今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
ヤクザにとっては死活問題のETC規制
元極妻としてはとても注目している「暴力団」のETC規制問題ですが、いきなりこの3月から規制強化に踏み切ると報じられました。
ETCカード、皆さんも使ってますよね。口座引き落としで高速料金を払うカード(ETCパーソナルカード)です。係員とかに現金を払う料金所はだいぶ減りましたが、業界的には「全ETC化」を狙ってるそうで、「ヤクザにETCカードを使わせたらイカンのじゃないか」と言いだす人がいたようです。
今後は申込用紙に暴力団排除条項を入れて、暴力団員は申し込めず、暴力団員であることを隠して申し込んだら詐欺でパクる(逮捕する)ということになります。
これは事務所使用禁止なんかより、全然厳しいです。クルマに乗れないのは死活問題ですからね。
「朝日新聞」の記事によりますと、今までも規約に「暴力団関係者であった場合は会員資格を取り消すことができる」旨の文言はあったそうですが、申し込む時に「暴力団員ですか?」みたいな確認もなかったんですね。
久々の「ヤクザと憲法をめぐる裁判」に?
このETC規制の件、なぜか「朝日新聞」以外の日刊紙はまったく触れてません。どうなってるんでしょうか。
「高速を車で走るのに、やましいことは何もしていない。身分を偽るウソをつくような『ヘタうち』もしていない。それでも暴力団員であることだけを理由にETCを使わせないというなら、徹底的に争うことになる」
昨年の12月7日付の「朝日新聞」で紹介されていた現役ヤクザの「闘争宣言」です。これもっと注目されていいと思うんですけどね。
有料記事なのでご紹介できませんが、「徹底的な争い」は、国賠(国家賠償訴訟)の可能性もありますよね。
昔は「暴対法は違憲」とかでヤクザが提訴したりしていましたが、最近は珍しいです。東京地裁か名古屋地裁ですかね。倍率がかなり高そうですが、傍聴券の抽選にはぜひ並びたいと思っています。
3月からの規制について、カード運営会社のNEXCO東日本の広報担当者は、「暴力団に対してはきぜんとした対応をとる」としているそうですが、そもそも「暴力団員」のETCカード使用と逮捕については、以前からたまに報道されています。
昨年の9月には「暴力団員であることを隠してETCパーソナルカードの交付を受けた」として六代目山口組関係者9人が詐欺容疑で逮捕されましたが、その中に大幹部である若頭や若頭補佐の運転手の名前があったことで話題になっています。
「デイリー新潮」の記事(2022年12月15日配信)にもありますが、逮捕者のうち約半数が、事前にカード会社の事務局に問い合わせているそうです。
「反社がカードを取得した場合、利用停止になることがあっても、警察から逮捕されるようなことはないですね?」と聞き、「そのようなことはない」と回答した音声データもあるようで、この記事が事実ならカード会社のほうが「詐欺」の可能性もあります。しかも、この件は全員不起訴になっています。
また、今年の2月2日には「他人名義のETCカードの不正使用」で、やはり六代目山口組関係者11人が逮捕されていますが、これまた不起訴な気がします。「気がする」のは、捜査当局は不起訴にしたこととか、その理由を正式には公表しないから、よくわからないんですよ。
これって、最近の不起訴率が高くなっていることとともに前から問題になっているんですが、なぜか放置されているんですよね。
逮捕する時には大々的に報道して、不起訴だったり起訴猶予だったりした時はコッソリ書いたり、あるいはまったく書かなかったりするのは昔からですが、マスコミの皆さんが警察にソンタクしているような気がしてなりません。いかがでしょうか?