米国立衛生統計センターによると1980年におけるアメリカ人女性の平均出産年齢は22.7歳だったが、2022年に発表された 米国勢調査局の調査結果では30歳と上昇傾向にある。この20年間で10代の出産は減少したが、30代後半と40代前半の出産は右肩上がり。21年には50代前半の出産が1,041件あったと報告されている。
イギリスでも出産年齢は上昇傾向にある。英国家統計局によると、21年におけるイングランドおよびウェールズの平均出産年齢は30.9歳。アイルランドの中央統計局によると、22年における同国の平均出産年齢は33.2歳となっている。
セレブの間でも近年アラフォー出産は当たり前で、アラフィフ出産も珍しくなくなってきた。今回は50歳前後で出産し、世間を驚かせた、高齢出産セレブをご紹介しよう。
※2019年7月15日公開の記事を再編集したものです。
※23年11月14日にタナ・ラムゼイを追記。
ハル・ベリー(47歳で第2子出産)
08年3月、41歳の時に第1子を出産したハル。相手は8歳年下のカナダ人モデル、ガブリエル・オーブリーで、結婚する意思がないまま未婚で出産した。
ガブリエルとは10年に破局したが、彼と娘の親権争いを繰り広げる中、フランス人俳優オリヴィエ・マルティネスと交際を始めて婚約。13年3月に妊娠を発表。その後結婚し、同年10月に47歳で第2子となる長男を無事出産した(15年、オリヴィエとも離婚)。
この2人目を出産した翌年、ハルは人気トーク番組『エレンの部屋』に出演し、「生々しい話かもしれないけど。閉経が近い状態だったから、この妊娠にはすごく驚いたの」と、自然妊娠だったことを告白。きょうだいをほしがっていた長女の願いがかなったのだといい、「まさしくミラクルね」と言ったエレンに、「1年半もの間、神に祈っていた娘の思いがなければ、妊娠できなかったと思うわ。自分の年齢を考えて、妊娠なんて不可能だと思っていから。もう結婚なんてしなくていいと思っていたのよ」「(愛というより)赤ん坊が生まれたことで結婚し、人生計画が大きく変わったわ」と明かした。
授乳に関しても「娘は優しく吸っていたんだけど、息子は私の魂まで吸い込むんじゃないかというほど、激しく吸うの」と、笑いながら語っていた。
ジャネット・ジャクソン(50歳で第1子出産)
これまで男運に恵まれず、2回結婚するも、どちらも離婚に終わったジャネット。そんな彼女が、カタール人実業家のウィサム・アル・マナと結婚したのは12年のこと。ジャネットほどの大物となると、彼女の金と名声目当ての男が寄ってくることが多いのだが、ウィサムはエルメスなど高級ブランドを擁する会社「アル・マナ・ファッションポートフォリオ」の責任者で、総資産額は2億ドル(約215億円)。これまで同様、今回も極秘結婚だったため、ファンがジャネットとウィサムの結婚を知ったのは翌年だったが、紳士的なウィサムとなら、結婚生活はきっとうまくいくだろうと祝福する声が上がった。
ウィサムと結婚したことでイスラム教に改宗し、ステージで肌を露出することがなくなったジャネットだが、彼女のコンサートは超人気。15年8月にスタートしたワールドツアーも売り切れが続いていたのだが、16年4月にジャネットは「家族計画のため、ツアーを延期することにしました。医師には安静を命じられているので」と発表。「安静ということは、すでに妊娠しているのでは?」「体外受精をしている最中かも」「年齢的に代理母を使っての出産だろう」と、さまざまな臆測が飛び交った。
その後、おなかはもちろん全体的にふっくらとしたジャネットの姿がパパラッチされ、「ジャネット本人が妊娠している!」と世間は騒然。17年1月に男児を無事出産し、代理人は「ストレスのない健康的な安産だった」と発表。18歳の時に駆け落ち同然で結婚した最初の夫と間に、娘を極秘出産していたというウワサは根強く残っているため、「30年以上あいているとはいえ、経産婦だったから安産だったのでは」という説も流れた。
産後すぐに、ジャネットは「モラハラを受けていた」としてウィサムと離婚。エイサと命名された息子の肌の色が白いことから、「ドナーの卵子を使ったのでは」とのウワサも飛び交ったが、黒人の血が流れる赤ん坊の肌色が幼児期に白くなるのは珍しくないこと、ウィサムはアラブ人だが肌の色は濃くないこと、息子の顔のパーツが幼い頃のジャネットに似ていることから、2人の遺伝子を受け継いでいるのは間違いなさそう。若い頃に凍結した自分の卵子を使った可能性も指摘されている。
ブリジット・ニールセン(54歳で第5子出産)
80年代後半に俳優シルヴェスター・スタローンと結婚していた女優のブリジット。彼女はこれまでに5回結婚しており、2人目の夫だったシルヴェスターとの子どもには恵まれなかったものの、最初の夫との間に長男、結婚はしなかったが婚約した男性との間に次男、4人目の夫との間に三男と四男をもうけている。
06年に15歳年下のバーテンダー、マッティア・デッシと結婚して世間を驚かせたが、その12年後、再び世間を騒がせた。54歳で5人目の子どもを出産したからだ。
ブリジットは産後、米芸能誌「People」の取材に対して、4人目の夫と離婚した直後の40歳のころ、「卵子を取り出し、凍結保存した」と告白。医師は「凍結保存した自分の卵子で妊娠する確率は3~4%程度」だと告げたそうだが、「将来のために」と保存に踏み切ったのだとか。
その後、医師の説明通り、体外受精を始めてもなかなか成功せず、何度も悲観して泣いたそう。挑戦し始めて10年以上がたち、無事に妊娠、しかも念願の女の子だと知った時は天にも昇る気持ちだったと語った。
ブリジットは世の女性に対し、「ドナーの卵子は嫌だと思う人は、いい時期を見計らって自分の卵子を保存すべき」ともアドバイス。「卵子の凍結保存」という選択や、「凍結卵子を使うことで高齢でも出産できる可能性がある」という認識を広めた。
ソフィー・B・ホーキンス(50歳で第2子出産)
1992年にリリースした「Damn I Wish I Was Your Lover」が世界的に大ヒットし、一躍スター歌手となったソフィー。彼女は、すべてのセクシュアリティに恋をするオムニセクシュアル(全性愛)を公言し、女性テニス選手のマルチナ・ナブラチロワや女優ジョディ・フォースターとウワサになったことも。ちなみに2人との恋愛について、ソフィーは事実無根だと主張している。
そんなソフィーが第1子を出産したのは08年、44歳のころ。オムニセクシュアルをカミングアウトし、過去11年間は女性と付き合ってきたと明かした年であった。産後しばらく音楽活動を停止していたが、12年にアルバム『The Crossing』をリリース。その3年後に、50歳で第2子を妊娠したことで、再び大きな話題を集めた。
米芸能誌「Usウィークリー」によると、ソフィーは31歳の時に卵子を取り出し、胚(受精卵が発育したもの)を凍結保存したとのこと。息子が6歳になったことで2人目を考えるようになり、その胚を使って2人目の妊娠に成功。ちなみに、長男もドナーの精子を使ったことを明かしている。
50歳で、シングルマザーとして妊娠出産することに不安がなかったわけではないが、「医師からは、とても健康だと太鼓判を押された」ことで精神的安定を取り戻し、ステージに立ちながら妊婦生活を満喫。15年7月、元気な女の子を出産したのだった。
レイチェル・ワイズ(48歳で第2子出産)
6代目ジェームズ・ボンドとして世界中の女性をとりこにしているダニエル・クレイグと、11年に結婚したレイチェル。エイジレスな美しさを持つ彼女は、06年の36歳の時に、映画監督ダーレン・アロノフスキーとの間にできた長男を出産。ダニエルとは『ドリームハウス』(11)で共演したのがきっかけで交際を開始。スピード婚した時には、世界中のダニエルファンから羨望の目を向けられたものだった。
18年、レイチェルがダニエルとの子を妊娠していることが発表され、世間を驚かせた。というのも、 ダニエルは最初の妻との間に娘がおり、レイチェルは48歳と高齢であったことから、子どもは作らないと思われていたからだ。
その後、同年8月、無事に女の子を出産。レイチェルは産後すぐに体型を戻し、ダニエルは抱っこひもで赤ん坊を抱えて外出したところ、有名ジャーナリストから「男として情けない」と叩かれるなど、2人は何かと注目を集めた。ダニエルの方だが、「男が抱っこひもで赤ん坊を連れて何が悪い!」とSNSで男性の育児参加を肯定するムーブメントが巻き起こり、「50歳のイクメンパパ!」「ダニエル、最高!」だと絶賛された。
タナ・ラムゼイ(49歳で6人目)
49歳にして6人目となる子どもを出産したイギリス人のセレブ妻、タナ・ラムゼイ。若手シェフが競い合うコンペ番組『ヘルズ・キッチン~地獄の厨房』の毒舌チーフとして一躍人気者となった有名シェフ、ゴードン・ラムゼイの8歳年下の妻だ。
23年11月12日、ゴードンはインスタグラムに生まれたばかりの娘にキスをする写真を投稿。「3458gのジェシー・ジェームズ」「3男3女……これでおしまい」とキャプションにあり、タナも「神経がイライラしっぱなしの9カ月だったけど、無事出産」したことを自身のインスグラムで報告した。
1996年に結婚後、すぐに子作りを始めたものの、なかなか 子宝に恵まれなかったラムゼイ夫妻。検査をしたところ、ゴードンは乏精子症、タナは排卵が起こりにくくなる多嚢胞性卵巣症候群だと診断された。IVF(体外受精)を受け、98年に長女、99年に双子の次女と長男、2002年には「サプライズ」で4人目となる次男を自然妊娠し出産した。
16年の流産を経て19年、第5子にあたる3男を出産。上4人の子どもの出産に立ち会わなかったことを世間から批判されていたゴードンは、第5子の出産に立ち会ったものの、帝王切開の光景に耐えられず失神したという。今回の出産には立ち会わなかったものとみられている。
ゴードンはタナの妊娠を発表した6月、「末っ子の学校で『おじいちゃんの名前、なに?』って聞かれる」「運動会とか本当にキツい」と、高齢パパのつらさをぼやいていた。年齢関係なく子育てを楽しむタナのほうは、21年に受けたインタビューで、「どうしようもないほど赤ちゃんが好きなの。70代になっても、きっと同じこと言っていると思うわ!」と断言。今回の出産報告のインスタグラムには「ラムゼイ家はこれでコンプリート」とつづっていたが、もしかしたら数年後、50代で7人目を出産するのでは――とささやく声が上がっている。