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  • 木. 10月 10th, 2024

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ハライチ岩井「妻が前に出だして」発言に見る、芸人の妻が夫に気を使う理由

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

<今回の有名人>
「言わんでええやん」野々村由紀子
『ぽかぽか』(11月15日、フジテレビ系)

 11月12日放送の『まつもtoなかい』(フジテレビ系)にゲスト出演した俳優・柳沢慎吾。番組内で、柳沢は彼の代表作の一つであるドラマ『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)の現場エピソードを披露していた。

 名脚本家・山田太一氏と名演出家・鴨下真一氏を据えた同ドラマはシリーズを通して高視聴率を記録したが、“お稽古”がとても厳しく、短いセリフであってもOKが出ず、俳優泣かせであったと、これまでいろいろな番組で話してきた柳沢。今回、あらためて当時を振り返り、「今は『バカ野郎!』とか現場では言っちゃいけないことになっているんだよね」「若い子が主役のドラマの時のドラマで、一切言わないでくれと。『おい!』とか言うと委縮しちゃうんだって」と、昔と現在の現場の違いについて話していた。

 昭和の時代は、しごきが「人を成長させる、愛情の表れ」と正当化されてきたことを考えると隔世の感があるが、今この時代に「強く物を言うキャラ」を引き受けるのは勇気がいることだろう。そういうキャラというのは、バラエティ番組を盛り上げるのに不可欠だが、その言動が視聴者にとってハラスメントに映ってしまったら、本人のタレント生命に関わるからだ。

 そんな中、人気を博しているのが、野々村友紀子。もともとは芸人だが、現在は放送作家、タレントとして活躍し、夫は2丁拳銃・川谷修士である。バラエティ番組で、川谷の相方である小堀裕之のクズ夫ぶりを説教するなど、ズバズバ物を言うキャラとしてブレークした。

 一方、野々村は、トイレットペーパーの補充など、夫が気づかない細かな家事について書いた『夫が知らない家事リスト』(双葉社)を上梓。彼女ならではの辛口の文体が好評を博した。共働きにもかかわらず、家事の分担が自分に偏っていると不満を抱く女性は多いだろうから、野々村の発言に共感を寄せる人は少なからずいると思う。

 そんな野々村は、11月15日放送の『ぽかぽか』(フジテレビ系)に2丁拳銃の2人と共に出演。番組側が期待するのは、妻の立場で、小堀、川谷に夫に忌憚なく物を言うことだろう。実際、野々村はその通りにしていたが、私には、彼女が川谷にすごく気を使って、むしろ立てているように感じた。

 例えば、結婚記念日のプレゼントについて。川谷は夫婦円満の秘訣として、結婚記念日に花束をプレゼントしていることを明かす。同番組の司会であるハライチ・岩井勇気が結婚を発表したばかりということもあって、野々村は「本当、これいいよ。これ、覚えておいたほうがいい」と、このプレゼントが夫婦仲の維持に有効であると太鼓判を押す。

 なお、その花は何でもいいわけではなく、結婚式のブーケと同じ花だそうだ。野々村いわく、結婚生活でイライラしても、結婚式の時の気持ちを思い出すことで、初心に戻れるとのこと。

 まさに“心のこもった贈り物”といえるが、同番組司会・神田愛花に「これはどなたに習ったんですか? こうするといいよって」と聞かれた川谷は「これは(妻である)友紀ちゃんに教えてもらいました」と告白。川谷が妻のためを思って選んだのかと思いきや、実は野々村に教わった通りに行動していただけというわけだ。

 内情をバラされてしまった野々村は「言わんでええやん」とツッコミつつ、「すごいやん、ようできるやん」と夫をフォローし、立てていた。小堀をクズ夫と説教する一方、自分の夫をいい夫とキャラ付けし、野々村と川谷で“いい夫婦ウリ”したいというビジネス上の戦略なのかもしれないが、やっぱりすごく気を使っているように思えるのだ。

 また、神田は、ゲストに対する“イメージ”を基に、素顔を深掘りするトークコーナーで、野々村は「旦那サマより月収が多かった月は、あえてボロボロの服を着て『あなたのおかげ(で生活できている)』と言っているのではないか」と推測。

 これに対し、本人は、どちらの月収が多いかについては触れず、夫の給料を見た際は「頑張ったね、今月もこうこうこうやったね、ありがとうございます、今月もお疲れさまでした」とお礼の言葉を伝えているとし、外食に行った際も「パパのおかげやで」と言うため、娘たちはパパが大好きだと話していた。人サマの家庭に口を出す気はないが、やり方が随分昭和だなという気がしないでもない。

 野々村が専業主婦というのならまだわからなくもないものの、なぜこれほどまでに、夫に気を使うのか――そんな疑問を抱いていたところ、その答えらしきものが番組内で明らかにされた。

 岩井が「妻が前に出だして、(川谷は)後輩に舐められぎみっぽい」という“イメージ”を本人にぶつけたのだ。前に出るのは芸能人の仕事であり、野々村はそれができると認められているからこそ、オファーが相次いでいるわけだが、岩井の言い方には「オンナのくせに、でしゃばって」という発想がにじんでいないだろうか。当の川谷は「(野々村は)2丁拳銃・川谷の奥さんというよりも、ボクが野々村の夫と言われる」と、このイメージを半ば肯定してみせた。

 これは100%推測だが、今もお笑いの世界、ひいてはテレビの世界では、男性優位の思考がはびこっていて、女性が売れることは好ましく思われていないのではないか。なので、野々村は夫を立てることで、お笑い芸人や関係者から夫が笑われないよう、気を使っているというふうに思ってしまうのだ。

 上沼恵美子が『快傑!えみちゃんねる』(関西テレビ)で、「オトコもオンナもない、芸能人は売れたもん勝ちや!」と言っていたことがある。しかし、そんな彼女も、プライベートでは関西テレビの元プロデューサーの夫にはまったく逆らわないと、いろいろな番組で明かしている。彼女は夫をはるかにしのぐ高収入なのにもかかわらず、である。

 ジェンダーフリーが叫ばれ、その流れを意識しているように見えるお笑い界やテレビ界。しかし実際のところ、その実現はなかなか難しいのかもしれない。そんなことを思わされた。


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By Admin