• 日. 12月 22nd, 2024

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ママ友の車で水族館へ、ランチ代を多めに払ったのに「駐車場代」を請求されて困惑

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 ママ友と子連れで外出する機会が増えるゴールデンウィークや夏休みなどのレジャーシーズン。郊外に外出する際には、車に相乗りして出かけるケースも多い。何かと費用が発生する車での外出は、家族や気の知れた友人同士なら問題は起きないだろうが、ママ友同士の場合、トラブルが発生しがちな面もある。

 今回は、ママ友と車で外出した際、気まずい思いをしたというある母親の話を取り上げる。

車移動が当たり前のママ友。IKEAやコストコに連れていってもらえた!

 薫さん(仮名・34歳)は、派遣でデータ入力の仕事をしながら5歳になる女児を育てている。夫は出張の多い職場で働いており、土日に家を空けがち。その際は薫さんがワンオペで子どもを見ている。

「うちは車を持っていないんです。私はそもそも免許を持っていないし、夫は土日にあまり家にいないので、家族で遠出することもなく、車なしでもそこまで苦労はしていません。たまに夫の実家の軽自動車を借りているんですが、夫は『家から実家に車を取りに行くのも、実家に車を返した後、家まで帰るのも面倒』と漏らしていて、本当に必要な時以外は乗らないですね。ただ困ったのはコロナ禍の時です。子連れで電車に乗るのは気が引けるし、とはいえずっと家にいるのも……と思っていた時、同じ保育園に通っているママ友の裕子さん(仮名・36歳)が私たちをミニバンに乗せて、一緒にバーベキューに連れて行ってくれたんです」

 裕子さんは、7歳と5歳の女児を育児中。お稽古の送迎などで普段から車に乗り慣れていたという。

「裕子さんは、日々の買い物も車を出してまとめ買いしているそう。郊外にあるコストコやIKEAに行く際には、『一緒に行かない?』と誘ってくれることもあります。便乗してしまって申し訳ないなぁと思っていたんですが、裕子さんは、『薫さんが一緒だと、フードコートで子どもを見てくれている間に、一気に買い物できるから。私1人で行くより楽なのよ』と喜んでいました」

 薫さんはお礼にガソリン代を支払おうと思ったが、車を持っていないためいくらかかるのかわからなかったそうだ。

「最初、裕子さんに『ガソリン代を払いたいんだけど、いくらくらい?』と聞いてみたのですが、『薫さんが一緒じゃなくても出かけるつもりだったからいいよ』と言って、受け取らなかったんです。その後は、ガソリン代の代わりとして、裕子さんの子どもにアイスを買ってあげたり、ランチ代を多めに出すようにしました」

ママ友とGW中に水族館へ――「駐車場代を支払ってほしい」と言われ驚いた

 薫さんと裕子さんは、ゴールデンウィークに子連れで水族館へ出かけた。駐車場は満車だったため、近辺のコインパーキングを探してほぼ半日駐車した。

「観光地のため、どこもかしこも満車で、ようやく水族館から10分ほど離れたパーキングに駐車できました。私はいつも通り、昼食代やおやつ代を多めに出して、それをガソリン代の代わりにしたんですが……帰りに裕子さんが言いづらそうに『駐車場代を支払ってほしい』と。これまで一度も駐車場代を請求されたことがなかったので驚きました」

 裕子さんいわく「大型ショッピングモールなどは買い物をすれば駐車代がタダになるところが多いため、これまで請求していなかった」とのこと。

「裕子さんとしては、GW中の観光地とあって駐車場代が思った以上にかかったから、出してほしいみたいでした。食事代はうちが多めに支払ってはいたのですが、それでは不十分だったのか……もしかして私って非常識だったのかなと、気まずい思いをしましたね。ママ友に車を出してもらったら駐車場代を支払うのは、暗黙のルールだったのでしょうか」

 ママ友との車での外出でトラブルに発展しやすいのが、この「ガソリンや駐車場代」問題ではないだろうか。

 よく車に乗せてもらった側が全額負担するという話を聞くが、今回の裕子さんのように、車を出す側が「ガソリン代はいらない」と言う場合もある。走行距離によって払う/払わないが変わってくることもあり、明確なルールはないといえる。ただ、車を出すほうは、仲の良いママ友ほど、面と向かってお金を請求しづらいことを考えると、車を出してもらう側が気を使わなければいけないのは間違いないだろう。

 今回のケースは、薫さんに運転経験がないため、車で外出した際の支出がどれくらいかかるのかわからなかったのが、問題だったと感じた。確かに、ガソリン代と比べて駐車場代は、買い物などで無料になるケースもあるため、免許を持っていない人には気づきにくい出費かもしれないが、やはり車に乗せてもらったママのほうから、「今日の駐車場代はいくらだった?」と聞くのが、暗黙ルールなのではないか。

 また薫さんはこれまで、裕子さんの子どもにお菓子を買ったり、ランチ代を多く支払うことを、「ガソリン代の代わり」と勝手に思い込んでいたが、裕子さんは「車を運転してくれたお礼」と認識していた可能性もある。その場合、裕子さんは、運転のお礼と駐車場代の実費は別と捉えており、今回はコインパーキング代が発生したため、薫さんに請求したとも考えられる。こうしたすれ違いを生まないためにも、薫さんは「何に対して食事代を多く払っているのか」を、しっかり伝えておいたほうがよかったのかもしれない。

 お金が絡むと、ママ友付き合いはぎくしゃくしてしまう。ママ友に車を出してもらった際は、ガソリン代や駐車場代をいくら払えばいいのか、もしくは、ほかの方法でお礼をしたほうがいいのかを、自分の判断ではなく、まずは相手に聞いてみる。それもママ友のルールといえるだろう。

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