8月3日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が、木村拓哉主演のドラマ『教場』シリーズ(フジテレビ系)の“次回作”情報を伝えている。今年4月期にシリーズ初の連続ドラマ『風間公親-教場0-』が放送されたばかりだが、業界内では「早くも次の企画が持ち上がっているのは、連ドラ版の視聴率不振こそが理由か」(スポーツ紙記者)とささやかれているようだ。
フジテレビは2020年から小説家・長岡弘樹氏の『教場』シリーズ(小学館)をもとに、木村主演のドラマを放送。同年1月4日放送のスペシャルドラマ『教場』前編は世帯平均視聴率15.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、翌日放送の後編は15.0%を獲得。21年1月は『教場II』と題し、同3日の前編が13.5%、翌日の後編が13.2%を記録した。
「そして今年4月期、『月9』枠で連ドラ版『風間公親-教場0-』(以下、『教場0』)を放送しました。初回12.1%で発進後、第2話は10.7%と2ケタ台に留まるも、第3話以降は1ケタ視聴率を連発。最終話(第11話)はかろうじて10.6%を記録しましたが、全話平均は9.8%と、木村主演の人気シリーズの作品としてはかなり残念な結果でした」(芸能ライター)
木村は昨年4月期に主演した連ドラ『未来への10カウント』(テレビ朝日系)第3話で“キムタク主演で初の1ケタ視聴率”を刻み、業界内外を騒然とさせたが、同ドラマの全話平均は2ケタ台だった。しかし、『教場0』ではついに“キムタク主演で初の全話平均1ケタ台”を叩き出してしまったのだ。
「そんな中、『文春』最新号は、来年の正月にまたフジがスペシャルドラマ版の『教場』を2夜連続放送予定であると報道。『教場0』は、主人公・風間公親(木村)の刑事指導官時代が描かれ、新人刑事を鍛えながら難事件を解決するというミステリードラマに仕上がっていましたが、もともとのスペシャルドラマ版は、警察学校の鬼教官である風間が生徒たちを成長に導くヒューマンドラマの色が強かった。次回作は、『教場0』で残された謎を回収しつつ、後者の形に戻して制作されるようです」(同)
『教場』次回作決定、木村拓哉の“黒歴史”化を阻止したい?
とはいえ、『教場0』が不発に終わったにもかかわらず、なぜフジはすぐに次回作を放送しようとしているのか。
「『教場0』はただ視聴率がパッとしなかっただけではありません。放送中、視聴者からは『脚本が雑』『なぜこうなった? っていう謎の展開が多い』『真面目な刑事モノとは思えないくらい、ツッコミどころのオンパレード』『犯行のトリックが稚拙』と酷評され、作品の質自体、疑問が残るものでした。おそらくフジは、このままでは、『教場』シリーズが木村にとっての“黒歴史”になってしまうことを恐れ、悪いイメージをいち早く上書きするため、次回作の制作に前のめりになっているのでは」(前出・スポーツ紙記者)
なお、そこには木村側の意向が関係している可能性もあるようだ。
「本来、木村は役のイメージの定着を嫌う俳優なんです。それなのに、『教場』に何度も出演しているのは、それだけ同シリーズを大事に思っているからこそ。本人が、連ドラ版の不評を覆したいと思っていても不思議ではありません。ただ、次回作がコケたら『教場』シリーズは闇に葬られてしまうでしょうね」(同)
木村、フジともに、次回のスペシャルドラマには、気合を入れ直して臨むものと思われる。視聴者の予想をいい意味で裏切る傑作の誕生に期待したい。