4月4日放送の『めざまし8』(フジテレビ系)で、「魔の2歳児」という言葉が紹介され、ネット上で大きな反響を呼んだ。
今、2~3歳の子どもが命を落とすという痛ましい事案が次々と起きている。この日、番組で取り上げたのは今月1日、愛知で起きた出来事。2~3歳の女児が靴も履かず、車の往来が激しい車道に突然飛び出して座り込んだり、道の真ん中を歩いたりしており、それを見た信号待ちのドライバーが全力で救助に向かい、道路わきに避難させた一部始終を収めたドライブレコーダーの映像が流された。
先月30日には、千葉県・市川市の川沿いの公園で、花見中の3歳の男の子が母親が目を離したすきに行方不明に。翌31日、男の子は対岸で見つかり、死亡が確認された。先月24日には、名古屋市で2歳の双子がマンション7階から転落し、死亡する事故も起きている。
同番組では、子どもの事故予防に関する情報発信を続けるNPO法人「Safe Kids Japan(セーフキッズジャパン)」の大野美喜子理事にインタビュー。大野氏は、このくらいの年齢の子どもについて「身体能力が非常に活発になってくる時期」と解説し、「“魔の2歳児”と呼ばれることもある」と述べた。
しかしネット上では、この呼称に疑問が集中。「魔の2歳児とかオカシなネーミングは止めてほしい」「呼び方がひどい」「魔の2歳児って、子どもを悪者のように」「誤解を招く表現」など批判的な声が噴出した。
なお、“魔の2歳児”という言い方は今に始まったことではない。イヤイヤ期や、一瞬のうちに大人の想像を超えた「思いもしない行動」を取る時期といった意味を持つ、子育て経験のある人の間では有名な言葉だ。ただ、番組内ではそうした丁寧な説明がされなかったため、Twitterで日本のトレンド入りするほど物議を醸したのだろう。
番組内では、「親が目を離さなければいいだけ」など、親の監督責任を追及する意見も出たが、実際に2歳の息子を持つ西岡孝洋アナは「実感として思うのは、(子どもから)まったく目を離さないということはできない。つまり100点満点の見守りはできないわけですよね」と親としての心情を吐露。続けて、「子どもによってもキャラクターが違って、そんな中で、社会も含めて何かこういったことを見てくれるといいなという思いは正直あります」と言及した。
親だけでなく、社会全体で“魔”から子どもを守るという意識が必要なのだろう。