ジャニーズ事務所創業者の故・ジャニー喜多川氏が、所属タレントに行ってきたという“性虐待”に迫る英BBCのドキュメンタリー番組『Predator: The Secret Scandal of J-Pop』が放送され、そのショッキングな内容から、世界的に大きな反響を呼んでいる。番組では複数の元ジャニーズJr.が、ジャニー氏から受けた性被害を明かしているものの、現時点では事務所運営や所属グループの活動上の影響はほぼないとのこと。この状況について、元ジャニーズJr.に見解を聞いた。
同番組放送を受け、世間の批判対象となったのは、ジャニー氏だけでなく“性虐待問題をほぼスルーしてきた”日本国内の大手メディアだった。確かにテレビ各局をはじめ、多くのメディアがジャニーズ所属タレントを起用している関係から、“臭いものにフタ”をし続けてきたのは否めないが……。
「実際、ジャニーズへの忖度はあるものの、なぜ性虐待問題を取り上げてこなかったかといえば、『タレント側が被害を訴えてこない』点が大きい。ジャニー氏の性虐待の話が初めて公になったのは1960年代――実に半世紀以上にわたり、こうした行為が繰り返されてきた割には、被害を訴える人間が少なすぎるんです。性被害者は心身ともに大きな傷を負いますし、『二次被害が怖い』という理由からも、そう簡単に告発には踏み切れないものですが、それとは別に、彼らはジャニー氏を心から慕っており、同氏のことを“悪く言いたくない”という気持ちが強い。大手メディア側がこの問題を扱えなかった最大の理由はそこにあります」(テレビ局関係者)
今回番組に出演した元Jr.もジャニー氏への感謝を述べており、また過去には、同氏のセクハラを告発したにもかかわらず、後になって撤回した者も存在する。
一時期、ジャニー氏の自宅に通っていたという現在30代の元Jr.も、ジャニーズとの関係がなくなって10年近くたつが、やはり過去に受けた性的な行為を公にすることは「考えられない」と話す。その理由は、「自ら望んで受け入れていたから」だそうだ。
「ジャニーさんの自宅マンションに呼ばれるのは、ごく限られたお気に入りのメンバーだけで、中には合鍵を渡される“スペオキ”もいました。自宅に行くと、性的な行為をされるかもしれないとわかっていても、みんな遊びに行きたがっていましたね。オキニとつるんでいれば、社長から『みんなで来ちゃいなよ』と誘われるんで、その子の周りには常に多くのJr.がいた記憶があります。私たちのグループは、ジャニーさんに呼ばれるのを待っているだけじゃなく、むしろ率先して『今日泊まりに行っていい?』とリクエストしていました」(元ジャニーズJr.)
なぜJr.たちは、自らジャニー氏の自宅へ行こうとしたのか。
「単純に楽しいからです。ジャニーさんの家には、プールや備え付けのカラオケがあり、最新のゲーム機とソフトも揃っていました。たまにデビュー組の売れっ子に遭遇することもあって、それもうれしかったですね。あと、帰り際におこづかいをもらえるので、それ目的で通っていた面も大きい。特に金額は決まっていませんでしたが、毎回、数万円はもらっていました。ジャニーさんは未成年の飲酒と喫煙には厳しかったものの、それ以外は、ある程度ハメを外しても笑っているだけ……というか、一緒になって遊ぶこともあって。当時の私からすると、ジャニーさんの家は『お金がもらえるディズニーランド』みたいなものだったんです」(同)
元Jr.は、「それに毎回、セクハラをされるわけじゃないし」と付け加えるが、一方で、ジャニー氏の行為を受け入れると、次第に、テレビ収録や雑誌撮影の際、目立つ位置で起用してもらえることがわかってきたという。
「ジャニーさんは、Jr.側が嫌がれば、絶対にそれ以上はしてこなかった。だから、こっちも『やりたくてやってる』と思っていたし、半ば共犯関係みたいになっていくんです」(同)
また、当時のことを告発しようと思わないのは、「デビュー組に迷惑を掛けたくないからという気持ちが強いから」(同)という理由もあるそうだ。
「やっぱり同期が活躍している姿を見るとうれしいんですよ。自分の行動が、彼らやジャニーズ事務所、さらにはファンを嫌な気持ちにさせると思うと、やはり目立つことはしたくないというか……。当時は、警察に行くことを勧めてくる人もいましたが、私は自ら望んでジャニーさんの家に通っていたし、心に傷を負ったという認識もないので、どうしても自分が被害者だとは思えないんです。私と同じような気持ちの元Jr.は結構いるんじゃないでしょうか」(同)
とはいえ、事務所社長という圧倒的優位な立場を利用し、未成年者に手を出していたという時点でジャニー氏の行為は許されるべきものではない。今回のように性虐待問題がクローズアップされた際に、今後ジャニーズ事務所が、タレントを矢面に立たせることなく、企業としてどのような姿勢を取るのか――大手メディアの報道姿勢も含めて、注視していきたい。
サイゾーウーマン ジャニーズ情報専用Twitterアカウント「J担しぃちゃん」オープン