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Snow Man・目黒蓮はなぜ大ブレークしたのか? 背景にある「宇宙Six」時代を振り返る

 宇宙Six――今なおじわじわくる、素敵なユニット名だなぁと思う。

 かつてSnow Man・目黒蓮が所属していたジャニーズJr.ユニット、宇宙Six。近年、目黒のファンになった人の中には、「実際の活動は知らないけれど、その存在自体は知っている」という人も少なくないと思う。

 そんな宇宙Sixでの活動をリアルタイムで追っていたジャニーズファンは、目黒が昨今、ジャニーズのトップアイドルへと駆け上がっていくさまをどう見ているのだろう。昨年出演した連続ドラマ『silent』(フジテレビ系)で脚光を浴び、現在放送中の主演ドラマ『トリリオンゲーム』(TBS系)の評判も良いという状況に、驚愕しつつも感慨深くなっているように思う。

 今回は宇宙Six時代の目黒を振り返るとともに、なぜ彼がブレークしたのかについて考えてみたい。

 まずは、宇宙Sixをざっくりおさらい。宇宙Sixは、目黒を含む6人組ユニット。結成は2016年。They武道(これもまた気になるネーミングだが、それはまた別の機会に)の山本亮太、江田剛、林翔太に、目黒、松本幸大、原嘉孝らを加え、新たに結成されたユニットである。なお、目黒は宇宙Sixの最年少メンバーだった。

 ジャニーズJr.の舞台に“宇宙的”なテーマが採用されたり、デビュー組の楽曲の世界観が宇宙規模のスケール感だったり、MVが唐突に宇宙設定だったり……ジャニー(喜多川)さんにとって「宇宙」は重要というか、ワクワク度が高まる大好物なモチーフの一つなのだろう。そんな中、どストレートに「宇宙」と名付けられた宇宙Six。それだけジャニーさんに期待をかけられていたのか、それとも、グループ結成時、ちょうどジャニーさんの宇宙熱がより一層高まっていたタイミングだったのか、名づけの背景は、今となってはわからない。

 ただ宇宙Sixは、嵐のバックダンサーとして活躍する実力派として知られていた一方、いわゆるCDデビュー候補のユニット扱いではなかった。

 宇宙Sixにおける目黒も、そのルックスやパフォーマンスに魅了されるファンの数がじわじわと増えてはいた。とはいえ、やはりジャニーズJr.の最前線で活躍するような顔ぶれに比べると、まだまだ控えめな存在だった。

 にもかかわらず、突如Snow Manの新メンバーとして抜てきされたとあって、ジャニーズファンからは「なぜ目黒!?」という声も少なくなかったと記憶している。同時期にSnow Manに加入したラウールも、少年忍者時代、同じような存在だったのかもしれない。滝沢秀明氏(現TOBE代表)は、スポットライトの当たっていないJr.に伸びしろを見いだし、ピックアップする目を持っていたのだろうか。

 その後、目黒は宇宙SixとSnow Manの兼任という形に。しかしJr.の活動はなかなか忙しく、舞台出演にデビュー組のツアーのバックと、兼任は相当ハードだったと思われる。結局、Snow ManのCDデビューに伴い、目黒は宇宙Sixを卒業。同メンバー・山本の契約解除を経て、ユニットは解散してしまう。

 それにしてもなぜ目黒は、これほどの人気を獲得できたのか。

 まずは、その甘く端正なルックスが理由の一つだろう。彼は、いわゆる“ジャニーズ”的な美少年とはまた違った、わかりやすいイケメンだ。ジャニーズに興味のない編集者が、Snow Manの取材に参加した後、「目黒くんがかっこよかった」と語っていたという話を耳にしたことがある。

 目黒は、ダンスや歌のパフォーマンスにより、ジャニーズファンをズブズブハマらせる“沼”系のアイドルではなく、そのジャニーズ感の薄さが良いように作用し、初見の人を本能レベルで魅了するタイプのアイドルなのだろう。それは、彼の武器の一つだと思う。「FINE BOYS」(日之出出版)の専属モデルになったことで、「かっこいい」と人気が加速したのも理解できるし、デビュー後に単独表紙を務めた号が即完売したことは、“目黒伝説”の大きなステップになった。

 そうこうするうち、「目黒はすごい」という空気が生まれ、グループの人気と相まって、さらに上昇気流に乗った。そして昨年、『silent』とNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』が立て続けに放送され、ファンの裾野が拡大したことが、現在の不動の人気につながったという流れだろう。

目黒蓮、いまもなお抱き続ける「宇宙Six」への熱い思い

 それにしても、宇宙Sixのメンバーもファンも、目黒がこれほどまでに活躍するとは、想像していなかったのではないか。もしかしたら、目黒本人もそうだったかもしれない。

 しかし、ただ単に「ルックスが良かったから」だけでは、この“目黒伝説”は説明がつかない気もする。ルックスの良さを超える彼の魅力とは何かと考えたとき、彼の“熱さ”を思い出した。

 目黒はSnow ManのCDデビューが発表された19年夏のコンサート『ジャニーズJr.8・8祭り〜東京ドームから始まる〜』で、宇宙Sixとして最後のステージに立った。その際、彼は感極まって「宇宙最高ー!」と叫び、ユニットへの愛をジャニーズファンに知らしめた。

 また今年3月放送の『アイ・アム・冒険少年』(TBS系)で、「脱出島」に参戦した際は、元宇宙Sixのメンバー・原嘉孝をパートナーに選び、その盟友ぶりが視聴者の間で好評を博したことも記憶に新しい。そう、目黒は、宇宙Sixという現在は存在しない古巣ユニットへの思いをずっと持ち続けている熱い男。それこそが、目黒の一番の魅力といえるかもしれない。

 たらればの話でしかないが、目黒がSnow Manメンバーじゃない世界線を想像してみる。彼がもし、今もなお宇宙Sixのメンバーだったとしたら、今のような輝きを放てていただろうか。宇宙Sixから巣立つという経験をしたからこそ、これほどまでの存在になれたという気がしなくもない。

 宇宙Six時代に、彼が磨けば光る原石であると気づいていたファンは、現在、最高級の宝石になった目黒を誇らしく思うのか、それとも遠くに行ってしまったと少し寂しく感じているのか。ちょっと聞いてみたくなった。

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