サイゾーウーマン編集部員が週替わりで近況をつづっていく「編集部コラム」。半径1メートルの身近な話からジャニーズや芸能ニュースのネタまで縦横無尽に話題が飛び出します!
みなさんこんばんは、編集部のM子です。10月4日に幕を開け、明日28日まで上演する美 少年主演舞台『少年たち 闇を突き抜けて』。今年は、Snow Man・岩本照が構成・演出・振付を手掛けるということで、スノ担の私も先日観劇してきたのですが、贔屓目なしで、想像以上に満足度の高い作品でした!
おそらく、この記事を読んでいる方のほとんどがジャニオタだと思いますので、説明は不要かと思いますが、ざっくり説明すると、『少年たち』はさまざまな事情で刑務所の“青房”と“赤房”に収監された少年たちが、衝突しながらも次第に友情を深めていき、自由や夢を追い求めて脱獄を目指す物語。
1969年にフォーリーブス主演で上演されシリーズ化し、ライブ・ミュージカルも行われました。フォーリーブス解散後は新作の上演はありませんでしたが、2010年に『少年たち 格子無き牢獄』として復活。デビュー前のWEST.メンバーやA.B.C-Z、Kis-My-Ft2らが出演し、15年からはSixTONESとSnow Man、なにわ男子メンバーらが主演を務めるように。美 少年は、21年上演の『少年たち 君にこの歌を』から2年連続でHiHi Jetsとメインを張っています。
美 少年主演舞台『少年たち 闇を突き抜けて』は“考察”がはかどる?
私が最後に同舞台シリーズを見たのは、スノストの卒業公演となった19年上演の『少年たち To be!』もとい『じいじたち』(開幕早々に脱獄に成功した少年たちが、50年後、老人になった姿で再会して思い出を語るというストーリーだったため、当時ファンの間ではそう揶揄されました)が最後。Hi美版は未履修でした。
今年は美 少年の単独主演となりましたが、これまで通り、対立する少年たちがなんやかんやありつつ協力し合って刑務所から脱獄を計画する中、誰かが亡くなって、一同はその死を無駄にしないよう前を向いて歩き出す――というお決まりの展開なんだろうなと思っていて、どちらかというと、物語よりも演出目当てで見に行ったんですよ。
ところがどっこい、見終わった私はいい意味で期待を裏切られました。というのも、ストーリー自体は大方これまで通りだったんですが、メインの出演者が減ったからか、個々の役が際立って物語もわかりやすく起承転結もはっきりしていたんです。それに考察要素も多く、過去の記憶をなくして子ども返りしている岩崎大昇の言動や表情などから、途中「もしかして記憶が戻ってるんじゃ……?」と思う場面がチラホラ。内博貴演じる看守長と過去になにか関係がありそうな点や、「歴史は繰り返される」ことを暗示しているようなラストも気になりました。
ネタバレになりますが、脱獄の際、みんなを逃がすために自ら囮になって看守たちに撃たれ、命を落とした岩崎は、出所から数年後にみんなが再会するシーンで妖精(亡霊)となって現れます。彼は18年の『そして、それから・・・』で、刑務所にやってきたSixTONES・京本大我に、過去、刑務所で起きた脱獄未遂事件のことが書かれた日記を渡す妖精役を演じていました。
そして今作で岩崎は仲間に勧められて日記をつけていただけに、「ここにきて伏線回収?」と、はっとしましたよ。ただ、『そして、それから・・・』は戦争が物語の一つのテーマになっており、それは『闇を突き抜けて』も同じなのですが、今作は“現代の日本で戦争が起きた”という設定だったため、時系列はあまり関係ないのかもと思ったり……。
とにかく、「『少年たち』ってこんなに考察がはかどる作品だったっけ?」と新鮮で、まったく新しい演劇作品になっているなとも感じ、できることならあと3回くらい見て、気になったシーンの岩崎のセリフの言い回しや表情を確かめたかったです(円盤化してくれたら、鑑賞会を開きたいところ)。
随所にちりばめられた“岩本節”で『滝沢歌舞伎』を彷彿
冒頭でも触れたように、今作は、岩本さんが演出・構成・振付として参加。本人もグループの冠ラジオ『不二家 presents Snow Manの素のまんま』(文化放送)10月19日放送回で、サブタイトルの『闇を突き抜けて』から、ポスターロゴ、舞台グッズ、衣装など、ほとんどに携わっていると話していた通り、ステージの使い方だったり、照明、映像、音楽、そして振付と、“岩本節”が炸裂。ステージ上には不在でしたが、自担をひしひしと感じられるという、不思議な感覚でした。
また、新橋演舞場というスノ担にはなじみ深い劇場で、『滝沢歌舞伎』を彷彿とさせるような演出も多々ありったりして、ちょっぴり感傷的になったのは私だけではないはず……。
本編終了後の「SHOW TIME」コーナーで、美 少年が披露した新曲「Flicky」は、モロ“produce by 岩本照”って感じのバチバチに攻めた一曲で、キラキラ王子様系統のイメージが強かった美 少年の新たな姿が見られたように思います。いつか、岩本氏によるダンス解説&本人が歌い踊っているところも見てみたい! そのためにも、収録が中止になり、打ち切り疑惑もある『ザ少年倶楽部』(NHK BSプレミアム)に代わる番組を、早急に制作していただきたいところです。
なお、上演が発表された際、旧ジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏の性加害問題の影響もあって、入浴シーンの名物演出“桶ダンス”(メインキャストが肌色のボクサーパンツを着用し、すりガラスで下半身を隠しながら裸で踊る)シーンがどうなるか注目を集めていましたが、当然、今回はカット。
筋肉自慢の岩本さんが携わるということもあって、代わりに「ステージ上でトレーニングでもさせる気?」と思っていましたが、赤チームと青チームで大縄跳びで対決し、回数の少ないほうが腕立て伏せをするというルールで、やはり、肉体を使う系のコーナーを挟んできました(笑)。ただ、美 少年をはじめ、出演している無所ジュニアたちの素が垣間見え、大変微笑ましく、平和に見られました。ネット上のファンのレポートによれば、本来参加しない内くんが黄色のつなぎを着用し、「中年たち」の房から来たという設定で乱入する回もあったとか。ベテランの先輩に翻弄される少年たちの姿、とっても見たかった……!
さて、長々と書いてしまいましたが、たとえ社名が変わっても、タレントたちが積み上げてきたものや、エンタメに向き合う姿勢は変わらないということを強く実感するとともに、ステージで輝く彼らの姿にただただ元気をもらいました。
まだまだ性加害問題の解決には程遠い状況ではありますが、今後もファンをワクワクさせてくれるであろうことに期待しつつ、タレントたちを応援していこうを思わせてくれた舞台でした。