「おいしいごはんが食べたい、でも自炊するのはめんどくさい!」そんなズボラ女子の救世主といえば、コンビニ・ファミレス・ファストフード! 毎日の食事をおいしく楽チンにするため、管理栄養士・猪坂みなみ先生に、さまざまなテーマに合わせた「おすすめメニュー」を聞いちゃいます。
高カロリーなカレーを上手に食べる方法とは?
牛丼店や定食屋などのチェーン店で“脇役”として光るメニューが「カレー」です。
カレー専門店では味わえない、チェーン店ならではの味わいがクセになっている人も多いのでは? 一方でカレーのカロリーの高さも気になるところ……。
そこで今回は栄養士の猪坂先生に、カレーの上手な食べ方を教えてもらいながら「カレー専門店ではない店のカレー」を紹介していこうと思います。
――牛丼屋やファミレスなどでも注文できるメニューといえば、カレーだと思うのですが、やっぱりカロリーが気になってしまいます。上手な食べ方ってあるんでしょうか?
猪坂みなみ先生(以下、猪坂) そうですね、一般的なカレーのルーには、油や小麦粉が多く含まれています。また、満足感を高めるために通常の1食分よりもご飯の量が2倍近くになることもあるため、その分、カロリーは高くなりがちなメニューだといえますね。カレーを食べるときはカロリーのことは考えないほうがいいかもしれません(笑)。
そうはいっても、カレー好きの方は多いと思いますので、カレーを食べつつ栄養バランスを整えたい場合は、以下の2つのポイントを意識してみるといいのでは?
(1)ご飯を減らしてもらう
(2)お肉やシーフード、野菜などが入った具だくさんタイプのメニューを選ぶ
まず、ご飯の量でカロリーを抑えるという方法が一番手軽かもしれません。量を調整できるお店も結構あるので、すぐ実践できると思います。
さらに、具だくさんのカレーを推奨したいですね。そういったメニューがない場合は、サイドメニューとしてゆで卵のトッピングされたサラダなど、たんぱく質と野菜のとれるメニューをプラスすると良いでしょう。
――カレーといえば「スパイス」が味の肝です。スパイスの香りを嗅ぐだけで食欲がわく気がするんですが、栄養効果としてはどんな利点があるんでしょうか?
猪坂 カレーによく使われるスパイスとしては、ターメリック、クミン、カルダモン、コリアンダーなどがあります。これらのスパイスには、細胞のサビつきを防ぐ抗酸化作用や、腸内環境を整える作用、食欲を増進させたり消化を促進したりする作用が期待されています。
そのため、夏バテや食欲がないときはカレーを選ぶと食欲が増進されるので、栄養補給に役立つと思います。
「カレー専門店じゃないカレー」おすすめメニュー(1)
「すき家」ミニサイズカレー
――今回はあえてカレー専門店ではないチェーン店の中から、おいしく、栄養もとれそうなメニューを猪坂先生に選んでいただきたいと思います。まず、真っ先に浮かぶのが牛丼チェーン店のカレーです。
猪坂 個人的におすすめしたいのは「すき家」のカレーメニューですね。トッピングの種類が豊富で、さらにサイズもミニからメガまで選べるので、それぞれが自分に合ったメニューを選べるというのもポイントが高いです。
「カレーは高カロリーだから……」と我慢していた人は、ミニサイズを選ぶと400kcal以下に抑えられますので、罪の意識を感じることなく楽しめるのではないでしょうか。
また、カレールーには脂質が多いので、トッピングは牛肉やチーズではなく、チキンや温泉卵などを選ぶと脂質のとりすぎを抑えることができます。
チキンは骨付きなので、早食いを防止できるという点も良いですね。
「カレー専門店じゃないカレー」おすすめメニュー(2)
「ロイヤルホスト」3種類のカレー
――カレー好きの間で人気を得ているのがファミリーレストラン「ロイヤルホスト」のカレーです。「カシミールビーフカレー」「ビーフジャワカレー」「ベジタブルカレー&雑穀ごはん」の3種類がありますが、栄養士の視点から見ていかがでしょうか?
猪坂 お肉も野菜もバランスよくとれるという点では、カシミールビーフカレーがおすすめですね。牛肉でたんぱく質を、ピーマンやたまねぎ、にんじんなどで野菜の栄養素をとることができます。
ビーフジャワカレーも牛肉からたんぱく質をしっかりとることはできるのですが、野菜が少なめなので、食べるときはサラダなどをプラスすると良いでしょう。また、1食980kcalありますので、あまり体を動かさない日に食べる場合は、ライスを少なめにしてもらうなどして調整すると良いですね。
ベジタブルカレー&雑穀ごはんは、ブロッコリーやかぼちゃ、パプリカ、なす、コーン、フライドオニオンなど多くの種類の野菜をとることができるのが良い点ですね。食材にはそれぞれ含まれる栄養が異なるので、いろいろなものを満遍なく食べるようにすると、自然と栄養バランスがとれるんです。
ライスも白米100%ではなく雑穀入りご飯ですので、食物繊維やビタミン類をより摂取できるでしょう。ただしたんぱく質はやや少なめですので、食後に豆乳を飲んだり、ゆで卵を食べるなどして補えるといいですね。
「カレー専門店じゃないカレー」おすすめメニュー(3)
「スープストック」トマトを主役にしたカレー
――非カレー専門店ながらも、カレーメニューに力を入れていることで有名なのがスープ専門店「スープストック」です。
猪坂 スープストックのカレーの中では、「トマトと鶏肉のスパイスカレー」と「バターチキンカレー」「東京チキンカレー」がおすすめですね。
先にお伝えしたように、カレーは脂質と糖質が多くなりがちなのですが、そんな中でもこれらのメニューにはチキンがしっかり入っており、比較的たんぱく質を摂取できるのです。
この3つの中で特におすすめなのは、「トマトと鶏肉のスパイスカレー」。トマトピューレやトマトのジュース漬け、トマトペーストなどをメインに使用しているため、トマトの栄養をたっぷり補給できます。
トマトは、ピューレやペーストなどに加工すると、細胞壁が壊れて中の栄養が吸収されやすい状態になりますので、栄養を効率よく吸収しやすいという点でもメリットがありますね。
スープストックのカレーは週替わりなので、常に同じメニューが食べられるわけではないのですが、タイミングが合えば選んでみてください。
カレーは高カロリーなイメージがあると思いますが、スパイスが食欲を増進させてくれたり、具だくさんなメニューを選べば、たんぱく質や野菜の補給に役立ちます。食べすぎには気をつけつつ、お好みのカレーを楽しんでみてくださいね!
猪坂みなみ(いのさか・みなみ)
管理栄養士。大学卒業後、大手食品メーカーにて商品企画や研究開発などに従事。ダイエットアドバイザー、料理研究家助手、医療ヘルスケアベンチャー企業の商品企画職等を経て、現在はLINEで気軽に取り組めるパーソナルダイエットプログラム「ダイエットナビ」の運営や、ヘルスケア領域の新規事業開発アドバイザリー、法人向けの健康経営サポート等を行う。
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