いまや、子どもたち憧れの職業の一つとして挙げられるほど市民権を得た「声優」。年に2回、読者アンケート企画「国宝級イケメンランキング」を発表している女性向けファッション誌「ViVi」（講談社）が、現在公式サイトにて投票受付中の2023年下半期のアンケートにも、「イケボだと思う声優」という項目が入っている。
「イケボ」とは、「イケメンボイス」または「イケてるボイス」の略で、魅力的な“声”を持つ人を指す言葉。もともとは、アニメファン・声優ファンが主に男性声優に対して使っていたが、今では一般層にも広く浸透し、芸能人やアイドルに対しても用いられるようになった。
果たして、プロの目から見た「国宝級イケボ声優」は誰なのか？ 今回は声優業界関係者に、“声”そのものがかっこいい男性声優を、その理由とともに挙げてもらった。
業界関係者が選ぶ「国宝級イケボ声優」1人目：速水奨
まず名前が挙がったのは、速水奨。『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』（TOKYO MXほか）ヴァニラ・アイス役、『BLEACH』（テレビ東京系）藍染惣右介役、『Fate／Zero』（TOKYO MXほか）遠坂時臣役、『ヒプノシスマイク』（同）神宮寺寂雷役などで知られる声優だ。
「彼の声は、低くてよく響く。素材としての良さが飛び抜けています。初めて現場で一緒にお仕事をさせていただいたときは、本当に驚きました。唯一無二の声の方です」（声優業界関係者）
業界関係者が選ぶ「国宝級イケボ声優」2人目：津田健次郎
続いては、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』（テレビ東京系）海馬瀬人役、『テニスの王子様』（同）乾貞治役、『呪術廻戦』（TBS系）七海建人役などで知られる津田健次郎。近年は俳優としてテレビドラマや映画でも活躍している。
「決して低い声ではありませんが、低さを感じさせる声が特徴で、高音と低音が混ざった『倍音』の、不思議な声の持ち主です。声というよりも楽器の音色のような印象で、ずっと聞いていたい声ですね」（アニメ関係者）
業界関係者が選ぶ「国宝級イケボ声優」3人目：小野大輔
3人目は、代表作に、映画『宇宙戦ヤマト2202 愛の戦士たち』（2017年）古代進役や、『進撃の巨人』（NHK、TOKYO MXほか）エルヴィン・スミス役、『ジョジョの奇妙な冒険』（TOKYO MXほか）空条承太郎役などがある小野大輔。
「現在45歳の小野は、同世代では珍しい低音の持ち主。人柄が声に表れているのかもしれませんが、人に安心感を持たせる声をしています」（同）
業界関係者が選ぶ「国宝級イケボ声優」4人目：森川智之
最後は、『クレヨンしんちゃん』（テレビ朝日系）で2代目・野原ひろし役を務めている森川智之が登場。『鬼滅の刃』（フジテレビ系、TOKYO MXほか）産屋敷耀哉役などで知られるほか、トム・クルーズ専属の吹き替え声優としてもおなじみだ。
「『イケボ』といったら彼でしょう。艶っぽさと誠実さが同居している声が魅力。収録時にスピーカーから流れてくる彼の声を聞いていると、女性スタッフのみならず男性スタッフも思わず『ヤバい！』と思うほど、虜になってしまうようです」（前出・声優業界関係者）
なお今回、20〜30代前半の若手声優の名前は挙がらなかったが、その理由は、若い世代は「個性が薄い」（同）からだとか。
「高くて同じようなしゃべり方、型にはめたような芝居をしているため、個性があまり感じられないのがその理由。中性的な、少し鼻にかかったような声の人ばかりで印象に残りづらいんです。一方、30代後半以上の声優は、独自の特徴が感じられる声の持ち主が多い印象です」（同）
「ViVi」のアンケートでは、いったい誰が上位にランクインするだろうか。