登録者数414万人(2023年5月現在)を誇る5人組の大人気YouTubeクリエイター・コムドットが、この春からテレビ界に本格進出している。それが、月曜深夜の30分番組『コムドットって何?』(フジテレビ)だ。同番組は回数限定放送や特番を経て、4月からレギュラー化した。
フジテレビがYouTuberである彼らを起用する真の狙いとは、何なのだろうか。
「『コムドットって何?』を手掛けるのは、放送作家の鈴木おさむ氏です。5月7日放送の『ボクらの時代』(同)で鈴木氏は、同グループのリーダー・やまと、EXIT・兼近大樹との鼎談で、『コムドットを使うのは、テレビにとってすごい実験。これで通用しなかったら辞めますよ』と、まさかの作家廃業宣言まで飛び出しました。それだけの覚悟で臨んでいるようです」(テレビ業界関係者)
YouTube界では言わずと知れた有名グループのコムドットも、テレビでは新入生。業界のあれこれを身をもって体験する際の新鮮なリアクションを、鈴木は視聴者に見せたいのではないかと先の関係者は指摘する。
「今年のGWには、『フジテレビ系ゴールデンウィークアンバサダー』にも就任。『めざましテレビ』や『めざまし8』『ノンストップ!』『ぽかぽか』とフジの生番組を電波ジャックしていました。そして、15日放送の『コムドットって何?』ではその裏側を公開。初の生放送にメンバーは緊張していたようです」(同)
また、9日の同番組では、GENERATIONS from EXILE TRIBEのライブにサプライズ出演するという企画が放送され、GENERATIONS ファン1万5,000人が集まる超満員のライブ会場に興奮したり、イヤモニをつけるのは初めてと感動するなど、メンバーは初体験に対し、素直な反応を見せていた。
さらに、鈴木氏はコムドットを、あの元国民的アイドルグループのようにブレークさせたいのではないかと関係者は指摘する。
「鈴木おさむといえば、SMAPを『SMAP×SMAP』(同)で大ブレークさせた仕掛け人の1人。彼にとって『コムドットって何?』は、『スマスマ』の“再来”ではないでしょうか。偶然にも、放送日も同じ月曜ですし。コムドットという大人気YouTuberをテレビの真ん中に持ってくる実験の先に、“伝説”のアイドルグループの影を見ているのかもしれません」(同)
思えばSMAPも『スマスマ』でさまざまな初挑戦を行ってきた。1996年4月の初回放送は、草なぎ剛の初めてのバンジージャンプで幕開け。中居正広と香取慎吾がスカイダイビングに初めて挑んだのもこの番組だった。それまでSMAPを知らなかった視聴者も、画面から伝わるメンバーのパワー、素の表情や人となりを知るにつれ、彼らを応援するようになっていった。
ただ、コムドットといえば、コロナ禍、緊急事態宣言下での泥酔カラオケパーティーや、YouTuber仲間12人との飲酒を伴う会食を自ら発信、深夜の騒音パーティーで警察沙汰を起こすなど、何かと物議を醸す“要注意グループ”という認識を持つ人も多い。
「確かに良くないイメージを持つ人もいますが、マイナススタートのほうが加点方式で、どんどん好感度を上積みできるメリットもあります。テレビの視聴者の中には、そもそもYouTubeを見なかったり、彼らの不祥事を知らない人もいるでしょう」(同)
今のところ、『コムドットって何?』の視聴率はスタート時からほぼ変わらず、世帯平均は1~2%台、個人平均は0コンマ台だ。一方で、最近はリアルタイムの視聴率よりTVerといったネット配信サイトのお気に入り登録者数といった指標が重視されるようになっている。果たしてフジテレビと組んだコムドットは、国民的グループへと成長することができるのだろうか。