今年春以降、世間を騒がせているジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題。メディア報道が活発化するとともに、ジャニーズファンの間で、事務所の対応について賛否両論が飛び交う中、今月16日にビジネス情報サイト「JBpress」で公開された「PENLIGHT(ペンライト)ジャニーズ事務所の性加害を明らかにする会」発起人のインタビューもまた、ネット上で論議を呼んでいるようだ。
ジャニー氏は生前から所属タレントへの性加害疑惑が取り沙汰されてきたが、今年3月、BBC(英国公共放送)のドキュメンタリー番組『Predator: The Secret Scandal of J-Pop』が、同氏の疑惑や、日本のほとんどのメディアがそれを報じずにきた背景を追及。以降、かつてジャニー氏の被害に遭ったという“元ジャニーズ”たちの告発も相次ぎ、徐々に大手メディアでも取り上げられるようになった。
「この事態に対するジャニーズファンの反応はさまざま。事務所の対応を徹底的に糾弾する人もいれば、理解を示す人、また、そもそも一連の騒動を“無視”している人もいます。グループの分裂騒動が勃発したKing&PrinceやSMAPのファンは、もともと事務所にいい感情を抱いていなかったこともあってか、特に批判的な傾向がありますね。デリケートな問題だけに、致し方ない部分もありますが、それぞれのスタンスの違いから、SNSでファン同士が言い合いになるケースもしばしば見受けられます」(芸能ライター)
「PENLIGHT」代表者のインタビュー、アイドル誌関係者が抱いた違和感
そんな中、“ジャニーズファン有志”により発足したという団体「PENLIGHT」の存在も、ファンが揉める原因の1つになっている。
「同団体の発起人は高田あすみ氏(仮名)。ジャニーズファン歴は10年ほどで、コンサートのために数十回遠征をしているなどとも伝えられています。ジャニー氏の性加害問題で事務所に対応を求め、その署名を提出する際には記者会見も行っていましたが、SNS上では当初から『本当にファンなのか?』という疑問が相次ぎました」(同)
そんな中、今月に入って「JBpress」で公開された「ジャニオタと考える、ジャニーズのファンクラブが管理されている問題 【前編】テレビだけではなくファンさえ楯突けない権力構造」というインタビュー動画が、SNS上で波紋を呼んでいる。動画に出演している“ジャニオタ”とは、高田氏のことだ。
「この動画でインタビュアーが『たまにジャニーズのアイドルの方がバックステージみたいなとこに出てこられて、ファンの方が握手というか、近づいて写真撮ったり』と話を振った際、高田氏は『多分それは番組協力とかのこと』などと話を進めていたのですが、そこに違和感を覚えました。というのも、ジャニーズのアイドルが番協で、ファンと近づいて写真撮影をするといった対応を取ることはまずあり得ないからです」(アイドル誌関係者)
このアイドル誌関係者いわく、「もしかしたらこのインタビュアーは、ジャニーズファンの間で『列』と呼ばれる出待ち文化の話をしているかもしれない」と話す。
「ジャニーズには、舞台出演後のタレントが、トップのオリキ(熱心なファン)の仕切りで、ファンたちの前に現れて少し話をし、ファンレターを受け取る……という文化があります。その際、タレントごとにファンがまとまって列を形成していることから『列』と呼ばれているんですが、その場で握手するとか、ましてや写真撮影をするなんてことはないだけに、高田氏はなぜその点を指摘しなかったのかと不思議に思いました」(同)
そのほか、高田氏は韓国だとファンがファンクラブを発足するが、ジャニーズの場合は「事務所がファンクラブを設立して、みんながそこに参加してくる」「事務所から与えられてる情報だったりとか、そういったものを受け取るっていう立場」と説明。インタビュアーは「(事務所に)管理されてる」という認識を口にしていた。
「また、高田氏はセンイル広告(韓国で盛んな文化で、アイドルの応援目的などで個人やファンが出す広告)について触れ、『ジャニーズのファンがそれをできるかっていうと、おそらく絶対できない』『ジャニーズ事務所はすごく、こう、肖像権なんですかね? 画像の取り扱いとかにものすごく厳しいので』などと語っていたものの、ジャニーズファンにセンイル広告を出したいという人はほとんどいないのでは……そこにお金を使うよりも、CDや公式グッズを買いたいという人のほうが圧倒的に多いという印象です」(同)
SNS上では「高田さん、マジで何言ってるのって感じで笑った」「やっぱりジャニオタじゃなくない?」などとあきれるジャニーズファンが散見される。
「ジャニー氏の性加害は重大な問題と認識し、事務所の対応に不満を持つファンの中にも、高田氏が“ジャニオタ”を自称し、ファン代表的な立ち位置で事務所批判を牽引していることに、違和感を持つ人は多いでしょう。こうした場外乱闘で、被害者の存在が置き去りになってしまうのは、問題解決のためにも避けるべきことだと思いますが……」(芸能記者)
ジャニー氏の性加害問題をめぐっては、ファンが揉める“火種”が少しでもなくなるような展開に期待したいが、果たして……。