国民的人気アニメ『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日系)の劇場版シリーズ最新作『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜』が、8月4日に封切られた。
臼井儀人氏による同名ギャグ漫画(双葉社)を原作に、1992年からテレビ放送が開始した『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日系)は、翌年から毎年劇場版が公開されており、今作で第31弾を迎えた。主人公・野原しんのすけが、世界を滅ぼそうとする男に、超能力で立ち向かうというストーリーを、シリーズ史上初の3DCGアニメーションで描いている。
なお『クレヨンしんちゃん』といえば、2018年6月末に、アニメ放送初期から主演を務めていた矢島晶子が「しんのすけの声を保ち続けることが難しくなった」ことを理由に降板。『デュエル・マスターズ』(テレビ東京系)の切札ジョー役、『鬼灯の冷徹』(TBS系)のシロ役などで知られる小林由美子が役を引き継いだ。
こうした声優交代の背景について、業界関係者は以下のように分析する。
「推測ですが、矢島は独特の声質と言い回しでしんのすけのキャラクターを作り上げた上で、オーディションに挑んだのだと思います。しかし、声帯に負担がかかるしゃべり方だったのでしょうね。長年のダメージが蓄積され、年齢を重ねて体力が衰えたこともあり、声が出しにくくなった……ということでは」(声優業界関係者)
なお、旧キャストの矢島は現在56歳、新キャストの小林は44歳と一回り年齢が違う。
「それだけに、体力には雲泥の差があります。長い目で見ると、矢野に無理をさせずに、ほかの声優にバトンタッチさせたことはとても良いことだったと思いますよ。それに、彼女は、現在沖縄に拠点を置き、仕事などの用事がある時だけ東京に来ているそう。長年トップ声優として活躍しただけに、『しんちゃん』降板を機に、のんびりしたかったのかもしれません」(同)
二代目しんのすけの小林由美子は「芝居も人間性も折り紙付き」
一方で、小林については以下のように評価する。
「先代の矢島が認めただけあって、二代目の小林はしんのすけ役にとてもハマっていると思います。実際、彼女は業界内での評価が高いですし、しかも性格的にも良い人と知られているんです。芝居も人間性も折り紙付きなので、長くしんのすけを演じていけると思いますよ」(同)
声優変更から5年がたち、ネット上には「矢島さんのイメージが強くて、いまだに矢島さんの声を受け入れられない」「やっぱり違和感がある」といったネガティブな声もあるが、「矢島さんの声に似てきた」「だんだんなじんできた」と、好意的な声も寄せられている。
長年、多くのファンに愛されてきた矢島の後を継ぐのは、小林にとって大きなプレッシャーなはず。しかし、それに屈せず、喉を大事にしながら、今後もしんのすけを演じ続けていってほしい。