• 火. 12月 31st, 2024

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『ドキュメンタル』シーズン12、“永遠の悪ガキ”近藤真彦の居場所はここにあった!

 マッチさんが『ドキュメンタル』にやって来る――。

 この一文だけでもう面白い、そんなパワーイベントが実現した。あのマッチさんこと近藤真彦が、『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』のシーズン12(5月26日よりPrime Videoで独占配信)に出演したのである。大物芸能人であるマッチさんが参戦するとあって、ほかの出場者も「なんでマッチ!?」「マッチ、出てくれるの!?」となることは間違いない。今回は、マッチさんの初『ドキュメンタル』を振り返ってみたい。

 最初に『ドキュメンタル』とはどんな番組かをおさらいしよう。

 同番組は、Amazonプライム(Prime Video)で配信される「極限の笑わせ合いバトル」(公式より)。参加者たちは密室で、設定された制限時間のもと、あの手この手で互いを笑わせ合う。企画者のダウンタウン・松本人志に「笑った」と判断された出演者は、その回数や度合いに準じ、イエロー、オレンジ、レッドカードを出され、最終的にレッドが出たら退場。最後までの残った人が優勝となり、賞金は1000万円。視聴者は、参加者の繰り出すネタやハプニングに笑いつつも、果たして誰が勝つのか、誰が最初に笑ってしまうのか、固唾を呑んで見守るというのが、この『ドキュメンタル』だ。

 なお、通常同番組の参加者は芸人のみだが、シーズン12は、芸人以外の出場者も参加する「UNLIMITED」としての扱いで開催され、ISSA(DA PUMP)、カンニング竹山、長州力、藤本敏史(FUJIWARA)、三浦翔平、若狭勝(弁護士)、そして近藤真彦の計7名が参戦。芸人、アーティスト、格闘家、俳優、弁護士、そしてレーサー……異種バトルにもほどがある幅の広さだった。

これこそがマッチさんだ! 『ドキュメンタル』参戦の決意表明

 出場者に対し、自分以外の誰が参戦するか、事前に知らされないという『ドキュメンタル』。マッチさんが入室したときのほかの出場者は、ほぼ全員が驚きの表情を見せ、「ええーっ!?」と声を上げた。藤本は「実在してるんですね」とも漏らしていた。

 このリアクション、確かに“わかる”。バラエティになじみ深いタレントや俳優、アスリートとはまた違う「レジェンド」、いろいろあって近年メディア露出がほぼない「元ジャニーズ」、ほかの芸能人出場者たちよりも当然芸歴も長い「大先輩」。そりゃ驚くはずだ。視聴者側とほぼ同じくらい、出場者も驚いたのではないだろうか。

 事前に収録された出場にあたっての“決意表明VTR”の中で、マッチさんは自信満々にこう語った。

「5分や10分でみんなが万が一笑い転げちゃった場合は、残りの何時間どうすんの?」

 これはつまり、“オレが笑わせて、あっという間に終わらせちゃうよ”という先制パンチだ。そして、マッチさんは続けて、

「一撃で倒しにいく」
「全員倒しにいこうかと思ってます」

と、イキリまくる。このオレ様感、ジャイアニック感、そいつが俺のやり方感――これこそがマッチさんだ! 一番野郎だ! と大興奮したのは筆者だけだろうか。

 しかし、である。開始早々、思いもよらぬ意外性と想像以上の破壊力をもって放たれた若狭弁護士の連続攻撃に、マッチさん、いきなり表情が崩れまくり、悶絶しながら笑いをこらえているではないか……! 

 絶対笑ってるよ、マッチさん! とハラハラしながら見守っていると、マッチさんはそれをごまかすかのように、うろうろしては水を飲んだり、ギターをかき鳴らしてみたり、意味もなく「暑い、暑い」と言ったり……「5分10分で笑い転げ」かけてるのは、マッチさん自身じゃないか! 松本や共演者たちも疑惑の目で見ているぞ! とツッコまずにはいられない展開が続いた。

 そんなマッチさんが豪語した「一撃必殺」とは何なのか。

 メイン会場からいったん姿を消したマッチさん。何か仕込みに行ったに違いない。しばらくたって戻って来ると、スパンコールをあしらったデニムのノースリーブと短パン、さらにバンダナとデビュー当時風のヅラ姿で登場。そして、

「マッチでーす……」

 いまだかつて、こんな乾いたトーンかつテンション低めの「マッチでーす」を聞いたこと、あるだろうか。たぶん、ない。

 実はマッチさん、冒頭で「マッチでーす!」は自分で言ったことがないと明かしていた。あくまで片岡鶴太郎をはじめとするモノマネタレントがやっているだけのネタであり、つまり木村拓哉の「ちょ、待てよ」と同じカテゴリーのものというわけだ。

 しかしこの冒頭の「自分で『マッチでーす!』と言ったことない」発言は、マッチさんなりの“フリ”だった。

 マッチ(令和)がマッチ(初期型)のコスプレをしている、そして「マッチでーす」と言った――このインパクトで一撃必殺を狙っていたんだと思う。しかし、この渾身のコスプレ、残念ながらややウケに終わってしまった感がある。玉ねぎに向かって「黒柳さーん!」と呼びかけていたのは、まあまあウケていたが。

 その後も大ピンチの連続のマッチさん、どう見ても今回、最弱だ。たのきんトリオといえば、トシちゃん(田原俊彦)のバカ笑いのインパクトが強かったけれど、もともとバラエティやコントが大好きなマッチさんは、ゲラだったかもしれないなと思った。

 そんなマッチさん、思わぬところでクリーンヒットを放つ。

 早々に退場してしまいそうな気配に、「すぐ退場したらどうするんですか?」と問われると、わりと真顔で一言、

「お話を聞きます」

と言ったのだ。これが何人かのツボに入った。狙い通りにはいかず、思わぬところで笑いを取る。それがマッチさんだ。

 果たしてマッチさん、生き残れたのかどうかは割愛しておくが、結局、「マッチが出るの!?」 という登場時の衝撃と、初期コスプレがすべて――ある意味「出オチ」だったのかもしれない。

ジャニーズ退所の自虐ネタに走らなかったのは、近藤真彦のプライドか?

 とはいえ、アイドルウォッチャーとして、今回の『ドキュメンタル』はあらためて近藤真彦の魅力を十分に感じさせるものだった。

 あの開始前のビッグマウスこそ、若い頃に大御所から気に入られた理由だったはずだ。ジャニーズ時代の後半は、そこが後輩ファンに煙たがられることもあったが、マッチさん、デビュー40年を超えても、本質は全然変わっていないんだなと、感慨深かった。

 そして、ジャニーズ事務所を辞める原因となった騒動など、マッチさんのような存在の人がやれば、確実に笑いを取れそうな自虐ネタに走らなかった点もよかった。「マッチでーす(低テンション)」が、マッチさん的に最大の自虐だったのだろうか。だとすれば、この線引きは、関係者の意向というより、マッチさんのプライドだったのかもしれない。

 終了後、「今度こそ一撃で!」と吠えていたマッチさん。こうした幾つになっても変わらぬ“マッチ節”が、周りからウザがられず、いじってもらえる環境でこそ、彼の魅力は輝く。永遠の悪ガキの居場所は、ここにあったのかもしれない。

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