「おいしいごはんが食べたい、でも自炊するのはめんどくさい!」そんなズボラ女子の救世主といえば、コンビニ・ファミレス・ファストフード! 毎日の食事をおいしく楽チンにするため、管理栄養士・猪坂みなみ先生に、さまざまなテーマに合わせた「おすすめメニュー」を聞いちゃいます。
管理栄養士のおすすめ外食チェーン店(1)
サラダを食べるなら「デニーズ」で!
ズボラ飯の極みはズバリ「外食」。家で食事を準備するのが苦手な人、忙しくて家事に手が回らない人の強い味方である一方、「外食ばっかりしていると栄養が偏る!」と思い込んでいる人もいるのでは?
しかし、今は外食チェーン店の種類も豊富なので、高コスパで体にもいいメニューがたくさんあります。そこで今回は栄養士の視点から「体にいい」外食メニューを選定していきます。
――「外食」と聞くと、どうしても栄養が偏るイメージを持つ人もいると思いますが、実際に外食ばかりするのは栄養士の視点から見て、やはり推奨できないものでしょうか?
猪坂みなみ先生(以下、猪坂) そんなことはありませんよ。外食と一言で言ってもいろいろなお店がありますので、栄養バランスをとりやすいお店を選べば、外食の頻度が高くても大丈夫です。
ただしお店やメニュー選びに気をつけることが大切なので、その点だけ意識してみてください。
――今回は外食続きでも健康に過ごしたい! という欲張りな企画です。個人的には「サラダさえ食べておけばなんとかなるだろう」と考えているんですが、サラダメニューがおすすめのチェーン店ってありますか?
猪坂 最近は豊富なトッピングが楽しめるサラダボウルの専門店も増えているので、外食でも野菜をとりやすいですよね。
全国チェーンのお店の中なら、ファミレスのサラダが具だくさんなのでおすすめです。その中でも、特にデニーズの「ハーブ鶏と海老のパワーサラダ」はかなりいいですよ。水菜やたまねぎ、紫大根、ミニトマトなど、野菜をたっぷりとれるだけでなく、鶏肉や海老、ゆで卵もトッピングされているので、たんぱく質もきちんと補給できます。
デニーズは野菜を毎日お店でカットしているそうなので、新鮮なシャキシャキ感を楽しめるのもうれしいですよね。ドレッシングは「にんじんドレッシング」が一番おすすめ。ほかのドレッシングよりも脂質や塩分を控えることができるのが魅力です。
管理栄養士のおすすめ外食チェーン店(2)
パン系を食べたいときは「サブウェイ」で!
――パンを食べたい、でもバランスよく栄養をとりたい! そんな時におすすめのお店はありますか?
猪坂 ここはやっぱりサブウェイを推薦したいですね。
基本トッピングとして、レタス、トマト、玉ねぎ、ピーマンなどが入っているので、ファストフードやカフェで食事をするときに不足しがちな野菜をきちんととることができます。
また、苦手な野菜がある場合は抜いてもらったり、多めにしてほしいときは無料で「野菜多め」にしてもらったりもできるのもポイントが高いです。
自分好みのサンドイッチをオーダーメイドしてもらえるという楽しさもありますよね。中でもおすすめのメニューは、低脂質な鶏肉を使った「サラダチキン」です。余分な脂質の摂取は抑えつつ、たんぱく質と野菜をバランスよくとることができますよ。
――麺類はさすがに高カロリーだし、あんまり栄養をとれるイメージがないんですが、いかがでしょうか?
猪坂 麺類を食べたいときにおすすめのお店は、リンガーハットです! 理由はトッピングとして野菜がたくさん使われているメニューが多いから。ラーメンやパスタに比べて、野菜不足の解消にも一役買ってくれるチェーン店です。
おすすめのメニューはもちろん定番の「長崎ちゃんぽん」。1日にとるべき野菜の量は350gといわれていますが、このメニューにはその2/3以上にあたる255gもの野菜がトッピングされています。
注意点としては、スープをすべて飲むと塩分のとりすぎになってしまうこと。健康に気を使う場合は、基本的には具と麺をメインに食べ、スープは2~3口ほど味わう程度にしておくといいかもしれませんね。
管理栄養士のおすすめ外食チェーン店(4)
米を食べたいときは「大戸屋」で!
――前々回の記事で、大戸屋のメニューの栄養バランスがいいという話をしましたが、やっぱり米を食べたいときは大戸屋がおすすめですか?
猪坂 もちろんです! 大戸屋に限らず米を食べたいときは定食屋さんがいいんですよ。主食(ご飯)と主菜(肉、魚、卵、大豆製品)、副菜(野菜、キノコ、海藻、こんにゃく)の3つをバランスよく揃えることができるので、栄養バランスを整えつつ、お米も楽しむことができますから。
大戸屋のメニューで特におすすめなのが「おろしぽん酢の和風ハンバーグ定食」です。和風のハンバーグやきんぴらはご飯に合うメニューなので、お箸がどんどん進んじゃいます。
野菜も125gほどとれるので、1/3日分の量をきちんと補うことができますよ。
管理栄養士のおすすめ外食チェーン店(5)
肉を食べたいときは「いきなりステーキ」で!
――最後はお肉を食べたいときにおすすめのチェーン店を教えてください。
猪坂 お肉を食べたいけれどヘルシーに済ませたい、そんなわがままを叶えてくれるのが「いきなりステーキ」です。
お肉はたんぱく質の供給源として重要な食材ですが、脂身の多いものをたくさん食べると、カロリーオーバーにつながってしまいます。そのため、脂質の少ない赤身肉であるヒレのステーキを手軽に味わえるステーキ店がおすすめなのです。
いきなりステーキでは「ヒレカットステーキ」というメニューがあります。やわらかいヒレ肉を、食べやすくカットした状態で提供してもらえるので、時間がないときのランチにさくっと食べることもできますよ。
付け合わせのブロッコリーやにんじん、コーンでビタミンやミネラル、食物繊維が補給できるという点もいいですね。
特にブロッコリーには、筋肉の合成を助ける働きのあるビタミンB6が豊富に含まれます。
ただし、正直これだけでは野菜が少ないので、セットでサラダもオーダーするとより栄養バランスがよくなりますよ。
今回は外食チェーン店をおすすめしてきましたが、外食の頻度が高くなるときに注意したい点としては、うっかりすると糖質や脂質、塩分のとりすぎにつながりやすいということ。
多くのお店では、万人においしいと思ってもらえるよう、味が濃くなっていたり、油をたっぷり使って料理していたりすることが多いので、家で作る料理よりカロリーなども高くなりがちです。
でもドレッシングやソースは使う量を少しだけにしたり、脂質の多い揚げ物やバラ肉などは食べる頻度を控えめにしたりといった工夫をすれば、外食続きでも健康を損なうことはないはずです。
おいしいお店はいっぱいあるので、栄養について少し意識しながら楽しんでみてくださいね。
猪坂みなみ(いのさか・みなみ)
管理栄養士。大学卒業後、大手食品メーカーにて商品企画や研究開発などに従事。ダイエットアドバイザー、料理研究家助手、医療ヘルスケアベンチャー企業の商品企画職等を経て、現在はLINEで気軽に取り組めるパーソナルダイエットプログラム「ダイエットナビ」の運営や、ヘルスケア領域の新規事業開発アドバイザリー、法人向けの健康経営サポート等を行う。
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