『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(フジテレビ系)『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』(テレビ東京系)『呪術廻戦 懐玉・玉折』第2期(TBS系)など、注目作品が目白押しの夏アニメ。そんな中、ジャニーズファンの注目を集めているのが、毎週火曜深夜24時からテレビ東京系で放送されている『フェ~レンザイ -神さまの日常-』だ。
同作は、中国で社会現象を起こした大人気アニメ『Fei Ren Zai』の日本語吹替え版。「封神演義」「西遊記」「山海経」などの神話に登場する神々が、現代社会で生活する面白くも奇怪な日常を描いたコメディアニメで、ジャニーズJr.内ユニット・HiHi Jetsの高橋優斗と7 MEN 侍の中村嶺亜が声優に初挑戦している。
高橋が演じているのは、バカだけど憎めない犬系男子のコウテン(哮天)役。一方、中村はクールな美少年のナタ(哪吒)役を担当しており、ネット上では、ジャニーズファンから「2人ともうまくてびっくりした」「キャラに合ってる」「声優さんにまじっててもそこまで違和感ない」などと好評だ。
内田真礼、杉田智和、神谷浩史、三木眞一郎、岡本信彦、上坂すみれ、蒼井翔太ら、豪華声優陣が多数出演している中、高橋と中村の演技は、業界内でどのように評価されているのだろうか。関係者は以下のように語る。
「2人とも声優初挑戦とのことですが、伸びしろがあると感じました。まず、コウテン役の高橋は、自然体で演じていて好感が持てます。コウテンはわかりやすい陽気なキャラクターで、初心者でもとっつきやすい役どころなのですが、高橋は変に声を作らず、彼自身の声で演じている点がいいですね。対して、演じるのが難しいのは、中村が担当しているナタ役。この作品の魅力でもある“シュールさ”を担う役どころです。おそらく最初は探り探り演じていたのでしょう。正直、たどたどしい印象を受けましたが、彼なりに一所懸命挑んでいることが伝わってきました」(声優業界関係者)
HiHi Jets・高橋優斗&7 MEN 侍・中村嶺亜は、「声優にはできない魅力的な芝居」をする?
高橋、中村ともに、「声優としてはまだまだこれから」というレベルではあるものの、「本職の人にはできない魅力的な芝居をしている」のだとか。
「例えば、本作でケイテン(刑天)役を演じている前田誠二は、若手男性声優に“ありがち”な芝居をしているんです。吐息まじりの語尾の納め方や、声を荒げる時のしゃくり方などが、いかにも『声優専門学校で習ったのだろうなぁ』という感じ。現実的には不自然な話し方なんですが、専門学校ではそれが『アリ』とされているんですね。対して、高橋と中村には、そういったクセがなく、まっさらなところから自分の演じるキャラクターを作り上げているので、非常に面白い芝居をしていると感じます」(同)
声優専門学校では、外部からプロを招いた特別授業も行われるが、「基本的に講師陣は“声優になりたかったけれど、なれなかった人”たち。学生はそんな講師陣から基礎を学んでいるため、結果的に、実力不足の若手が量産されてしまっている状況にある」(同)そうだ。
「高橋と中村は、声優としての知識がないまま役に挑んでいるわけですから、マイク前の動きなどは本職の人にかないません。しかし、変なクセがなく、声優らしくない芝居をするという点には伸びしろを感じます。2人にはもっと技術を磨いて、『フェ~レンザイ』以外の作品でも活躍してもらいたいですね」(同)
思わぬ高評価を受けた高橋と中村。2人はこの先、声優としてほかの作品のキャストに名を連ねることはあるのだろうか。