ドラッグストアの売り場を席巻する、ヘアケア用品。化粧品はその場で色味や使い心地を確認できますが、シャンプーやヘアカラーなどはそうもいきません。「こんなはずじゃなかった……」と落ち込まないために、元美容師・AKKOが“オススメ商品”を独断と偏見で選んじゃいます!
ブリーチをしたいけれど、美容院では値段が高いから躊躇(ちゅうちょ)してしまう……そんな方もいるかもしれません。市販のブリーチ剤は値段は安いですが、上手に使うには少々コツが必要です。そこで今回は元美容師・AKKO氏に、自宅で上手にセルフブリーチする方法を教えてもらいました。
ブリーチのメリット・デメリットをプロが解説
ブリーチとは、髪の毛の内部にある色素を脱色することを指します。みなさんは、ブリーチにどのような印象を持っていますか? もしかしたら、マイナスなイメージがあるかもしれません。実際のところ、キューティクルが損傷してしまい、切れ毛や乾燥を進行させ修復困難な状態に陥ることもあります。
また、美容院によっては皮膚への影響も強いことから、敏感肌やダメージ毛の方への施術をあらかじめお断りするケースも。
一方で、ブリーチをすると、普通のヘアカラーでは表現できないようなカラーバリエーションを楽しむことができます。とはいえ、施術料金もなかなか高いので、躊躇する方もいらっしゃることでしょう。そうしたときに頼りになるのが、ドラッグストアで購入できる市販のブリーチ剤です。
そこで今回は、自宅で簡単&手軽にできるセルフブリーチに役立つ豆知識をお伝えしていこうと思います。
自宅で上手にブリーチするコツは?
ブリーチ剤は髪の色素を漂白するため、大げさにいえば「劇薬」です。私も美容師時代に、手袋をせずに素手で薬剤を塗布した際、指先や手のひらにしびれと痛みが出てしまい、皮がむけるだけでなく、皮膚が漂白された経験があります。
正直なところ、ブリーチをされていない方は、まず美容室で施術してもらうことをおすすめします! それでもやっぱり市販のものを使いたい場合は、メーカーによっても相性がありますので、可能な限りパッチテストを行いましょう。
セルフブリーチをする際の注意点でまずお伝えしたいのは、できるだけ地肌に薬剤を付けないということ。根本1~2センチは塗らずに、髪の毛にのみ塗布するイメージでやってみましょう。
また、事前のシャンプーは皮膚トラブルの原因となるためNGです。
そして、ブリーチ剤はカラー剤と違って伸びが悪いです。根元から薬剤を乗せてしまうと毛先までくしが通らず、髪の毛をブチブチ切ってしまう恐れがあるので注意しましょう。
これは裏技なんですが、ダメージの多い髪の毛の方はドライの状態でスクワランスプレーやアウトバストリートメントを毛先に少々なじませておくと施術がスムーズです。付けすぎると仕上がりにムラが出てしまいますので、あくまで気持ち程度に。
染める順番は、まず初めに後頭部(根元と毛先は避ける)、次に側頭部(こちらも根元と毛先を避ける)。フロントはTゾーンを避け、薬剤を塗布したら次に毛先全体と最後に根元ギリギリを攻めます。ブリーチは薬剤のムラがそのまま仕上がりに出ますので、できればたっぷり薬剤を塗布し、手で軽く揉み込むように優しく薬剤を髪になじませてください。
コーミングは摩擦が生じ、キューティクルにダメージを与えてしまうため、できれば避けたいところですが、ムラが心配なようでしたら地肌に垂直な角度でコーミングして、全体的にまんべんなく伸ばしましょう。
塗布が終わったら、待ち時間の間もこまめにチェックをします。ムラが目立つ場合は再度薬剤を塗るか、コーミングで調整するなどしてください。また、仕上がりにあまりにもムラがあった場合は、10日ほど日にちをあけて、再度トライしてみることもアリです(美容室に行ってもらったほうが確実ではありますが!)。
綺麗にブリーチできたら、翌日からは紫シャンプーを使って黄ばみを防ぐなど、ヘアケアはぬかりなく行ってください! ブリーチは髪が傷みやすいというイメージが強いですが、きちんとヘアケアをすれば美しいカラーを保つことができますよ。
では、私がおすすめする市販のブリーチ剤をいくつか紹介していきます。
プロ推奨! 市販のブリーチ剤(1)
フレッシュライト メガメガブリーチ(オープン価格)
ブリーチといったら右に出るものはないといっても過言ではないほど、ポピュラーな商品です。その昔、私も学生時代にお世話になった記憶があります。
なんといっても手ごろな価格+ムラなく塗布できる“くし型ノズル”の使い勝手の良さ! 液だれもしづらく、髪全体の脱色だけでなく、部分的に脱色をしたい方にも向いています。
さらに、うるおい成分としてサンフラワーオイル(ヒマワリ種子油)が配合されているので、施術後のパサつきやゴワつきも防いでくれます。ブリーチ初心者から上級者までおすすめの一品です。
ブリーチ剤にはクリーム、パウダー、ミスト、泡など、さまざまなタイプがあります。なかでも“使いやすさ”でおすすめしたいのがクリームタイプ。この商品は、どちらかというとヘアカラーのベースを作るためのブリーチ剤です。成分も髪のダメージを考慮し、5種類のトリートメントが配合されており、パサつきや広がりを抑えてくれます。
髪をとかしながら塗れるスムーズノズルを採用しているので色ムラの心配も少なく、初心者でも使いやすいと思います。
プロ推奨!市販のブリーチ剤(3)
Y.S.パーク ホワイトブリーチ ダブル(2,508円/税込)
こちらは老舗美容室がプロデュースした上級者向けの市販ブリーチ。プロが使う薬剤と同様に、パウダーの1剤と2剤のオキシドールを調合して薬剤を作るところからスタートします。
しっかりと脱色したいという方には、過硫酸カリウム・過硫酸アンモニウムが含まれる脱色力の強いブリーチ剤がおすすめです。
しっかり脱色できるので、メッシュや土台作りにも最適なブリーチといえそう。ちなみに、脱色力はクリームタイプよりもパウダータイプのほうが高いのですが、粘度がゆるく扱いが困難なため、経験を要します。必ず、注意書きに従い正しく使用してくださいね。