連載企画『「汚部屋」ビフォーアフター』新シーズンがスタート! 第7回目の片付けモニターの応募に当選したのは、東京都中野区・3LDKのマンションに家族と暮らすDさん(40歳)です。
お家まるごと片付け企画、7回目は「パパのクローゼット」を作ります。都心のマンションに多い「小さな収納庫」なので、同じ悩みを抱える家の参考になると思います。
都心のマンションに多い、横幅が狭く奥行きが深いクローゼットです。子ども部屋にありますが、子ども用には身長に合わせた「着替えコーナー」を作ったので、大人用として使います。
まずは、クローゼットの「NG収納」を見てみましょう。
【NG収納.1】中身が見えない箱を積み重ねる
とても良い場所にあるのに、使用頻度の低いモノを詰め込んでいるのはもったいない使い方です。特に「中身が見えない箱」に入れて、積み重ねてしまうのはNG。
【NG収納.2】箱や袋に詰め込むのが散らかりの元
散らかりやすいとお悩みの家ほど、箱や袋に「とりあえず入れる」ので、モノが迷子になります。必要な時に探して出すので、ゴチャゴチャに。種類分けして、適切な「モノの住所」を作る作業を繰り返します。
次に、Dさん宅の「パパの服」に関する問題を確認しましょう。
【問題.1】パパがリビングで着替えをしている
夫がリビングで着替えたり、仕事のバッグや財布を放置すると悩んでいる家も多いと思います。これは、個人的な空間や収納が足りていないサイン。仕事用の小物(財布やスマホ)をリビングに置く習慣は変えにくいですが、洋服は専用のクローゼットを作れば解決します。
【問題.2】物置部屋にパパの服が散らかっている
物置部屋にて、パパの洋服が山積みになって散らかっています。もともとは衣装ケースに入っていたものの、床に置くモノが増えて開閉できなくなったので、このような状態になったよう。
【問題.3】パパの洋服が「ひとまとまり」になっていない
物置部屋のクローゼットも、子ども部屋と同じく2つあります。こちらも使いにくいという理由で目的のない物入れになっており、パパのジャンバーも。それぞれ個人用としてまとめたいので、この部屋はママ用にします。
あらためて、子ども部屋クローゼットの【Before】です。子どもの身長では、手が届かない高さでもパパにはちょうど良いサイズ。都心のマンションは「収納空間」が少ないので、どこの部屋にあるかよりも、誰にとって使いやすいかを優先的に考えると◎です。
【After】パパ専用の中身に統一
散らからないためには、家族それぞれが「個人的な空間」を持つことが大切なので、「パパ専用のクローゼット」を用意しました。クローゼット内の、棚板とポールの位置も変更しています。それでは、ポイント別に解説していきます!
【ポイント.1】ハンガーをスリムなものに揃える
棚ダボの「ハンガーパイプ」は、高さ調整が可能です。パイプを1本増やすのも簡単。ホームセンターなら、1,000円前後の予算で追加できます。サイズが合えば、IKEAのコムプレメントハンガーレール(50cm)が500円(税込)でお得。
また、横幅が狭い場合はハンガーもスリムに揃えると良いです。シャツが多いので、ニトリ「すべりにくい省スペースハンガー メンズ」を選びました。出し入れが快適になるのはもちろん、かさばりが減ります。
【ポイント.2】ネクタイは扉裏に「引っ掛け収納」
ネクタイやベルトは、この家にあった小物用ハンガーへ。扉裏にドア用フックをかけてまとめます。量が多い場合は、100均のワイヤーネットを使うと◎。ウォールポケットや粘着フックを使って、「扉裏の収納」も活用しましょう。
【ポイント.3】小物はダイソー「B4収納バスケット」へ
隣部屋のクローゼットから棚板を移動して、1枚増やしました。男性の服装小物は少量なので「浅型の箱」で十分。このクローゼットは、奥行き58cmなのでA3とB4サイズが入ります。今回はダイソーの「B4収納バスケット」100円(税抜)を4つ揃えました。底面に「家具保護パッド」を貼れば、引き出しのように使えます。
衣装ケースは、1個500円の新古品を2つ用意しました。体の大きな男性にちょうど良い、深めの衣装ケースです。女性の場合は、これより浅め(高さ24cmぐらい)で揃えます。また、空間をムダなく使い切りたい場合は、横幅60cm(内寸横幅68cm)のクローゼット用衣装ケースが最適。クローゼットの内寸サイズと、洋服の数によって衣装ケースの選び方も変わります。
【ポイント.5】観音扉のクローゼットの「蝶番」に注意
マンションのクローゼットが使いにくい理由は、赤丸(A)の蝶番にあります。この凹凸(写真の場合:約4cm)に引き出しがぶつかるので「衣装ケース」を設置する場合は注意が必要。Dさん宅のクローゼットを例にしたサイズを次に補足します。
観音扉の扉タイプで(A)のような蝶番があると、扉と引き出しがぶつかってしまいます。衣装ケースを購入する場合は、必要な隙間サイズを調べてから選びましょう。Dさん宅の場合、横幅の内寸が68cmで4cmの隙間が必要。この空間を使い切りたい場合は、横幅60cmか横幅30cmの組み合わせタイプの衣装ケースがおすすめです。
【まとめ】子ども部屋に「大人用クローゼット」でもOK!
子ども部屋だからといって、子ども用のクローゼットとして使う決まりはありません。マンションのクローゼットは高さがあるので、大人のほうが管理しやすい造り。Dさん宅の朝の支度もスムーズになり、洋服を脱ぎ散らかすこともなくなりました!