに4月期の情報も続々と解禁され、テレ朝系「木曜ドラマ」枠は『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』(桐谷健太主演)、TBS系「日曜劇場」枠は『ラストマン-全盲の捜査官-』(福山雅治主演)を放送予定。ほかの枠や局のドラマを含め、今期の低迷ぶりをそのまま引きずらなければいいが……。