今、注目されている女性ピン芸人の1人がヒコロヒーだ。近畿大学時代、先輩に誘われて学園祭のお笑いライブに立ち、各芸能プロダクションからスカウトされ、現在の松竹芸能を選択。下積み時代を経て、ここにきて勢いを加速させている。
「『キョコロヒー』(テレビ朝日系)『爆問×伯山の刺さルール!』(同)『ドーナツトーク』(TBS系)といった番組で独特の存在感を発揮。自分を卑下しすぎず、かといって偉ぶらない絶妙なバランス感覚で、多くの女性ファンを獲得しています」(芸能ライター)
また彼女は、対人コミュニケーション能力にも長けているようだ。
「今年4月に出演した『徹子の部屋』(テレビ朝日系)では、黒柳徹子への敬愛を示し“徹子先輩”呼びをしながらうまく懐に入りつつも、一定の距離を保って話していました。ウケようと頑張ったり、妙にへりくだったりせず、ただただ『黒柳徹子』という人物と相対し、そのコミュニケーション能力の高さには感心しましたね。またレギュラー出演している『キョコロヒー』では、つかみどころのないキャラクターである日向坂46・齊藤京子と共演。彼女の意外な魅力を引き出したり、毒づきながらフォローしたりと、さばきが見事です」(テレビ局関係者)
さらに、女優業も順調だ。南海キャンディーズ山里亮太とオードリー若林正恭の半生を描いた現在放送中のドラマ『だが、情熱はある』(日本テレビ系)では、亮太(SixTONES・森本慎太郎)の母・瞳美を好演している。
「元スケバンながら、常に亮太を褒めまくる役柄で、ヒコロヒーの雰囲気にぴったりハマっています。また、現在放送中の波瑠主演のドラマ『わたしのお嫁くん』(フジテレビ系)にも出演中。主人公・速見穂香(波瑠)の親友でカフェ併設の花屋の店員・きみちゃんこと高橋君子を演じています」(同)
来月6月23日に公開される神木隆之介主演の映画『大名倒産』では、時代劇に挑戦。丹生山藩の勘定奉行・橋爪佐平次(小手伸也)の妻・しの役を担当している。
「基本的に、“一人芝居”ができる女芸人は演技の仕事が自然と舞い込みやすい。コントの中でさまざまな職業を演じ分けており、その引き出しが自然と身についているのでしょう。いわゆる“飛び道具”的なキャスティングの側面もありますが、うまく画面に溶け込んでいる。今後もオファーが絶えないのでは」(同)
そんな売れっ子のヒコロヒーだが、芸人として賞レースで優勝した経験はまだない。『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)には第1回目の2017年から参戦し、第4回の20年まで4年連続で準決勝まで進出。第5回の21年に初の決勝進出を果たしたが、1stステージで敗退している。昨年3月に行われたピン芸人日本一決定戦『R-1グランプリ』(フジテレビ系)でも、賞獲得とはならなかった。
「ただ、チャンピオンは栄冠をつかんだ瞬間から、その輝きを更新し続けないといけません。優勝したら、以降はそれとの比較でしか語られないため、すでに売れているヒコロヒーの場合、むしろ無冠のほうが良いのではないでしょうか」(同)
なお、そんな彼女とよく似ているタイプの女性ピン芸人がいるという。
「昨年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で審査員を務めて以来、何かと話題が絶えない“女性ピン芸人の先駆者”山田邦子です。彼女もヒコロヒー同様、大学生時代、素人でありながら、ものまね漫談などで評価され、大手の芸能事務所ほぼすべてからスカウトが来ていたといいます。結果的には太田プロに所属し、プロデビュー。1981年にドラマ『野々村病院物語』(TBS)で女優デビューして以降、数々の作品に参加し、演技経験も豊富なんです。なお、全盛期の月収は最高1億円に到達したと言われています」(同)
果たしてヒコロヒーは、山田を超えるほどの女性ピン芸人になることができるのだろうか。