NHK Eテレの人気番組『ねほりんぱほりん』のシーズン7が昨年10月7日よりスタートした。かわいらしいモグラの人形ねほりん(山里亮太)とぱほりん(YOU)が、ブタの人形に扮した“顔出しNG”の訳ありゲストに、聞きにくい話題を“ねほりはほり”聞き出す新感覚トークショーだ。
※本記事は『ねほりんぱほりん』シーズン7「あの人は今!? その後を知りたいSP」のネタバレを含みます
『ねほりんぱほりん』羽生結弦オタクのあの人は今……あのアイドルに推し変
シーズン7最終回となる今回は、毎年恒例の「あの人は今!? その後を知りたいSP」。過去に放送された「羽生結弦選手に出会って人生変わった人」「元薬物依存症」「プロになれなかった元奨励会員」から1名ずつ出演者が登場し、それぞれが現在までに起こった変化を語った。
まずは2019年3月に放送された「羽生結弦選手に出会って人生変わった人」から、メイさん(20代・介護士)が登場。当時、「“生命維持費”と呼んでいる羽生口座がある」「(推し活に)500万円くらいは使ってると思います、でもタダなんですよ、生命維持費だから」など、名言を残して話題になった彼女だが、羽生選手は昨年、競技界からの引退を発表した。
引退会見は、テレビの超至近距離で正座して見たというメイさん。「引退っていうよりは(プロ転向で)次のステップに行くっていうふうな会見だったので、決断したことに対してうれしくもあったし、ちょっとさみしくもあったし」と複雑な心境に。
会見終了後もテレビの前から7時間動けず、気づけば深夜2時に。「突然どこからともなく『海に行け』って聞こえてきて。そのまま夜中、タクシーで海に行って。砂浜に木の枝で、羽生さんが今まで滑ったプログラム名とかを書いた」「波にかき消されて」「すっごい泣きました」とキケンなほどの喪失感に見舞われたそうだ。
しかしその後、心境に変化が。羽生選手出演予定のアイスショーのチケットが外れたとき、「前は何が何でも手に入れてやるぞ! っていう燃え上がる気持ちがあったんですけど、そうは思わなかったんですよね……」と以前のような熱を失ってしまった自分を発見。「羽生さんの推し活はこれで卒業」と心の整理がついたそうだ。
「自分の生活で刺激がない中で、羽生さんが世界の舞台で戦ってライバルとしのぎを削って戦っていく姿がすごく好きだったので。北京オリンピックで羽生さんが『全部出し切った』と言っていて、私もやり切ったなという実感もありますし、終わりだなというふうに感じたんですよね」と振り返るメイさん。
なんと現在は意外にも、「JO1の木全(翔也)くん」に推し変。「オーディション番組で戦ってる姿に心打たれてしまいまして」とのことで、“戦う姿から元気をもらう”という推し方針は受け継がれていた。メイさんが情熱を傾けられる新しい対象と出会えてよかった!
一方で「でも、羽生さんが結婚しますって言ったら3日3晩寝られないですね」と、まだ複雑な思いも。「推しの彼女ってゴキブリと一緒だなって思ってて」「いるんだろうなってわかってるけど、別にこの場に現れてくれなきゃ、キャー! とも言わないじゃないですか」「でも見たら(自主規制)」と語り、新たな名言「推しの彼女はゴキブリ」を残して去っていった。メイさんのJO1熱の行方も番組でぜひ見守ってほしい。
2人目は、16年10月放送の「元薬物依存症」で初登場したエリさん(30代)。13歳からマリファナとシンナー、20歳から覚醒剤を使用し、23歳で逮捕されたエリさんは、依存症回復施設で2年生活したあと、社会復帰。ねほりんとぱほりんに定期検査をされており、今回で11回目の出演となる。
今も薬物は絶てているというエリさんだが、最近、過去の薬物仲間と再会してしまったそう。かつてのボス(売人)ともつながっていた人物だそうで、エリさんは会わないよう気をつけていたものの、事情を知らない人の計らいで一緒に食事をすることに。
元薬物仲間から、小声で「今やってる?」とささやかれてしまったエリさん。すると「手先がキンキンに冷えて」「やったことある人しか経験できないと思うんですけど、手冷たくなるんですよ」とフラッシュバック。テーブルの上にあるはずのない薬物が見えてきたそうだ。
「体は覚えているんだなって」「物理的距離というか、そのものから離れるっていうことが大事」と再確認したという。やめたいと思ってもなかなか抜け出せない――違法薬物の怖さを教え続けてくれるエリさんだった。
3人目は、19年2月放送の「プロになれなかった元奨励会員」からケンタロウさん(30代)が登場した。5歳から将棋一筋。小学生時代も放課後は将棋道場へ直行し、夜11時頃まで将棋を指す毎日だったケンタロウさん。奨励会には入れたものの、26歳までにプロ棋士になれないと退会というルールにより、プロの道を諦めていた。
その後、仕事を見つけて会社員として勤めていたはずだが、今回「実は(『ねほりんぱほりん』)放送後に会社を辞めまして、すぐ」と告白。「『ねほりんぱほりん』出させていただいて、人生振り返ったときにやっぱり将棋大好きだったんだなと。将棋界に戻りたいと」と思ったそうで、「指導棋士」の道へ進んだという。
指導棋士とは、アマチュアの指導・育成など、将棋の普及活動を行う日本将棋連盟登録の棋士。ケンタロウさんは、指導棋士は「ごはんが食べられない」など、薄給だとうわさを聞いていたそうだ。番組出演がケンタロウさんの人生を変えてしまった結果に、言葉を失うねほりんとぱほりん。
しかし心配はいらなかった。なんと運よく「藤井聡太ブーム」が到来。将棋教室に通う子どもが増え、教室の数自体も増加し、さらにイベントの仕事もたくさん入るようになったそうで、「ふたを開けて見れば大忙しで、2年目ぐらいには会社員時代の2倍の収入に」とのことだった。藤井聡太の偉大さをあらためて実感した。
今回が最終回となるシーズン7でも「シングル里親」「友情結婚した人」などその後が気になるゲストが多くいた。シーズン8も楽しみに待っています!