• 日. 12月 22nd, 2024

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「松屋の梅だしうな丼」が管理栄養士のイチオシ! 牛丼チェーン店の「夏メニュー」をジャッジ

「おいしいごはんが食べたい、でも自炊するのはめんどくさい!」そんなズボラ女子の救世主といえば、コンビニ・ファミレス・ファストフード! 毎日の食事をおいしく楽チンにするため、管理栄養士・猪坂みなみ先生に、さまざまなテーマに合わせた「おすすめメニュー」を聞いちゃいます。

牛丼チェーン店は夏メニューで個性が出る!

 いよいよ夏本番! 大手チェーン店もさまざまな季節限定メニューを展開しています。夏バテに効きそうな清涼感のあるメニューからひんやりスイーツまで、目移りしてしまいそうですが、今回は牛丼チェーン店の夏メニューから、管理栄養士の猪坂先生におすすめナンバーワンを決めてもらいます!

※値段はすべて税込価格

――今回は牛丼チェーン店の夏限定メニューを見ていきたいと思います。その前にまず、「丼もの」に関して、栄養価的に推せるポイントを教えてください。

猪坂みなみ先生(以下、猪坂) 丼ものは、ごはんの上にお肉やお魚などの具が乗っているので、エネルギーとたんぱく質の補給になるという利点があります。

 特に丼に含まれているご飯の量は、通常のお茶碗1杯分のご飯の1.5倍くらいになりますので、運動前などでエネルギーをたっぷりとりたいときには良いですね。

――夏は特に疲れやすい人も多いと思うので、丼ものからパワーを得たいですね! ではさっそく、牛丼チェーン店の夏メニューを見ていきます。

牛丼チェーン店の夏限定メニュ(1)
松屋「梅だし三食丼」(630円)、「松屋の梅だしうな丼」(1,080円)

猪坂 松屋の「梅だし三色丼」については、お肉などのたんぱく質だけでなく、梅干しやキュウリ、大根、とろろなどのさまざまな食材が含まれている点がとても良いですね。特に暑いと食欲が落ちてしまいやすいですが、梅干しやとろろが入っていることでさっぱりしているので、無理なく食べられるのではないでしょうか。

 「松屋の梅だしうな丼」は「梅だし三色丼」と同様に梅干しのさっぱり感を味わえるだけでなく、うなぎでスタミナをつけられるので、こちらも暑さでバテそうな日に向いていますね。

――「さっぱり感」って大事ですよね。最近は特に暑すぎるので、梅干しはぴったりな気がします。

猪坂 梅の酸味のもとであるクエン酸やリンゴ酸などには、筋肉に溜まった疲労物質である乳酸を分解し、エネルギーに変える働きがあります。さらに、食欲増進や消化促進効果も期待できるので、暑さで疲れてしまったり食欲がわかなかったりするときに役立つと考えられますね。

 ちなみに、うなぎには脂質が多く含まれているため、エネルギー源として有効です。さらに、糖質をエネルギーに変えるなどの代謝を助けるビタミンB群が豊富に含まれているので、昔から夏バテ予防や疲労回復に有効な食材として知られています。

――このメニュー、一つ気になる点があります。昔から「梅とうなぎ」は食い合わせが悪いなんてうわさがありませんか?

猪坂 うなぎと梅干しの食べ合わせが悪いというのは、栄養素の面では気にしなくてよい説だと思います!

 確かに、食い合わせが悪いという言説はあり、理由には諸説あるようですが、栄養価的には問題ありません。むしろ鰻に含まれるビタミンB1や、梅干しのクエン酸などは、どちらも疲労回復に役立つ成分ですので、夏にこの2つの食材を一緒に食べるのはむしろおすすめですよ。

牛丼チェーン店の夏限定メニュー(2)
吉野家「牛皿麦とろ御膳」(712円)「牛麦とろ丼」(602円)

猪坂 吉野家の夏メニューも、牛肉だけでなく、とろろやおくらなどが含まれており、ビタミン・ミネラル・食物繊維の補給に役立つ点が良いと思います!

 特に気温の高い日は食欲が落ちやすいですが、とろろによってのど越し良くご飯を食べられるので、栄養不足の防止に良いのではないでしょうか。

――牛とむぎとろの相性ってどうなんでしょう?

猪坂 相乗効果というほどではありませんが、むぎとろやオクラには水溶性食物繊維が含まれているので、脂の多い牛肉と一緒に食べると、余分な脂の排出を促す働きが期待できますね!

――余談ですが、牛丼チェーン店で「御膳」と「丼」がある場合、どちらにしようか結構迷ってしまいます。それぞれ栄養価的に違いはあるんでしょうか?

猪坂 膳は汁物や副菜がついており、ビタミンやミネラル、食物繊維を補給できるので、栄養バランスを整えたいときはこちらのほうが断然おすすめです。また、丼ものはベジファーストの食べ方を実践しにくく早食いにもなりやすく、その点でも御膳のような定食タイプの食事のほうが、自然とゆっくり食べられて◎。ダイエットにも健康にも良いですよ。

 丼ものの利点は、おかずとご飯を一度に食べられるので、食事に時間をかけられないときには良いのではないでしょうか。最近はやりの“タイパ”重視なら、丼ものですね(笑)。

猪坂 なか卯「すだちおろしうどん」も、食欲が落ちているときに良さそうですね。

 すだちの酸味や大根おろしでさっぱり食べられそう。大根に含まれる消化酵素アミラーゼはでんぷんの消化を助けてくれるため、うどんとの相性も良いでしょう。

――すだちの栄養効果が知りたいです!

猪坂 すだちなどの柑橘(かんきつ)類には、クエン酸やビタミンCが豊富に含まれています。クエン酸は疲労回復に、ビタミンCは紫外線のダメージ低減に役立つので、夏にとるのは理にかなっていますね。

――うどんは消化が良く胃への負担が少ないと聞いたことがあるので、「すだち×うどん」は夏バテに最適ですね!

猪坂 そうですね。特に消化に時間がかかるのは脂質。脂質の多いステーキや揚げ物、脂こってりのラーメンなどは、胃に負担がかかりやすいです。それと比較すると、うどんのほうが消化しやすいといえますよ。

牛丼チェーン店の夏限定メニュー(4)
すき家「夏の彩り野菜カレー」(730円)

猪坂 すき家の夏メニューはカレーです! ブロッコリーやニンジン、パプリカ、かぼちゃなどの緑黄色野菜がゴロゴロとトッピングされている点に惹かれます。

 緑黄色野菜はβカロテンなどの抗酸化ビタミンが豊富で、細胞のサビつきを防止してくれます。また、カレーはご飯やルーに糖質や脂質が多く含まれるので、先に野菜から食物繊維をとっておくことで、それらの吸収を抑える効果も期待できるでしょう。

――「夏野菜」や「冬野菜」など、季節の野菜はそれぞれ特徴があるものなのでしょうか?

猪坂 もちろん! 「夏野菜」には、水分やカリウム、ビタミンCなどを含むものが多いです。夏は気温が高く汗をかき、水分やカリウム、ビタミンCなどが失われやすいため、こういった成分を含む夏野菜を食べて補給すると良いですね。

 「冬野菜」には、糖質やβカロテンなどを含むものが多いです。冬は風邪などがはやる季節なので、糖質でエネルギー補給、抗酸化ビタミンで免疫力低下防止が期待できます。

牛丼チェーン店の夏限定メニュー(番外編)
すき家「かき氷」(330円)

猪坂 番外編として紹介したいのが、すき家のかき氷! 牛丼チェーン店でかき氷が食べられるなんて画期的だと思うんですよね。

 栄養価的には氷とシロップなので、特におすすめできるポイントはないんですが(笑)、「パチパチ クリームソーダ」「宇治金時ミルク」「いちごミルク」と、定番の味がそろっているのもうれしいです。ちなみに、一番たんぱく質が多いという理由で、宇治金時ミルクがおすすめです。

――個人的にはかき氷が今一番食べたいのですが……(笑)。今回紹介したメニューの中で猪坂先生のイチオシはどれでしょうか?

猪坂 一番おすすめしたいのは、「松屋の梅だしうな丼」です! 疲労回復効果が期待できるビタミンB1を含む鰻と、それをさっぱり食べやすくしてくれる梅干しなどが含まれており、さらにキュウリや大根の野菜も一緒に食べることができます。一石二鳥どころか三鳥といってもいいでしょう。

 夏の暑さでますますキッチンに立つのが億劫(おっくう)になっている人も多いと思いますので、ズボラ飯で乗り切っていきましょうね!

猪坂みなみ(いのさか・みなみ)

管理栄養士。大学卒業後、大手食品メーカーにて商品企画や研究開発などに従事。ダイエットアドバイザー、料理研究家助手、医療ヘルスケアベンチャー企業の商品企画職等を経て、現在はLINEで気軽に取り組めるパーソナルダイエットプログラム「ダイエットナビ」の運営や、ヘルスケア領域の新規事業開発アドバイザリー、法人向けの健康経営サポート等を行う。
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