• 日. 12月 22nd, 2024

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SixTONES・田中樹も標的に! ITジャーナリストに聞く、ジャニーズの流出騒動が多発するワケ

 昨今、ジャニーズタレントの“流出騒動”が後を絶たない。最近では1月末、SixTONES・田中樹と見られる人物のプライベート写真や動画、LINE画面のスクリーンショットが、SNS上で大量に流され、ファンに大きな衝撃を与えた。流出犯は、田中と以前、交流があったとされる女性で、自身のインスタグラムのストーリーズ(24時間限定公開)に、これらを続々とアップしたのだ。

 また2月に入ると、ジャニーズJr.内ユニット・少年忍者の安嶋秀生らしき人物の写真や動画がTikTok上でバラまかれる騒動も勃発。こちらの流出元は不明ながら、ジャニーズファンの間では、安嶋が自身の“裏アカウント(公式アカウントとは別に設けられた個人のアカウント)”に投稿したものが世に出てしまった可能性も指摘されている。

 SNSの普及に伴い、同様の騒動が頻発しているジャニーズタレント。2020年には、ジャニーズJr.内ユニット・HiHi Jetsの橋本涼と作間龍斗が、女性とのベッド写真や未成年飲酒を疑われる写真のSNS流出をきっかけに、芸能活動を自粛するなど、今や流出騒動は、ジャニーズタレントにとって死活問題となっているのだ。

 なぜ次から次へと、ジャニーズタレントの流出騒動が起こるのか、どういった対策を講ずるべきなのか――今回、芸能界事情にも詳しいITジャーナリストの井上トシユキ氏に見解をお聞きした。

ジャニーズ流出騒動が増加――「素人に手を出すのは危険」という認識が薄れた芸能界

――昨今、ジャニーズタレントの流出騒動が増加傾向にある印象です。このような事態をどのようにご覧になっていますか。

井上トシユキ氏(以下、井上) ジャニーズタレントと親しくしていた女性が、プライベート画像や動画を流出させるのは、いわゆる“リベンジポルノ”のようなものだと思います。そういった流出騒動が増えているのは、タレントとマネジャーのコミュニケーションが取れておらず、信頼関係が成り立っていないことが背景にあるのではないでしょうか。基本的にマネジャーは、タレントを守ってくれる立場。もしタレントが、マネジャーに「プライベートで付き合いのあった女性と関係を切ったので、何かしら起こるかもしれません」と事前に相談していれば、流出騒動が勃発する前に、事務所が双方の間に介入して、金なりなんなりで解決できたのではないかなぁと思います。

――ジャニーズタレントがプライベートでの交友関係を事務所側に逐一相談しているとは思えません。

井上 それに、最近のジャニーズタレントは、変な素人と遊んじゃっていますよね……。平成の初期くらいまで、芸能人には「素人に手を出すのは危険」という認識があり、いわゆる水商売のプロの方と遊んでいたんです。だから関係を清算する時も、結構、金でカタがついたものなのですが。

――確かに、SNSでジャニーズタレントとのつながりを匂わせている女性は、夜の街によく繰り出しているちょっと有名なインスタグラマー……つまり素人が多い印象です。あとは、水商売の中でもラウンジ嬢でしょうか。

井上 平成の後半くらいからは、水商売でも、女性従業員の“素人っぽさ”を売りにするところが増え、実際にプロとしての意識を持たないまま、その世界に入る人が増えていったように思います。そこに、オタクマインドを持つ女性が紛れ込んでいるケースもあるでしょう。実際、私も「コンサートツアーを全通したい」という理由で、稼ぎのいい水商売をしているという女性に会ったことがありますよ。

――オタクマインドを持つ素人がジャニーズタレントとつながりを持ち、関係が終了した後で、プライベート写真を流出させるというのは、同じオタクにマウントを取りたいからなのかなと思ってしまうのですが。

井上 それもあるでしょうが、「使い捨てにされたみたいで、腹が立ったから」というのもあると思います。流出させる人の心理としては、半々くらいではないでしょうか。

――であれば、週刊誌に持ち込んだほうが、ジャニーズタレントに直接打撃を与えられますし、情報提供料ももらえますよね。なのに、なぜSNSにアップするのかという点が気になります。

井上 男女関係において、相手から受けた仕打ちには不満があったとしても、やはりどこかで、彼を応援している気持ちや「好き」という感情があるのだと思います。週刊誌に持ち込まず、SNSで写真をバラまくのは、「お金のためにやっているのではない」という自らのピュアさの表現なのです。

――ほかのジャニーズファンからすれば、タレントの足を引っ張っているのはあなたなのに……と疑問を抱くかもしれません。

井上 当然、流出犯にはほかのファンから怒りのコメントが多数寄せられるでしょう。しかし、それは本人にとって、ダメージにならないどころか、むしろ快感を与えるもの。流出犯を図に乗らせないためには、“反応しない”ことが一番です。

――ジャニーズタレントの裏アカから、プライベート写真や動画が流出したと疑われる騒動も頻発しています。裏アカのフォロワーが流出犯である可能性は高いものの、過激なファンが裏アカを特定するケースもあるようです。

井上 主に愉快犯でしょうが、自分の推しを応援したいという思いから、ライバルのタレントの裏アカを流出させ、騒ぎを起こす――いわゆる“落とし込み”目的で、裏アカの特定を行うファンもいるようですね。

―― 一体どうやって特定しているのか、不思議でなりません。

井上 ここ十数年くらいの話ですが、芸能人の裏アカというのは、タレントを始める前から使っているもともとの本アカなんです。そのため、ハンドルネームが単純なもの――例えば「ニックネーム+誕生日」「イニシャル+誕生日」であったり、個人情報を登録しているケースが少なくありません。なので、特定犯が疑われるハンドルネームを一つずつ調べていくと、それがドンピシャで当たってしまうことがある。芸能人の裏アカは割と特定しやすいものなんです。

 また、やたらとタレントにフォローされている匿名アカが、実は芸能人の裏アカで、そこから特定につながったという話も聞きますね。一つ特定されると、相互フォロワーから芋づる式にほかの芸能人の裏アカがバレることもあります。

――裏アカに鍵をつけている場合でも突破されてしまうものなのでしょうか。

井上 たとえ鍵をつけていたとしても、裏アカにログインされてしまったら元も子もないですよね。ファンの集まる掲示板に、タレントの電話番号やメールアドレスが晒されていて、それが実は当っていることが珍しくない。加えて、ハンドルネームだけでなく、ログインパスワードも単純なものだったりするので、そうすると、あっという間に突破されてしまいます。昔から使っているアカウントで、フォロワーも知り合いばかりという場合だと、タレントも油断してしまうのでしょう。

――ジャニーズタレント本人や事務所が、流出騒動を起こさないためにすべき対策を教えてください。付き合いのあった女性に写真や動画をバラまかれるというケースは、そもそも「異性交遊をしない」に尽きるのかもしれませんが……。

井上 ジャニーズの方はモテて当然ですし、女性と遊ぶのはしょうがないと思います。そこを事務所がコントロールするのは難しいのではないでしょうか。となると、タレント本人が相手を傷つけず、どれだけきれいに別れるかという点が大事ですが、先にも少し触れたように、タレントとマネジャーが常日頃からしっかりコミュニケーションを取り、男女間のトラブルも相談できるようにしておくことが何よりも重要。あくまでこれも仕事に関わる問題であるという前提で、マネジャー側が「何かあったらすぐ話してね、あなたを守るからね」とタレントに伝えておくのも手だと思います。

――むやみやたらにプライベートで写真や動画を撮らせないというのも大事なのかなと思うのですが、いかがでしょう。

井上 スマホにカメラがついている今の時代、たとえタレントだとしても、プライベートでは簡単に撮らせちゃう。それがリスクだと思っていないんです。女性側も、撮影した時点では、流出させようなんて気はさらさらないでしょうしね。ただ、関係が切れた後、すぐ投稿できる場所=SNSがあるから、カッとなって流してしまう……というのが実情だと思います。だから、最初から「撮らせない」というのもなかなか難しいのではないでしょうか。

――では一方で、外部からの裏アカ特定のリスク対策についてはどうでしょうか。

井上 本人ができることは、鍵をかけ、パスワードを複雑にしておくことです。事務所もタレントに、「プライベートのアカウントの管理をちゃんとしないと、何か流出して騒ぎになった場合、対応しきれないことがある」と、日常的に伝えておくべきでしょうね。

――例えば、事務所が入所時点で、今後、裏アカとして使用されるであろうもともと持っていたアカウントを削除させるというのもアリでしょうか。

井上 今の時代、事務所はタレントの公式アカウントに関しては、かなり厳しく管理しています。おそらくジャニーズもそうだと思いますが、芸能プロダクションはSNS講習会を開いて、気をつけるべき投稿内容をタレントに指導しており、大きなトラブルが起こった際は、アカウント削除や最悪解雇に至ることも説明しているんです。徹底しているところだと、契約書にその旨を記載している場合もあります。

 ただ、事務所がタレントに対し、「プライベートのアカウントを持たないでください」というのは無理だと思います。そこまでプライベートを縛るのは、このご時世できないでしょう。だからこそ、管理を徹底してほしいと伝え続けることが大切なんです。

――ジャニーズ事務所は、長らくネットと距離を置いてきましたし、SNS関係にまだまだ疎い印象です。

井上 疎いのは間違いなくそうだと思います。今の若いタレントはみんな各SNSに裏アカを持っていますし、こうした流出騒動は“やらかす”ものという前提で、まずはそれをすぐ鎮火させるにはどうすべきかを考えるのがいいでしょう。流出騒動を起こさないための対策は、その次に取り組むことなのかもしれませんね。

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