世間から”不満だらけのわがまま王子”と揶揄されているヘンリー王子のバーチャル・オンラインイベントが、今週末に開催されることが明らかになった。主催するのは1月に発売した自叙伝『スペア』の版元であるペンギン・ランダムハウスで、王子はトラウマや精神ケアに関する著書を多く出している緩和ケア専門医でサイコセラピストでもあるガボール・マテと対談するほか、事前に寄せられたいくつかの質問に回答するという。
この配信イベントだが、視聴するにはチケットだけでなく『スペア』のハードカバーを購入しなくてはならないため、ネット上では「有り余っている在庫を処分しようと必死なのだろう」とネガティブな意見が噴出している。
今回のバーチャル・オンラインイベントだが、米国東部標準時3月4日の午後12時(日本時間5日午前2時)から、動画体験プラットフォーム「Vimeo」で行われる。さまざまなトラウマに苦しめられてきたヘンリー王子は、「有害な文化や習慣におけるトラウマ、病、ヒーリングとは何か」についてつづった著書『ザ ミス オブ ノーマル』がベストセラー本になっているガボール・マテ医師と、「喪失感と共に生きること、パーソナルヒーリングの癒やしについての重要性」を深く話し合うとのこと。イベントは対談ライブのみで、事前に録画された映像を流すことはないという。
視聴には、チケットだけでなく『スペア』ハードカバーを購入することが条件となっており、オプションで『ザ ミス オブ ノーマル』も購入可能。王子はリアルタイムで質問を受け付けるなど、視聴者との生の交流はしないが、事前に質問を送ることは可能で、王子は寄せられた質問のいくつかをピックアップし、回答。また、イベントの録音や録画、内容を他言することは固く禁じるとしている。
チケットの価格は配信を視聴する国や地域で異なるが、日本から購入する場合「34.29ポンド(約5,600円)〜」かかり、チケットと同時に購入した本はイベント終了後2週間以内に発送するとのことだ。
ネット上では、『スペア』の在庫を抱えすぎて出版社が「本の購入者」を対象にイベントを開催したのではないかと話題に。
なお、『スペア』英語版は発売初日に140万部を売り上げ、出版社はノンフィクション部門で過去最高の記録だと大喜びだったが、最初の週の売り上げは、バラク・オバマ元大統領の回顧録『約束の地』、ミシェル・オバマ元大統領夫人の回顧録『マイ・ストーリー』には届かず、売り上げは失速しているのではないかとささかれていた。
『スペア』は現在もAmazonのベストセラーリストに入っているが、オーディオブックの無料体験で手に入れることができる「王子が朗読する」オーディオ版が圧倒的に人気で、ハードカバーを購入する人は少数派とみられている。メディアで散々取り上げられたため、わざわざ購入しなくてもおおよその内容を知ることができ、繰り返し読みたいような内容でもないため、ハードカバーを購入する人は、出版元が期待したほどおらず、有り余る在庫に困り果てているのではないかというのだ。
今年末あたりに出版される『スペア』ペーパーバック(ソフトカバー)に、王子は新たな章を加えるつもりでいるという報道も流れているが、「王室批判と暴露で金もうけしている」と猛批判されているため、このイベントで新たな暴露はしないものとみられている。
また、秋篠宮ご夫妻も出席する方向で調整を行っていると報じられ日本でも注目度が上がっている5月のチャールズ国王の戴冠式への出席についても、この時期に言及することはないと予想できる。
人気が下落し世間から興味を失われつつあるヘンリー王子が、繰り返し語ってきた「トラウマ」について一方的に語りまくるであろうトークイベントを喜んで視聴するのは、熱心なファンだけだろう。ネット上では、今回のイベントは、出版社が「『スペア』の在庫をさばくために行う苦肉の策」ではないかと推測する声が続出。「駄作を無理やり売りつけるなんてせこい」との批判や、「メーガン夫人の入れ知恵じゃないか」との臆測も。
米人気アニメ『サウスパーク』でネタにされ、世間の笑いものになってからそれほど時間がたっていないにもかかわらず、オンラインイベントへの出演を引き受けたヘンリー王子のことを「出版社に切られないように必死」だと憐れむ声も上がっているが、ファンは「元気な姿を見せてほしい」とSNSで期待の声を上げている。3月4日のイベントで、王子はいったい何を語るのだろうか?