鈴木亮平主演の『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~』が4月28日に公開されることに先駆け、同作のスペシャル(SP)ドラマが16日よる9時からTBS系でオンエアされる。もともと2021年7月期にTBS系「日曜劇場」枠で放送された連続ドラマは、「視聴率は好調だったものの、ネット上では『ツッコミどころが多すぎるドラマ』と苦笑されることが多かった」(テレビ誌ライター)という。
同作は、救命救急医・喜多見幸太(鈴木亮平)らの活躍を描いた医療ドラマ。喜多見は東京都知事・赤塚梓(石田ゆり子)の命令で新設された救命救急のプロフェッショナルチーム「TOKYO MER(東京モバイル・エマージェンシー・ルーム)」のチーフドクター。
ほかに厚生労働省のエリート医系技官・音羽尚(賀来賢人)、循環器外科医を目指す研修医・弦巻比奈(中条あやみ)、看護師の蔵前夏梅(菜々緒)にホアン・ラン・ミン(フォンチー)、麻酔科医・冬木治朗(小手伸也)、ERカー(緊急車両)の運転手も務める臨床工学技士・徳丸元一(佐野勇斗)らが登場する。
「連ドラは初回世帯平均視聴率14.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と好調なスタートを切り、第6話が8.4%まで落ち込んだ以外は、2ケタ台を記録。最終回は19.5%を獲得し、全話平均13.6%という好成績でした。東京が舞台だった連ドラ版に対し、今月28日に公開される劇場版は『TOKYO MER』正式運用から2年後、彼らが横浜みなとみらい・ランドマークタワーでの救命活動に挑む姿が描かれるそうです」(同)
そんな劇場版公開に先立って16日に放送されるSPドラマは、「TOKYO MER」正式運用後、半年時点での喜多見らの活躍を描いているようだ。TBSとしてはSPドラマで世間を盛り上げ、映画をヒットさせる狙いだろう。
「連ドラ版の視聴率も上々でしたし、SPドラマも劇場版も話題を呼ぶのは間違いないでしょう。ただ連ドラ版放送当時、ネット上では、劇中の演出や展開に、視聴者からツッコミが飛び交うという不本意な盛り上がり方をすることが多かったんです。第1話から、爆発事故が起こった解体作業現場で救命活動を行う喜多見の“装備”について『ヘルメットもマスクもなしはあり得ない』『この現場はガスマスク必須でしょう』などと騒がれていました」(同)
その後も、たびたび視聴者から同様の指摘が相次ぎ、「中盤からはヘルメットをかぶるなど、改善が見られた」(同)そうだ。
「第7話は、爆弾テロ事件により“神経ガス”が充満した建物内が舞台になりましたが、MERチームは防護服とマスクを着用して救助活動にあたっていました。しかし途中で、喜多見が患者への処置を優先するためにマスクを外す場面が。当然、ネット上には『いや、ここでマスクを外すのはおかしい』『リアリティなさすぎ』といった声が続出してしまったんです」(同)
一方、第3話では立てこもり事件が発生。MERチームのほか、警視庁の特殊犯捜査係(SIT)も現場入りしていたのだが、負傷者を運んでいた中、立てこもり犯を一旦逃がしてしまう展開に。
「最終的には身柄を拘束したものの、ネット上には『もっと早く確保できたよね』『医療がメインのドラマとはいえ、警察がポンコツすぎてイライラした』との声が飛び交ってしまいました。そのほか第8話では、音羽が喜多見をかばうため、厚生労働省に“虚偽の報告書”を提出するという展開があり、これに関しても『官僚が嘘つくのはさすがにヤバいでしょ』『音羽って賢いのに、なんでこんな危ない嘘つくの?』などと、視聴者が疑問を呈していたんです」(同)
SPドラマと映画も、やはりツッコミどころ満載の非現実的展開が用意されているのだろうか。視聴者や観客が盛り上がればいいものの、シラけてしまわないか心配になってしまう。