まもなくスタートする今年4月期の連続ドラマ。業界内では木村拓哉主演の『風間公親-教場0-』(フジテレビ系、月曜午後9時)、福山雅治主演の『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS系、日曜午後9時)が“ヒット候補”と目されているというが、一方で「『コケそうな気配しかない』と心配されている作品もある」(芸能ライター)ようだ。
「4月12日に放送を開始する『わたしのお嫁くん』(フジテレビ系)は、早くもワースト候補とうわさされています。物語は、大手家電メーカーで“営業部エース”としてバリバリ働きながらも、プライベートでは“汚部屋”暮らしのズボラ人間である主人公・速見穂香(波瑠)が、家事スキルの高い後輩・山本知博(高杉真宙)を“嫁”に迎えるという社会派ラブコメディー。漫画家・柴なつみ氏により『Kiss』(講談社)で連載されている同題コミックが原作となっていて、フジが昨年4月に新設した水曜午後10時のドラマ枠での放送となります」(同)
フジの「水10」枠はこの1年、ヒット作を生み出せないどころか“爆死枠”となっていた。昨年4月期の『ナンバMG5』(間宮祥太朗主演)は全話を通しての世帯平均視聴率が5.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、同7月期の『テッパチ!』(劇団EXILE・町田啓太主演)が4.8%、同10月期の『親愛なる僕へ殺意をこめて』(Hey!Say!JUMP・山田涼介主演)が3.8%と、徐々に低迷。そして今年1月期の『スタンドUPスタート』(竜星涼主演)は3.3%を記録し、これはゴールデン・プライム帯の民放連ドラ(テレビ東京を除く)史上、最低の全話平均である。
「『ナンバMG5』から『スタンドUPスタート』までイケメン主人公が続いていた中、『わたしのお嫁くん』は初めて女性主人公のドラマとなりますから、フジ的にも視聴率アップのきっかけを作りたいのでしょう。ただ、波瑠は“安定して数字が取れる女優”として信頼感は強いものの、フジはそこに頼りすぎている気がします。同作は社会派ラブコメディーと銘打たれていますが、若者層には“社会派”という点が取っつきづらく、年配層には“ラブコメ”部分が刺さりにくいという懸念があり、厳しい戦いになりそうです」(テレビ局関係者)
ちなみに、『親愛なる僕へ殺意をこめて』は、視聴率的には大コケだったものの、民放公式テレビ配信サービス「TVer」では再生回数が伸び、「お気に入り」登録数で健闘。“配信での強さ”を見せていた。
「見る人を選びそうな『わたしのお嫁くん』も、配信ならそこそこ注目を集められるかもしれませんし、むしろ配信のみに絞ってもよかったくらいの作品。『スタンドUPスタート』からの流れもあり、テレビ放送の視聴率にはまったく期待できません」(同)
一方、日本テレビ系「土曜ドラマ」枠で4月22日にスタートする『Dr.チョコレート』も、残念ながら期待値が低いという。
「同ドラマは、坂口健太郎が主演を務める“医療×エンターテインメント”作品。坂口演じる主人公・野田哲也は“利き腕を失った義手の元医者”という役どころで、ほかには10歳にして天才的外科医の腕を持つ“Dr.チョコレート”こと寺島唯(白山乃愛)、“Dr.チョコレート”の正体を追う新聞記者・奥泉渚(元乃木坂46・西野七瀬)といったキャラクターが登場します」(スポーツ紙記者)
なお、坂口は4月期にこの『Dr.チョコレート』で主演を務めた後、7月期の日本テレビ系ドラマでも主演すると発表され、同局はそれを売りにしているが……。
「“同じ局で2クール連続主演”という異例の事態は、実は編成と所属事務所の足並みが揃わなかったことによる“凡ミス”と言われています。コロナ禍以降、ドラマの制作期間はタイトになりがちですが、その中でも『Dr.チョコレート』は近年稀に見るほどの“突貫工事”で制作を進めている状態なんだとか。そんなやっつけ仕事では、作品の質にも何らかの悪影響を及ぼすでしょうし、それは確実に視聴者にも伝わってしまうはず。これまで、ドタバタの制作過程を踏んだドラマからヒット作が生まれた試しはなく、残念ながら、同作もコケてしまう可能性が非常に高いです」(同)
『Dr.チョコレート』が実際に不発だった場合、坂口は少なからずダメージを受けるだろう。本人にとってマイナスになるだけの“2クール連続主演”とならないよう、祈るばかりだが……。