私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。
<今回の有名人>
「家族ぐるみで仲がいいので」吉田沙保里
ニュースサイト「フライデーDIGITAL」9月26日配信記事
2012年の『ロンドン五輪』、16年の『リオデジャネイロ五輪』に出場し、女子団体でメダルを獲得した卓球元日本代表の福原愛選手。幼い頃から、「天才卓球少女」もしくは「泣き虫愛ちゃん」としてテレビに出演していたので知名度が高く、オリンピックでメダルも取ったことから、抜群の好感度を誇っていた人物といえるだろう。
その福原、最近はイメージの下落が激しいように感じる。2021年3月3日、ニュースサイト「NEWSポストセブン」は、「福原愛に不倫報道!夫と子供を台湾に残して横浜『お泊りデート』撮」という記事を掲載。記者の直撃に対し、福原は不倫関係を否定したものの、その後、卓球の元台湾代表である夫・江宏傑とは離婚。共同親権を持ち、子どもたちは元夫と台湾で暮らすことになった。
一方、日本に戻った福原は、不倫相手とされた男性と同棲生活を送っていたが、22年7月、長男を台湾から日本に連れてきた。元夫は「連れ去りだ」と主張、福原は「夏休みの間だけ」と主張したものの、夏休みが終わっても子どもを台湾に返さず、元夫は今年の7月に都内で会見を開き、日本の裁判所の命令に基づき、長男を引き渡すように訴えた。
離婚がイメージダウンになる時代ではないが、不倫が絡むとだいぶ印象は変わってくるし、連れ去りとなると、法に触れる可能性も出てくる。福原が好感度抜群だった時代を知っているだけに、「どうしてこんなことになっちゃったんだろう」と思わないでもない一方、彼女はもしかしたら、「人からどう見られるかがわからない、もしくは気にしない」タイプなのかもしれないと感じた。また、それはアスリートとして大成するのに必要な条件なのではないかと思うのだ。
「人からどう見られているんだろう」と考えてしまったら、過酷な練習に身が入らないし、試合ともなれば集中力を欠き、文字通り必死に戦うことなんて無理というもの。どんな競技でも試合の時に頼りになるのは自分だけ。人の顔色をうかがうような人では、“勝つ”ことは難しいだろう。
「ほぼ一緒にいます」という吉田沙保里と大久保嘉人
「人からどう見られるかがわからない、気にしない」のは、女子レスリング世界大会16連覇、「霊長類最強女子」といわれた吉田沙保里も同じだと思う。
9月26日に配信されたニュースサイト「フライデーDIGITAL」の記事によると、吉田がサッカー元日本代表・大久保嘉人とあまりにも一緒にいすぎるために不倫疑惑が浮上しているという。
吉田、大久保、元関脇・豊ノ島はとある番組で知り合い、「ドスコイ3人組」を結成。練習に明け暮れた青春を取り戻すかのように、彼らは頻繁に3人で遊んでいるのだそうだ。実際、吉田のインスタグラムには、よく2人が登場している。
そんな吉田はある日、大久保の妻、お子さんたちも交えてグランピングに行き、バーベキューをしたり、プールに入ったりと楽しんだ後、東京ディズニーシーで遊ぶというハードスケジュールをこなしたという。このほかにも、吉田と大久保は2人で「湘南乃風」のライブ、ステーキディナー、ゴルフに行っており、5日連続で会っていたことになるそうだ。
同誌記者は2人を直撃し、不倫関係にあるのか質問していたが、そこは否定。「ほぼ一緒にいます」という大久保に、記者が「奥様と微妙な空気になりませんか?」と聞いたところ、吉田は「家族ぐるみで仲がいいので」と答えていた。
2人がどんな関係かは当人たちにしかわからないが、やっぱり吉田って「人からどう見られるかがわからない、気にしない人」なのではないかと思う。
「家族ぐるみで仲が良い」という表現は、一般には、自分の家族と相手の家族、それぞれみんな仲が良いことを指す。吉田のように、大久保の家族の中に自分一人が入っていくというスタイルは、当てはまらないだろう。
本当に怪しい関係なら、遊んだという報告をSNSにアップしないだろうし、大久保の妻も了解しているのだろうから、他人がとやかく言うことではないのは百も承知。しかし、忘れてはならないのが、芸能活動をしている吉田はイメージが大切ということだ。この記事を読んだ女性の中には「幸せファミリーに割り込む人」「少しは気を使ってほしい、妻がかわいそう」などと思う人もいるだろう。何も後ろめたいことはなくても、こういう報道が出るだけで、吉田のイメージは確実に下がる可能性があるのだ。
アスリートは「勝つことが正義」であるから、人に何を言われても「勝つこと」で挽回できるが、芸能界では一度ついてしまったイメージはそう簡単に払しょくできない。特に既婚女性から見れば、家族で遊びに行く際に割り込んできたり、妻子持ちの男性と5日連続で出かけたりする女性は、要注意人物として敵視されてもおかしくない。しかし吉田は、人から敵意を向けられかねないことを、わかっていない、もしくは気にしていないように思うのだ。
吉田沙保里は今、大きな分岐点に立っている
16年、ベッキーとゲスの極み乙女。・川谷絵音の不倫騒動が勃発して以降、週刊誌は同様の記事を相次いで報じるようになった。それに対する世間の反応を見ていると、知名度が高く、イメージの良い芸能人ほど、反響を呼ぶように感じている。国民に広く認知され、NHKの常連のような芸能人ほど、不倫すると大騒ぎになるのだ。
女子レスリング世界大会16連覇にして、国民栄誉賞受賞である吉田もまさにそのタイプだけに、もし実際に不倫した場合、猛烈なバッシングに見舞われるはず。「肉体関係がなかったとしても、ヨソの夫にちょっかいを出しているように見える」というだけでも、女性にかなり嫌われるだろう。
吉田は「人からどう見られているかがわからない、気にしない」ために、たとえ不倫ではなくても、既婚男性との距離を詰めすぎるといったことを繰り返してしまう可能性がある。「老若男女から好かれる国民栄誉賞受賞者」でいられるか、「サバサバしているように見えて、ヨソの夫を狙いかねない人」と見られるか――今の吉田は結構、大きな分岐点にいるように思えてならない。
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