下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
夫の逮捕で、その動向が注目された三浦瑠麗氏。そんな三浦氏の近況を「フライデーデジタル」が報じている。大切にしていた軽井沢の別荘を売った。買ったのはドワンゴの創業者・川上量生。相変わらず華麗な人脈だ。
第657回(6/29〜7/4発売号より)
1位「市川猿之助容疑者 親に手をかけたのは『セクハラを叱られたくなかった』」(「女性セブン」7月13日号)
2位「独占スクープ第2弾 キャンドル・ジュン氏 ドス黒すぎるオンナとカネ」(「週刊女性」7月18日号)
3位「広末涼子誤算! 反ヒロスエ連合が大増殖」(「女性自身」7月18日号)
是が非でも自分たち、そして記事との関係を否定したいらしい。4代目市川猿之助が母親の自殺ほう助の容疑で逮捕、東京地検に送検されたが、そもそもの発端はもちろん「女性セブン」のスクープ記事にあると見る向きは強い。「セブン」は6月1日号(5月18日発売)で「歌舞伎界激震の性被害! 市川猿之助 コロナ拡散濃厚セクハラ」との記事を掲載、猿之助の卑劣なパワハラ・セクハラ、そして梨園の悪しき体質をあぶり出した見事なスクープだった。
その後の“猿之助一家は心中”はもちろん「セブン」にとっても予想外で、衝撃的だったはずだ。しかし時に予想外の大騒動が起こってしまうのも、週刊誌やスクープ記事の宿命でもある。もちろん“心中事件”も「セブン」が責任を負うものではない。むしろ、それだけ影響ある出来事や問題をスクープし、世に問うことができたのだから、堂々としていればいい。そして心中事件の背景にあったものを、さらに記事にすればいい。
でもね。「セブン」は事件が起こってから、ずっとなんだか腰が引けちゃってるんだよね。っていうか、事件とスクープ記事の因果関係をできるだけ否定しようとしている。今週もそうだ。
今回の記事では「セブン」が猿之助のセクハラ・パワハラを取材している頃、猿之助はすでにそれを知っていて関係者に箝口令をしいたり、関係者と協議したりしていて自殺するようには全く見えなかったこと、また歌舞伎界は世間とは違う“非常識”がまかり通る世界だと指摘した上で、歌舞伎関係者のこんな証言を掲載している。
「猿之助さんは少し前からセクハラ・パワハラに関する情報が出ることは知っていましたが、ますます意気軒昂に主演舞台に上がっていました。それでも、実際の記事を見て、ご両親は猿之助さんに非常に厳しい態度を取ったのではないでしょうか。誰に叱られることなく自由に振る舞ってきた“裸の大将”だった猿之助さんは、それに激しく動揺したのでしょう。(中略)周囲からの特別扱いが普通だった猿之助さんには、陰湿なセクハラ行為を親から叱られることは耐えがたい苦痛だったのではないか」
親に叱られることが耐えられないから一家心中? いやいや、無理がありすぎでしょう。そもそも猿之助の父親・段四郎は病で介護が必要であり、事態に対しどの程度の認知があったかも不明だと報じられている。しかも2012年の猿之助襲名の際のエピソードとして、襲名することを父親に相談せず直前になって「襲名するから」の一言で済ませたこと、また伯父の猿翁を尊敬していたが実父を軽んじている様子があったことなどが伝えられている。母親は矍鑠(かくしゃく)としていたというが、それにしても、歌舞伎界の大スターであり自他共に認める“賢い男”が“親に叱られる”という理由で一家心中なんて。「セブン」による珍説としかいいようがない。
実際、猿之助は逮捕後に「私に関する記事が週刊誌(女性セブン)に掲載されることを両親に話したところ、家族会議が行われて『みんなでさよならすることにした』」と供述したと報じられている。もう観念しようよ、「セブン」。堂々とスクープの手柄を誇ろうよ。プライドが高い猿之助は、自分の悪行、恥部をさらけ出されることがよっぽど耐えられなかったんだよ。常人には理解できないほどのプライドだったんだよ。
キャンドル・ジュン氏の“非通知攻撃”
先週、広末涼子の夫のキャンドル・ジュン氏の暴行、不倫スキャンダルをスクープした「週刊女性」。今週も第2弾を放っているが、いろんな意味で面白かった。
先週は元スタッフがキャンドル氏から暴行を受けたこと、また新入社員の女性と不倫していたことを報じた「週女」。そんな「週女」編集部には報道直後から元スタッフや関係者などからタレコミが相次いだらしい。スクープの連鎖だ(笑)。そして今週は、それらタレコミを元に、元スタッフや友人など3人による告発が誌面を飾っている。
それらをまとめると、キャンドル氏の暴言やモラハラは男女関係なく行われ、男性には殴るなどの暴行もあったこと。労働も長時間で報酬は少ないこと。そのため精神的に追い込まれて辞めていったスタッフが何人もいるなど、先週の「週女」の告発記事は事実であると証言がなされている。そして、結婚後も女性関係は続き、不倫も事実だとして「周りにいる子で手を出されていない子のほうが珍しいくらい」といった状況だったらしい。さらに、こうしたキャンドル氏の行状は事務所で働いてスタッフほぼ全員が知っている事実だという。
加えて、キャンドル氏の法律違反疑惑も告発される。キャンドル氏は現場で出たゴミなどをスタッフに指示し、事務所近くの川沿いに不法投棄させていたという。だが、こうした証言以上にキャンドル氏の“裏の顔”がわかるエピソードが飛び出した。それが“非通知攻撃”だ。
記事によれば、キャンドル氏は何かあると“非通知着信”をするらしい。
「“非通知”はスタッフ、ジュンさんの親しい友人も被害に遭っています。理由は不明なのですが、そういうところがすごくねちっこいです」(元スタッフAさんのコメント)
かなり怖い。陰湿だ。この“非通知攻撃”は先週、キャンドル氏から暴行を受けたことを告発した男性も受けたという。そしてびっくりするのが、以下のくだり。
「そして信じがたいことに前回、キャンドル氏と電話で話した本誌担当記者に対しても非通知着信が複数入っている」
100%キャンドル氏だとの確証はないが、しかし――。このエピソード、かなり怖い。
芸能界の悪弊がなくならないワケ
最後も広末関連だが、これまた怖い。広末不倫をスクープした「週刊文春」は、6月22日発売号で広末本人が文春記者に電話をかけ、所属事務所への不満を漏らしていた。これに対し、同じタレントである和田アキ子、鈴木沙理奈、藤田ニコルが情報番組で広末を批判した。
理由は皆同じ。“これまで守ってくれた事務所に楯突くのはいかがなものか”という論理だ。怖い。芸能界に巣食う“事務所絶対論”。タレントたちからしてこんな認識だから、事務所を辞めると干されるという悪弊がなくならない。ジャニーズ事務所の性加害が放置される。ギャラをいっぱい搾取する事務所もなくならない。怖い。