10月19日発売の「週刊文春」(文藝春秋)「週刊新潮」(新潮社)「女性セブン」(小学館)が、先月末に起きた宝塚歌劇団団員の自殺について報道。「文春」と「セブン」は両誌とも現役タカラジェンヌが登場し、劇団側への悲痛な心境や、自殺が発生した背景についての証言を掲載しており、業界内でも「内部告発が相次いでいる以上、事件後も劇団側の隠蔽体質は変わっていないのでは」(スポーツ紙記者)と指摘されている。
9月30日に、兵庫・宝塚市のマンション敷地内で団員の25歳女性が死亡していたこと、自ら身を投げた可能性があることが発覚すると、業界内外は激震。同報道後、10月5日発売の「文春」は転落死した団員が宙組に所属していた“いじめ被害者”であると伝えた。
「『文春』は1月と2月にも劇団内のいじめ疑惑を報じていましたが、劇団側は当時『事実と異なる記事』などとコメント。現在もいじめの事実は認めていないものの、団員の転落死を受け、外部の弁護士らによる調査チームを立ち上げるとしていました。一方、今月12日発売の『文春』は、亡くなった団員に『集団リンチ』していたという劇団員4人を実名で報道。被害者がどのような仕打ちを受けていたか、現役の宙組生徒による証言なども掲載されています」(同)
そんな中、「文春」は同19日発売号でも、宝塚の問題について続報を放った。5年前にも別の生徒の飛び降り事件が起きていたものの、劇団側は隠ぺい。そのほか、「劇団は、生徒全員へのフォローを何もしてくれません。まるで馬車馬のように私たちを働かせてきました」という現役団員からの“手紙”を掲載した。
「さらに、この『文春』と同日発売の『セブン』でも、現役タカラジェンヌが劇団の内情に言及。生徒はライバル同士で、熾烈な競争が繰り広げられているため、週刊誌にリークすることもまた『足の引っ張り合い』であるなどと語っています」(同)
「週刊誌報道は鵜呑みにしない」沈黙に徹する宝塚ファンもいるが……
業界内外で宝塚運営の責任を問う声が高まる中、内部からは次々に情報が漏れてきているとあって「ガバナンスは崩壊している」(同)という。
「劇団側も、転落死した団員について調査中であるとはしていますが、現役の生徒たちが週刊誌の取材に応じたり、タレコミをしている異常事態が発生している。これが意味するのは、『運営の“隠蔽体質”が変わっておらず、解決の糸口はまったく見えていない』ということでしょう」(同)
「文春」には現役生以外にも、調査チームの不備を詳細に語る宙組関係者、5年前に飛び降り事件を起こした生徒の家族の証言も載っている。
「『文春』がいじめ疑惑を報じた当初、ネット上には“週刊誌報道を鵜呑みにしない”として、沈黙に徹する宝塚ファンもいましたが、内部からのリークが相次いでいる事態とあって、さすがに考えをあらためる者も増えているのではないでしょうか」(同)
この状況でも、劇団側は「事実と異なる」という主張を続けるのだろうか。