エリザベス女王崩御から6カ月が過ぎた現地時間3月11日、ヘンリー王子夫妻の広報担当者が、140万ドル(約1億8800万円)のアメリカの豪邸で長女リリベット・ダイアナの洗礼式が執り行われたことを発表。また、今後子どもたちは「生まれながらの権利」である「王子」と「王女」の称号を使うと宣言した。
洗礼式はプライバシーを重視する夫妻らしく、親しい人のみを招いたこぢんまりとしたもので、王族やA級セレブは参加せず。式を執り行ったのは、元新聞編集者でニクソン政権下で首席補佐官を務めたというアメリカンな司教だったことから、「ダウングレードもいいとこ」「アメリカナイズされすぎ」とネット上で失笑されている。
米週刊誌「People」によると、3日にヘンリー王子一家が住むカリフォルニア州モンテシートにある大豪邸で執り行われたリリベットの洗礼式に参列したのは、メーガン夫人の母親ドリア・ラグランド、リリベットのゴッドファーザーで俳優や劇作家、映画監督など多岐にわたって活動するタイラー・ペリー、名前は公表されていないゴッドマザーを含む20~30人。
チャールズ国王夫妻、ウィリアム皇太子夫妻は参列しておらず、王子側は「招待状を出したが、彼らは来なかった」と説明。英版女性誌「marie claire」は、ダイアナ元妃の2人の姉ジェーン・フェローズとセーラ・マッコーコデールは出席したと報じている。
王子夫妻と家族ぐるみの付き合いをしているというエルトン・ジョン、結婚式には招待していたオプラ・ウィンフリーやジョージ・クルーニー夫妻ら大御所セレブは不参加だったようだ。
英王室の主要メンバーの洗礼式は、バッキンガム宮殿かウィンザー城で、カンタベリー大主教により執り行われるのが伝統。リリー・フォントという金メッキを施した美しい洗礼盤や、1738年のジョージ3世の洗礼式から使われている銀の水差しが使用され、ロイヤルベビーは1841年にヴィクトリア女王が長女ヴィクトリア王女のために作らせたクリーム色のホニトンガウンのレプリカを着用してきた。
エリザベス女王の幼い頃の愛称が名前の由来になっているリリベットの洗礼式は、このような王室の伝統から大きく外れた式になった。一方で、何よりもプライバシーを重視しているヘンリー王子夫妻らしい式ともいえるだろう。
しかし、ネット上では、ヘンリー王子夫妻に惜しむことなく金を出して支援してくれるリリベットのゴッドファーザー、タイラーに忖度したからだと推測する声が続出。
タイラーはNetflixのドキュメンタリー『ハリー&メーガン』で、リリベットのゴッドファーザーになってほしいと頼まれたときのことを「イギリスに行って、教会での堅苦しい行事とかに参加しなくちゃいけないってこと? って躊躇したね」「でもここ(アメリカ)で小さなプライベートセレモニーを行うこともできるじゃないかって思い直して。それなら引き受けてもいいとOKした」と回想していたからだ。
今回の洗礼式で活躍したゴスペル聖歌隊はタイラーが手配したといい、式には彼の意見が大きく反映されていたと感じる人も多い様子。
ほかにも、カンタベリー大主教に頼みづらかったのだろうという意見も見受けられる。メーガン夫人は、2021年3月に米CBSで放送されたオプラ・ウィンフリーによる独占インタビューで、「ロイヤルウエディングの3日前に、王子とカンタベリー大主教の3人で結婚式を挙げた」と告白。事実であれば婚姻手続き義務を無視したとんでもないことだと大炎上し、大主教側から「していない」「彼女はアメリカ人で、英国の婚姻システムを理解していないのだろう」と完全否定されたことがあるためだ。
「ダウングレードもいいとこ」「なんちゃってロイヤル」「アメリカナイズされすぎ」「ハリウッドのロイヤルファミリーだとアピールしたかったのでは?」とネット上では失笑の声が相次いだ。
なおヘンリー王子夫妻は、この洗礼式の報告とともに、「子どもたちに『王子』『王女』の称号を使用する」と発表。
子どもたちが誕生した当時、君主はエリザベス女王であり、“ひ孫”という立場だったため称号は与えられなかったが、現在は君主の孫という立場になったことから、王子の広報担当は、「子どもたちの祖父(チャールズ国王)が君主になったことを受け、生まれながらの権利として『王子』『王女』となった」「バッキンガム宮殿も同じ考え」と説明したが、王室よりも早いタイミングで発表したことから、「足並みがそろっていない」「王子夫妻の焦りが透けて見える」といった意見が続出した。
前述のオプラの独占インタビューで、メーガン夫人が、息子アーチーに王子の称号が与えられなかったことについて不満をあらわにしていたため、夫人が「早く発表しろ」と王子にせっついた説や、度重なる王室批判で「被害者ヅラをして金稼ぎしている」と笑い者にされていることから、「自分たちはロイヤルなんだぞ」と世間に知らしめるために大々的に発表したのだろうといっ臆測も飛び交っており、ネット上は大いに盛り上がっている。
生まれつき「王子」「王女」の称号を持つヘンリー王子夫妻の子どもたちは、セレブが多く住むカリフォルニアで、セレブの子どもたちと交流しながら、どう育っていくのか?君主になることが約束されているいとこのジョージ王子やシャーロット王女、ルイ王子とは交流を持つのか?夫妻がどのように王子と王女を育てていくのか? 生温かい目で見守っていきたい。