• 日. 12月 22nd, 2024

犯罪データベース

明日あなたが被害にあうかもしれない

宝塚いじめ問題の時系列まとめ……ヘアアイロン事件から会見まで【2023年11月20日最新】

 9月末、兵庫・宝塚市のマンション敷地内で宙組の25歳劇団員が死亡したというニュースが報じられ、世間に衝撃が走った。

 この劇団員の女性は、自ら身を投げたとみられると伝えられ、その背景には、かねてから週刊誌で報じられていた劇団内の「いじめ・パワハラ問題」があるのではないかとネット上は騒然。これを受け、劇団サイドは外部の弁護士を中心とした調査チームを設置し、その報告書を携え、11月14日には会見に挑んだが、「近年稀に見るひどさ」と批判が集中している。

 そして、会見の3日後には、休演中の雪組公演を「12月1日から開始する」と発表。この切り替えの早さには、さすがのファンも驚いているようだ。

 今回「サイゾーウーマン」では、「宝塚いじめ問題」を時系列でまとめて紹介する。

「宝塚いじめ問題」時系列まとめ

2023年1月~

「週刊文春」1月19日号(文藝春秋)が「宝塚娘役を追い詰めたトップ 真風涼帆の陰湿イジメ」と題した記事を掲載し、宙組内の学級崩壊ぶりを報道。

2月9日号では、「宝塚イジメ新疑惑 ヘアアイロンで後輩の顔をヤケドさせたトップ娘役候補」の見出しで続報を掲載。21年7月に、娘役が下級生に対して高温のヘアアイロンを額に押し付け、やけどを負わせていたと伝える。なお、劇団側はこれらの報道に対し、公式サイト上で「事実と異なる」とする文書を掲載した。

9月30日

宝塚歌劇団の俳優が午前7時すぎ、宝塚市内のマンション敷地内で死亡しているのが見つかったとの第一報が報じられる。

10月1日

兵庫・宝塚バウホールで開催された第56回『宝塚舞踊会』の開演前、木場健之理事長が観客に「昨日の報道については哀悼の意を表します。しかしながら、現時点では詳細は公表しません。舞踊会は自己研鑽の場なので予定通り開催することをご理解ください」と説明。

10月2日

劇団が、宙組公演を同8日まで中止すると発表。理由を「複数の出演者の体調不良が判明し、公演実施が困難なため」と説明。その翌日には、東京宝塚劇場も「公演の安全な実施が困難と判断」との理由で休止に。

10月4日

ニュースサイト「文春オンライン」が、死亡した劇団員を実名で報道。死の前日、彼女が母親に「28日夜にはマンションから飛び降りることを決めていた。精神的に崩壊している……」とメッセージを送っていたことを伝える。

10月5日

「週刊文春」が、死亡したのは前出の“ヘアアイロン事件”の被害者であると伝え、加害者の実名も掲載した。さらに、死亡した女性が宙組のグループLINEで集団リンチ状態に遭っていたと報道。

一連の報道を受け、木場理事長は「弊団生徒の逝去に関する記事が掲載されておりますが、ご親族の心情ならびに関係者の心身の状況を考えると、このような時期に、個人の尊厳やプライバシーを侵害するような内容が記載されておりますこと、甚だ遺憾に存じます」と怒りの声明を発表。

10月7日

木場理事長が報道陣の取材に応じ、事実関係や原因を把握するため、外部の弁護士を中心とする調査チームを設置したと報告。調査結果公表前にもかかわらず、取材に応じた渡辺裕企画室長が「まず否定させて頂きたいのは、加害者・被害者という言葉。加害者も被害者もおりません」「ヒアリングの結果、本人たちもそんなことはなかったと。ただ、(ヘアアイロンが誤って)当たった事実はありましたので、そこは確認はしております」といじめの事実を否定。

宙組公演は同22日まで休止を延長すると発表。

10月19日

「週刊文春」が、18年6月に宝塚音楽学校に入学したばかりの予科生がパワハラを苦に寮のバルコニーから転落し、全治3週間の全身打撲を負っていたという過去の事件を報道。

10月20日

11月5日まで予定されていた宙組公演『PAGAD』の全日程中止を発表。加えて、4年ぶりに開催予定だった『タカラヅカスペシャル2023 Open the Future ~未来へ~』(12月21・22日)の中止なども発表される。

11月10日

遺族の代理人弁護士が会見を開き、死亡した女性は下級生をまとめる責任者の長の役割にあり、死亡前約1カ月の総労働時間は400時間を超えていたと説明。さらに、上級生から頻繁に呼び出され、「下級生の失敗は、すべてあんたのせいや」「マインドが足りない」などと怒号を浴びせられていたといい、こうしたパワハラが繰り返された結果、心身の健康を損ない死に至ったと主張した。

11月11日

宝塚歌劇団が、外部弁護士らからなる調査チームから調査報告書を受領したとして、近日中に内容を明らかにすると発表。

11月14日

木場理事長が会見を開き、調査チームの報告書を読み上げ、遺族に謝罪。長時間労働の問題を認めたものの、これまでに「週刊文春」で伝えられた上級生からのいじめやパワハラは認めず、ヘアアイロンでの火傷についても「ヘアアイロンで火傷をすることは劇団内では日常的にある」と問題視しなかった。同理事長は12月1日付で辞任すると表明。

この日、遺族側も会見を行い、宝塚側がいじめ・パワハラを否定したことに反論し、再検証を求めた。しかし、木場理事長の後継者である村上浩爾取締役は、「そのように言われているのであれば、証拠となるものをお見せいただけるよう提案したい」とコメント。

11月17日

公演を中止していた兵庫での雪組公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』と『FROZEN HOLIDAY』を12月1日の公演から実施すると発表。理由を「公演を行える態勢が整ったため」と説明している。

 “秘密の花園”の暗部が暴かれ、世間からの批判にさらされている宝塚歌劇団。今後、入団希望者も激減しそうなものだが、古い体質は変わらないままなのだろうか。

By Admin