今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
暴力団員の数は2万2,400人、50代以上が半分超
毎年恒例の警察庁・暴力団統計(『令和4年における組織犯罪の情勢』)について書かせていただきますね。
同統計によりますと、「暴力団員の数は18年連続で減少」し、「検挙(逮捕・書類送検)した組員は9,903人で、初めて1万人を割」ったそうです。
主な組織の人数は六代目山口組が8,100人、住吉会が3,800人、稲川会が3,100人、神戸山口組は760人などで、合計で2万2,400人、去年から1,700人減っています。
個人的には六代目山口組が1万人以下、神戸山口組が六代目の1割以下になってるのが「時代」を感じましたね。かつて「4万人軍団」といわれた六代目山口組が分裂するとは思いませんでしたし、独立した神戸山口組も当時はそれなりの支持がありましたから、まさに隔世の感があります。
また、高齢化も進んでますね。一番多いのが「50代」で30.8%、「60代」が12.5%で、「70代以上」は11.6%、つまり今や「ヤクザの半分超は50代以上」なんですよ。そして、「40代」は26.3%、「30代」は12.9%、「20代」は5.4%となっています。
むしろ、まだ20代は5%ちょっといるんですか。みんな半グレや闇サイトに持ってかれてますよね。過剰な暴力団排除も原因と思いますが、今どきの若者に「組員さん」は務まらないのでしょう。とにかくタテ社会で理不尽なことだらけですからね。そこを辛抱して成り上がっていくのが俠(おとこ)の道だったのですが……。
ちなみに、元警視庁警視の櫻井裕一御大は、「FNNプライムオンライン」が配信した暴力団統計のニュースに対し、「暴力団特有の犯罪も年々減少傾向であり、犯罪の前面に出れなくなっている。その反面、裏で堅気の者を闇バイト等で集めその者らを使って強盗事件などの凶悪犯罪を敢行するようになって来ている。そのため組織までメスを入れることも困難になっていることも事実である」とコメントされてます。
元警察官さんとしては「ずいぶん他人事ですね」という感想しかないです。追い込むだけ追い込んで「組織までメスを入れ」にくくしたのは、どなた様なのでしょうか? 「暴力団」を排除したところで、「悪人」が減るわけなどないのです。
最近の「ルフィ」関係者もヤクザとの関係がうわさされていますし、いくら排除したところで、よりわかりにくい「悪い人」が登場する「無理ゲー状態」は続くと思いますよ。
「ファンタジーとしてのヤクザ」の人気は不動
「絶滅危惧」とかいわれながら、なぜかヤクザ社会をテーマにしたテレビドラマや映画は相変わらず人気ですね。
4月からは日本テレビ系で『日本統一 関東編』がスタートして話題です。これはもともとVシネマで、ネット配信されています。
神戸市に本部を置く日本最大のヤクザ組織「侠和会」が舞台で、「日本統一」を目指すイケオジたちの熾烈な争いなわけですが、なんと若い女性にも人気があるんですね。悪質な闇金業者や詐欺師などにヤキを入れる「任俠ぶり」がウケているんだとか。確かにこういうのは、あくまでもファンタジーとしては楽しめますね。
一方で、リアルヤクザも不動の人気です。光文社のニュースサイト「Smart FLASH」は「ヤクザサミット」開催の様子を紹介していました。
記事によると、4月12日に六代目山口組の髙山清司若頭、住吉会・小川修司会長と稲川会・内堀和也会長が稲川会の「稲川会館」で食事会をしたそうです。「デザートを食べてるところ」は公開しなくてもよかったんじゃないかと思うけど、いいんですかね(苦笑)。
ただ、住吉・稲川はご当代なのに山口組は若頭って……? と思ったら、山口組が「我々は、住吉会と稲川会よりひとつ上の存在」とアピールしたと記事にありました。
取材に応じた内堀会長は「親睦を深めるためにやった」「非常にいい雰囲気だった」と言っていますが、まあ緊張感はあったでしょうね。
今年で山口組の分裂8年目ですから、「他団体との連携強化は重要」との指摘もあります。「再統合のXデー」はまだまだわかりませんが、今後も注目です。