7月24日発表の全国週末興行成績をもとにした映画ランキング(興行通信社調べ、以下同)で、同14日に公開されたスタジオジブリの最新作『君たちはどう生きるか』が2位だったことが判明。21日に日本での上映を開始した米スパイアクション映画『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』が1位となり、『君たちはどう生きるか』は公開2週目で早くも首位を奪われた格好だ。
同作は、映画監督・宮崎駿氏が『風立ちぬ』(2013年7月20日公開)以来、10年ぶりに手がける長編アニメーション映画で、事前の宣伝を行わず、ストーリーやキャストなどあらゆる情報を伏せたまま上映を開始。
「声優キャストについては、初日のうちに山時聡真、菅田将暉、あいみょん、木村拓哉らが起用されているとネットニュースになりましたが、ストーリーはいまだに“ネタバレ禁止”という雰囲気が漂っています。通常なら公開と同時に販売される作品のパンフレットも“後日発売予定”とされ、正式な日程のアナウンスはありません」(芸能ライター)
そんな『君たちはどう生きるか』は、初日から3日間で観客動員100万3,000人、興行収入16億2600万円をあげ、10年前の宮崎監督作品『風立ちぬ』との興収対比150%の好発進などと伝えられていたが……。
「『風立ちぬ』は当時、8週連続で首位を獲得し、宮崎氏およびジブリの貫禄を見せつけました。かたや『君たちはどう生きるか』は、やはり情報が少ないこと、そして“ネタバレ厳禁”の空気により口コミが広がりにくいことがネックになっているのか、まさかの2週目でランクダウン。とはいえ、累計成績は観客動員232万人、興行収入36億円を突破したと伝えられていますから、まだ勢いが衰えているわけではなさそうです」(同)
ジブリアニメ『君たちはどう生きるか』は「子どもには退屈」?
ちなみに、『風立ちぬ』は公開8週目で累計興収97億円を超え、9週目には2位にランクを下げたものの興収100億円の大台に乗った。『君たちはどう生きるか』もこのままいけば、100億突破は間違いないが……。
「今は、“ジブリ最新作が公開されたら必ず見る”という層がメインで劇場に足を運んでいるのでしょうが、口コミが広がらない状態が続くと、この勢いもペースダウンしていく可能性があります。また、映画サイトなどのレビューを見ると『意味がわからなかった』『頭を使わないといけないから、純粋に楽しむのは難しい』『子どもには退屈』『事前情報があれば、自分に向いている作品かどうかわかったのに』といった声も多い。見る人を選ぶストーリーであることも懸念点といえるでしょう。ただ、熱心なファンは理解を深めるためにリピートするはずですし、パンフレットが販売されるタイミングで再度劇場へ行くことも考えられる。その効果でまた数字を伸ばしていけるかもしれません」
なお、『君たちはどう生きるか』が2位に落ちた同週末のランキングでは、公開34週目となったアニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』(2022年12月3日公開)が10位に再浮上。後者も“事前情報ほぼナシ”で上映を開始しながら、大ヒットして超ロングランとなった。『君たちはどう生きるか』も『THE FIRST SLAM DUNK』に続けるか――。