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  • 土. 7月 27th, 2024

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藤本美貴、人気の「ミキティ人生相談」のハズレ回――“働く一般女性”に対する想像力の欠如

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

<今回の有名人>
「だって、その人は周りの信用もないし、仕事も頑張れない人」藤本美貴
YouTubeチャンネル「ハロー!ミキティ」(4月26日)

 旬の果物、イチゴ。この季節、洋菓子店にはイチゴのタルトやロールケーキなど、イチゴを使った商品が盛りだくさんに並ぶ。しかし、だからといって、イチゴの商品しか取り扱わないという店はまずないだろう。なぜなら、シュークリームやプリンなど定番があるからこそ、旬の商品の価値が出るからだ。流行も定番も連動して共生しているわけで、これは人気商売の基本法則といえるのではないだろうか。

 芸能界にも同じようなところがあるように思う。テレビ局がコンプライアンスを強化し、「人を傷つけない穏やかなタレント」が重宝されて“旬の人”になっている現在、タレントにとっては“はっきり物を言うべきこと”さえも、高いリスクを伴うのかもしれない。

 バラエテイ番組を見ていると、出演者が「言っていいのかな」と前置きして発言することは、よくある。炎上させたくない、場を変な空気にしたくないという配慮なのかもしれないが、それではタレントの個性も出ないし、結果的に番組も盛り上がらない。やはり、ズバッと物を言うキャラというのは、いつの時代も必要とされる“定番”といえるだろう。

 今の時代、人を傷つけないのはマストとして、炎上を恐れて萎縮せず、ズバッと言うことは言うので爽快感がある――そんなキャラとして頭ひとつ抜き出た感じがあるのが、元モーニング娘・藤本美貴だ。

 夫はお笑いコンビ・品川庄司の庄司智春。国民的アイドルと芸人のカップルは、結婚した2009年当時こそ、「格差婚」といわれたものだが、現代では、男性が大黒柱になるべきと考える人は減っているだろうから、時代を先んじていたカップルといえる。

 そんな藤本は、自身にも夫にも不倫などの悪いうわさがなく、夫婦円満なようだし、3人のお子さんがいることから、子育てについての経験も豊富なだけに、彼女はかなり“引き出しが多い”タレントだと思う。

 芸能界のご意見番とも呼ばれるズバッと言う系のタレントは、マツコ・デラックスや和田アキ子、美川憲一など、それなりに人生経験があり、話の引き出しの多いタレントばかり。そう考えると、藤本にもその適性はありそうだ。一方、これまでのズバッと言う系タレントは、ビジュアルもキャラも濃く、「そのほうが、説得力が増す」とも考えられてきたように思うが、今の時代は、藤本のようなアイドル出身でナチュラルなビジュアルやキャラの人物のほうが、圧がなく、若者には受け入れやすいのかもしれない。

 藤本の考え方は、いつも“ズバッと明快”といえるだろう。2月22日放送『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)に出演した際、オアシズ・大久保佳代子が、“気になっている男性にアプローチできず、懊悩(おうのう)している”と明かすと、「自分のものにならないなら、嫌われてもよくない? だから、どんどん押せばいいのに」と明るく答えていた。

 おそらく、大久保サンがアプローチできないのは、相手が彼女を受け入れるかどうかの確信が持てないから。大久保サンが気にしているのは、相手の気持ち、もしくは相手から自分がどう見えているかという“評価”であるのに対し、藤本が見ているのは、自分の気持ちと未来ではないか。

 藤本は、今好きな人が、自分をどう見ているかはどうやったってわからないが、自分は相手のことが好きなのは確かなのだから、どんどん進めと言っているのだろう。他人にどう評価されるかより、自分がどう感じるかを優先するのが、藤本の基本的な人生観なのかもしれない。その背景には、必ず運命の人は現れる、明るい未来が待っているという彼女のポジティブな思考があるようにも感じるのだ。こうした前向きさもまた、人に愛されるゆえんなのだろう。

 しかし、タレントとして向かうところ敵なしに思える藤本にも、苦手な話題というものがあるようだ。藤本のYouTubeチャンネル「ハロー!ミキティ」の人気企画「ミキティ人生相談」に、こんなメールが寄せられた。

 26歳の女性が、子どもの体調不良、本人の体調不良を理由に、急に当日欠勤することが多い先輩の存在にモヤモヤしているという。突然休めば、その人の仕事を周囲がフォローすることになるが、「ありがとうございます」「申し訳ありません」などの一言があるわけでもないとのこと。

 藤本は「私は、その先輩はね、放っておいたらいいと思うんですよ」と回答。「というのも、相談者さんも思ってるように、周りも絶対に思っているはずだから、早く自分が仕事を頑張って、その人を抜き去っていけばいいと思う」と、例によって“他人を気にせず、己の道を行け”とアドバイスした。「だって、その人は周りの信用もないし、仕事も頑張れない人だし、ただ入った年数が先の先輩っていうだけであって、全然余裕で抜けるってこともあり得ると思う」と、相談者には仕事に集中することを勧めていたが、正直、私は違和感を覚えた。これは会社員経験のない藤本には難しい相談だったのかもしれない。

 芸能人やプロ野球選手のような個人事業主は、自分が頑張って結果を出せば、評価されるというシンプルなルールで活動している。どちらが先輩であるかよりも、どちらが“数字”を残しているかが問われるし、結果を出せばギャラも増えるだろう。

 しかし、会社員の場合、団体で仕事を回していくことが多いので、1人が抜けると確実に誰かに負担がかかる。一生懸命フォローしても残業代がつくぐらいで、特に賃金が増えることもなく、キャリアアップになるわけでもない。こうなると、「私、なんで人のために頑張っているんだろう」とモヤモヤする人が出てくるだろうし、それは、自分が仕事に集中するだけでは解消されないだろう。

 また藤本は、お子さん、もしくは本人の体調不良を理由に、急に仕事を休む人について、「その人は信用もないし、仕事もできないし」とズバッとコメントしていた。「自分の頑張りが、自分に反映される」という仕事の仕方は、言い方を変えると「結果がすべて」なので、そういうふうに捉えるのもしょうがない部分はあるだろうが、子どもを育てながら働く、一般の会社員側に立って考える“想像力”に欠けていると感じた。藤本は本人もお子さんも丈夫だったのかもしれないけれど、人によっては、出産後に体調が戻りにくかったり、お子さんが熱を出しやすかったりで、出産前と同じような働き方ができないこともあるのではないかと思う。

 だから、周囲が我慢せよと言いたいのではない。特定の社員が会社を休みがちなため、周囲に負担がかかっていることを解決するのは、上司の仕事だと思うのだ。そうしなければ、女性間の不公平感は解消されず、「子持ちは迷惑」という空気が出来上がってしまう。そうすると、子どもがほしくても「職場に迷惑をかけるから」と産みづらくなったり、出産後に、辞めたくもないのに仕事を辞める女性が出てくるだろう。この構造を打破しないと、女性は仕事を続けられなくなってしまう。

 人気の「ミキティ人生相談」には、こんなふうに芸能人的なものの考え方でズレた回答をしてしまう“ハズレ回”もある。しかし藤本は、おそらくそんなことを気にするような人ではないだろう。今後も世の中のモヤモヤをズバズバッとぶった斬っていただきたいものである。


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