• 日. 12月 22nd, 2024

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大野智が嵐に復活? 「辞めジャニ」が出戻り? ジャニーズ会見特集する女性週刊誌の迷走

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 ついにジャニーズ事務所が会見を開いた。で、思わず笑ったのが東山紀之と故・森光子の親密な関係についての質問だ。これまで十数年来ウワサされた話で、かつて「噂の真相」でも検証記事を掲載したが、これを質問した記者、さすがである。もちろん大手メディアではなかったが。

第666回(9/7〜9/12発売号より)
1位「ジャニーズ新時代 ぼくたちの葛藤と希望 幻の松本潤社長『東の嵐、西の関ジャニ∞』改革『9・7衝撃の会見』までに起きていたことのすべて――」
「木村拓哉SMAP解散の悔恨 堂本光一『アイドルの魂』を継承『残る』と決めた“彼ら”の思い」
「山田涼介と菊池風磨『ぼくたちが守るから』Jr.のメンタルケアに動いた」
「赤西仁、山下智久、錦戸亮ほか『辞めジャニ』が“出戻り”するかも」
(「女性セブン」9月21日号)
2位「東山紀之新社長初仕事は『木村拓也を後継者指名』(「女性自身」9月26日・10月3日合併号)
3位「東山紀之と明暗分けたジャニーズ“真”体制 再建のカギ握る井ノ原快彦の懐柔力」(「週刊女性」9月26日号)

 こんな日がくるとは誰が想像しただろうか。9月7日、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子氏と東山紀之新社長、そして井ノ原快彦が会見を開き、ジャニーズ事務所のカリスマ創業社長・ジャニー喜多川氏の性加害を認めて謝罪したのだ。

 だが4時間以上にも及んだこの会見、鋭い質問をしたのは、ネットメディアやフリーランスの記者たちだけ。これまでジャニーズ事務所と癒着し忖度してきたテレビなど御用メディアは、相変わらずぬるい質問や、ジャニーズ側が“してほしい”であろう質問に始終した。いまだ、その癒着・忖度体質は変わらないということだろう。ましてや自分たちの“共犯性”“加害性”について検証しようとする媒体はほんのわずかだ。今回の性加害問題は、それを何十年にわたって黙殺し続けてジャニーズを繁栄させてきたメディアの問題でもあるというのに。

 女性週刊誌もまたテレビ、スポーツ紙と並ぶ“ジャニーズ性加害共犯メディア”にほかならない。今年3月にBBCの報道がきっかけとなった今回の問題だが、どんどん問題が認知され拡大する中、半年以上の間にわたり、ほぼスルーしてきたことでもその共犯性の高さがわかるだろう。そしてジャニーズ事務所の会見を受け、やっと3誌そろって特集を組んでいるものの、その内容はひどいとしか言いようがないものだ。今回はそんな“ひどい順”ランキングでもある。

どこまでも「ジャニーズ万歳!」を続ける「女性セブン」

 まず筆頭は「女性セブン」。7頁に渡る大特集を組んでいるが、相変わらずその内容はあ然とするばかり。肝心の性加害の本質に触れることなく、後継者問題をあーじゃないこーじゃないと、こねくり回している。たとえば新社長に東山紀之が決定したが、その裏では嵐・松本潤や生田斗真などの名前が挙がっていたことなどを、“ジャニーズのDNAを受け継ぐ”などの美辞麗句を織り交ぜながら紹介するのだ。そして同族経営だったジャニーズ事務所に東山が就任することは“改革”であり、“生まれ変わったジャニーズの今後の進化”まで期待するらしい。

 さらに現在もジャニーズ事務所に所属する木村拓哉などのベテラン勢を“ジャニーズファミリーを守る”“後進の育成”などと美談仕立てで持ち上げる。さらにHey!Say!JUMP・山田涼介やSexy Zone・菊池風磨などがJr.のメンタルケアを率先して行っていること、すでに辞めたジャニーズタレントが出戻ってくる可能性を検証する。どこまでもジャニーズ素敵、万歳! なのだ。

 そして極め付けが“辞めたジャニーズ関係者”への責任転換だろう。ジャニー喜多川氏の長年にわたる性加害問題について滝沢秀明とSMAP育ての親でジャニーズ事務所を追い出された後“新しい地図”を手がけるCULENのI社長に「セブン」はその矛先を向けて糾弾。それだけでなく、なんと両者に「見解を尋ねる」として質問状まで送ってしまうのだ。ジャニーズを“裏切った者”たちへの筋違いな責任転換。どこまでジャニーズに追随するのか、心中でもするつもりか。

 まあ、性被害者をバッシングしちゃうほどの“ジャニーズ命”媒体だから、いまさら驚かないけどね。

大野智が嵐復活を決意!? 臆測を披露する「女性自身」

 一方、女性週刊誌の中ではもっとも長く沈黙を守ってきたのが「女性自身」だ。この問題をいまだ“なかったことにしたい”と思えるほど。だが、ジャニーズが会見を開いたことで、そうはいかなくなったらしい。4頁の特集を組んだが、内容はスカスカで一貫性もない。何を言いたいのか、さっぱりわからない迷走状態だ。

 たとえば会見の前に弁護士の立会いで2日に渡ってリハーサルしたこと、会見ではジャニー氏を擁護しないことを確認しあったことなど、その舞台裏を紹介したり、今回の問題が浮上した際に木村拓哉が娘の将来を考え、事務所退所も検討したことなどを“暴露”する。が、しかし全体的にはジャニーズ事務所の“新体制”を好意的に描くだけ。そして今回の問題で東山を慕う嵐の大野智が、これまでの考えを改め嵐復活を決意するなんていうジャニーズにとって願ってもない“臆測”を披露し、生前に「自身」で連載を持っていた瀬戸内寂聴と東山紀之の対談を再録してみたり――。意味がわからん。混乱の極みというやつか。

井ノ原快彦を高評価する「週刊女性」

 そして「週刊女性」。これまでにも、ほんの少し性加害問題に触れてきた「週女」だが、今回は2頁と女性週刊誌の中では一番小さな扱いの特集。内容は改めて会見を紹介し、その反響を紹介するものだが、そこで強調されるのが会見での井ノ原快彦の高評価だ。一方、東山紀之についてはかなり批判的。

 そんな女性週刊誌3誌のジャニーズ特集だが、しかし自身の問題、自分たちの雑誌でなぜこれまでジャニーズ事務所の性加害について一切報じなかったのか、その背景にあるジャニーズ事務所の癒着関係についての検証や反省は、するつもりはさらさらないらしい。もちろん今後のジャニーズ事務所との付き合い方についても。結局、何も変わらないのか……。

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