かつて「岡本カウアン」名義でジャニーズJr.として活動していたアーティストのカウアン・オカモトが4月12日、ジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)からの性被害を訴える記者会見を実施。そんな中、同じく元ジャニーズJr.で、現在は記者をしている田中斗希氏が13日、Twitterでカウアンを批判し、マスコミ関係者を騒然とさせているようだ。
2012~16年にかけてジャニーズJr.として活動していたカウアンは、昨年11月にYouTubeの生配信内でジャニー氏の性加害を告発。そして今月12日、都内の日本外国特派員協会で記者会見を開くと、事務所在籍中に15~20回ほど、性被害を受けていたことを明かした。
「これまでも元ジャニーズタレントがジャニー氏の性加害の実態を暴露したり、事務所の“天敵”といえる『週刊文春』(文藝春秋)がこの件を報じたことはありましたが、当事者が会見を行うのは初の事態。またこの問題は今年3月、英BBCがドキュメンタリー番組を報道、全世界に公開されている。それだけに、さすがに今回は『文春』以外のメディアも記事化するなど、大きな騒ぎとなっています」(スポーツ紙記者)
そんな会見の翌日、かつてカウアンと同じジャニーズJr.という立場にあった“元同僚”の田中氏が、Twitterを更新。カウアンの会見について書かれた記事のリンクを引用して、「何がしたくて動いてるの?笑 好き好んで社長に抱かれてた人が何を今更 笑 されるのわかってて会いに行ってたよね?笑 性的被害?笑笑 被害とは」(原文ママ、以下同)とコメントしたのだ。
「さらに田中氏は『なんか、これ系のニュースほんとうんざり。何を今更言ってるの?って感じだし ってか死んでから言うんだって感じだし 死んだらメディアとかも扱うんだって感じだし なんも知らない人たちが騒いでて面白くない』ともツイート。確かに、『死んだらメディアとかも扱うんだって感じだし』という点はその通りかもしれませんが、田中氏がカウアンに対して『何を今更 笑』と言っている点は見過ごせません。性被害を訴えた人間に対し、このような発言をするのは“二次加害”となる。しかも公の目に触れる形での発信は、社会通念上、許されるものではありません」(芸能プロ関係者)
田中氏もまた元ジャニーズJr.だけに、今回の会見に思うところがあったのだろうが、彼は今や記者を名乗る立場。性被害告発に対する発言は、慎重に行うべきだったといえる。
「一方で、田中氏の意見は、多くのジャニーズタレントや元所属タレントの声を代弁したものといえるかもしれません。ジャニー氏の行為について、これまで、そこかしこでうわさされてきたにもかかわらず、タレント側からの告発が限られたものであり、かつ事務所側が何の対応もしなかったのは、田中氏のような考えが浸透していたからなのではないでしょうか」(元ジャニーズ所属アイドル)
カウアンが会見を開き、「文春」以外のメディアも動き出したことで、ジャニーズ側も今回ばかりは共同通信の取材に対して声明を発表。その中で、「経営陣、従業員による聖域なきコンプライアンス順守の徹底、偏りのない中立的な専門家の協力を得てのガバナンス体制の強化等への取り組みを、引き続き全社一丸となって進めてまいる所存」と決意表明をしているが……。
「“元”ではなく現役タレントたちが、もしジャニー氏から性被害に遭った過去があったとしても、おそらく何も言えないでしょう。周囲にも自分にもマイナスしかないと感じると思います。しばらくジャニーズへの批判が強まることは当然として、現役タレントたちは騒動の収束を待つしかない……という状況なのかもしれません」(前出・スポーツ紙記者)
ジャニーズ側に今できることは「コンプライアンス順守の徹底」や「ガバナンス体制の強化」だけなのだろうか。今後の対応に注目が集まる。