主人公・榊マリコ役を沢口靖子が演じる『科捜研の女』シリーズ(テレビ朝日系)の新作が、8月に放送開始することが決定したと、3月7日発売の「週刊女性」(主婦と生活社)が報道。ネット上ではファンが歓喜する一方で、「前の路線に戻してほしい」と訴える人が相次いでいる。
同シリーズは、長年午後8時台の「木曜ミステリー」枠で放送されていたが、同枠の廃止に伴い、昨年10月に新設された火曜午後9時台のドラマ枠に移動。同時に、これまでの人間味あふれるコミカルなテイストが排除され、スタイリッシュでミステリアスな作風に一新された。
また、前出の記事によると、連ドラは通常、1年を4クール(1月期、4月期、7月期、10月期)に分けて放送するが、テレ朝は来月からクールの合間に放送してきた特番をなくし、1年を5クールに分けるとか。全10話程度の連ドラが同じ時間帯に5本放送されることから、『科捜研の女』の新シーズンは8~10月という変則的な期間に放送されるという。
実際、テレ朝は今月公開した「新経営計画」の中で、“報道”に加えて“ドラマ枠の強化”を掲げており、1年5クールへの変更はその一環と思われる。さらに、“定年後のアクティブシニア向けのコンテンツ強化”を成長戦略に盛り込んでいることから、年配層からのウケがいい『科捜研の女』はおあつらえ向きといえそうだ。
ただ、京都の東映撮影所で制作される『科捜研の女』は、近年、出演者の交通費がかさむことなどを理由に、シリーズ終了のうわさがたびたび飛び交ってきた。加えて、昨年は「木曜ミステリー」枠の廃止や大幅なテコ入れなどの変化があったため、「もう新作はないだろう」と覚悟していたドラマファンも多かったようだ。
今回の新作の放送決定情報は、一部週刊誌の報道にすぎないものの、現在ネット上では「放送されないと思ってたから、うれしすぎる!」「もうやらないとばかり……。またマリコに会える!!」と大興奮するファンが続出。
一方で、「いっそのこと、前の『科捜研』に戻してほしい」「シリーズ継続はうれしいけど、やっぱり前の雰囲気が好きだった」とリニューアルに不満を漏らす人や、「ロタくんを復活させてほしい」と、前シーズンの第1話でレギュラーから卒業した橋口呂太役の渡部秀の復活を願う声も散見される。
なお、同作のリニューアルは、視聴率低下も一因であったと考えられるが、前シーズンの放送中、ネット上では「『科捜研』に求めているのはこれじゃない」「演者の演技は変わってなくて安心したけど、リニューアルしたせいでずっと画面が暗いし、BGMも残念」などとネガティブな声が噴出。結局、全話平均視聴率(世帯)は9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、過去最低を記録してしまったのだ。
さらに、「TVer」の見逃し配信に関しても、『科捜研の女』シリーズのお気に入り数は19.8万人(今月10日現在、以下同)と、長寿シリーズにしては寂しい印象。同局『相棒』シリーズのお気に入り数48.1万人と比較すると半分以下の数字で、その不調ぶりは明らかだ。
そういった状況から、リニューアルが成功したとは言い難い『科捜研の女』。今は新シーズンの公式発表を待ちたい。