今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
「変なヤクザ」に微苦笑
ネットで「変なヤクザ」が話題ですね。元極妻的には聞き捨てならないパワーワードであります。
このワードは、立憲民主党の小西洋之参院議員が入手した総務省の内部告発文書に出てきたもの。元総務官僚で、当時安倍晋三総理の補佐官だった礒崎陽輔元参議院議員が、総務省側と「放送法の解釈(というか規制)」に関してやりとりした内容が記されているほか、総務官僚で安倍総理の秘書官だった山田真貴子氏と総務省担当者の協議の様子も記録されています。
文書作成当時の総務大臣・高市早苗経済安全保障担当相が「ホンモノなら議員を辞める」と言いだしたことで注目されているんですね。
このやりとりは全文が公開されていて、総務省は「本物」としてます。
「変なヤクザ」とは礒崎氏のこと、一方、そう表現したのは山田氏です。
磯崎氏が、放送法の規制について「俺の顔をつぶすようなことになれば、ただじゃあ済まないぞ。首が飛ぶぞ」とスゴみ、それを総務省担当者から聞いた山田氏が「礒崎補佐官は官邸内で影響力はない。今回の話は変なヤクザに絡まれたって話ではないか」「(放送内容に口を出すのは)言論弾圧ではないか」とおっしゃったそうで、全部バッチリ文書に残されています。
政治家に転身したOBに口を出されてイラッてとされたのかもですが、「変なヤクザ」っておもしろくないですか? まあ、みんな変なんですけどね。「赤い紅薔薇」みたいな話で、「いいヤクザ」はいないんです。
これは、元福岡県警の藪正孝御大もご指摘されてますね。
「時にましなヤクザはいた。だがいいヤクザなどいない」
ご著書『福岡県警工藤會対策課 現場指揮官が語る工藤會との死闘』(彩図社)などで、このように述べられています。
ここでいう「まし」な行動とは、パクられた(逮捕された)ときに潔く罪を認めたりすることだそうです。それは「まし」というよりは、警察に都合がいいというだけのことじゃないかなとも思いますが、それはさておき「変じゃないヤクザ」についてはまた書きたいです。
前置きのつもりでしたが、やや長くなってしまいました。本題です。
もう起訴猶予処分になってるかなとも思いますが、名古屋市内のスーパーマーケットのポイントカードを持っていた六代目山口組の二次団体幹部が逮捕されましたね。詐欺の疑いだそうです。
カードの規約には暴排条項があったようですが、ああいうのは超・細かい文字で書かれてますし、いちいち店員さんも「暴力団員はダメです」とか確認はしませんよね。それが「詐欺」とはちょっと行きすぎ感が否めないです。捜査だって税金ですからね。
ちなみにネットでも「同情論」が結構あったのは意外でしたね。「さすがにかわいそう」「行きすぎ」「規約なんか誰も読んでない」などのコメントが目立ち、別件逮捕を疑うものもありました。
別件逮捕自体は前からあるんですが、確かに体感的には増えた気がします。今どきは、指定団体関係者はクルマも携帯電話も買えないので、半グレなどと連携するのは普通ですから、別件で逮捕して協力関係を探るのです。
最近は例の連続強盗犯グループの指示役とされる「ルフィ」とヤクザの関係も取り沙汰されてますね。そういう捜査の目的もあるのかもしれません。
ていうか安倍元総理が亡くなってから、警察や検察の捜査だけでなく、いろんなことが「なんでもアリ」になってきた気がします。「変なヤクザ」文書も、元総理がご存命なら、出てこなかったのではないでしょうか。