下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
唐田えりかが韓国での芸能活動にも力を入れるとの報道が。2020年の東出昌大との不倫騒動から3年、映画出演など徐々に表舞台に復帰しつつあったが、海外でのさらなる飛躍、活躍を期待したい。この時期、芸能界では不倫騒動が相次いだが、特に唐田への風当たりが異常に強かった日本芸能界と日本マスコミ、そして日本社会。そんな小さな殻から飛び出す唐田にエールを!
第675回(11/16〜11/21発売号より)
1位「市川猿之助 『性加害・パワハラは完全無視』深すぎる闇」(「女性セブン」11月30日・12月7日号)
2位「東山紀之 被害者への対面謝罪ナシ! 裏切りの決断」(「週刊女性」12月5日号)
3位「羽生結弦 年上妻とスピード離婚発表」(「週刊女性」12月5日号)
※「女性自身」は合併号休み
社会を震撼させた猿之助一家心中事件だが、11月17日には自殺ほう助罪に問われた猿之助に判決が下された。懲役3年執行猶予5年。人が2人も亡くなった事件としては温情といえる軽さで、法廷で早くも猿之助自身が歌舞伎への復帰について語り、また興行主の松竹も復帰援助に余念がないと伝えられている。
まるで判決が出たことで禊が済み、あとは復帰までの道筋を順調に進みたい。そんな関係者(マスコミを含む)の思惑がビシビシ伝わってくる状況だが、そんな風潮に釘をさしているのが「女性セブン」だ。
「それ(判決)とはまったく別の深刻な問題として、猿之助の『パワハラ・セクハラ』疑惑は何も明かされないまま、この半年間、完全に放置されてきた。猿之助本人の口からは何も語られず、歌舞伎界も一切それに触れず、メディアさえも黙認してきた」
おっしゃる通りだ。「セブン」は言わずと知れた猿之助のパワハラ・セクハラをスクープし、事件の発端ともなった雑誌だが、パワハラ・セクハラを無視する猿之助本人、歌舞伎界だけでなくメディアの黙殺にも言及したことは重要だと思う。さらに目を引いたのは、猿之助の性加害について、ジャニーズ性加害問題や宝塚いじめパワハラ問題を例に、性加害やパワハラを黙殺することは許されないと論じていることだ。
特にジャニーズ性加害問題についても詳しく言及がされているのだが、驚くのは、これまでジャニーズに忖度した記述ばかりだった「セブン」が、今回の特集記事ではこれまでになく鋭くジャニーズ性加害問題を取り上げていることだ。
まるで猿之助の性加害は、ジャニー喜多川氏の性加害と同列であると断じているかのように。そして、ここでもメディアの責任を追及していることは興味深い。
猿之助のパワハラ・セクハラ問題を追及し続ける「女性セブン」に検証してほしいこと
「旧ジャニーズ事務所の問題を巡っては、メディアの責任にもスポットライトが当てられました。特に各テレビ局は、現役はもちろんOB・OG社員も含めたヒアリングを行い、性加害への認識や忖度の実態を検証する番組を放送することを避けられなかった。
そういった危機感を、歌舞伎界や御用メディアは持ち合わせていないし、変わろうとしないことなんでしょう。あまりに闇が深い」(演劇関係者のコメント)
これまたおっしゃる通り! 世界的な問題となり“取り上げざるを得なくなった”ジャニーズ性加害問題に関して、メディアは一応反省のポーズはとった。でも、これはあくまで反省した“フリ”にすぎない。その証拠に他大手芸能プロダクションの圧力やハラスメント事案などはスルーし続けているし、猿之助の性加害をスルーし、歌舞伎界やそれを運営する松竹に関しても“忖度”し続けている。
そんなメディア状況にあって、今後も「セブン」には猿之助のパワハラ・セクハラ問題を追及し続けてほしい。そして何より今回「セブン」自らがメディアの責任に言及・指摘したように、ジャニーズ性加害における「女性セブン」という“ジャニーズ御用雑誌の責任”も是非検証してほしいものである。」
そして「週刊女性」もジャニーズ性加害問題に関する特集記事を掲載している。タブーも解禁になるとメディアは急激に変わる。ゲンキンなものだ。
今回「週女」の柱は3つ。ジャニーズ性加害『当事者の会』メンバーの自殺、松本潤出演番組のお蔵入り、そして東山紀之の“裏切り”だ。
メインはタイトルにあるように東山の“裏切り”。告発するのは、性被害を受けた元ジャニーズJr.のA氏だ。A氏は11月中旬に都内の法律事務所で弁護士から被害の詳細の聞き取りを受けた。その中で判明したこと、それは当初被害者に対して予定されていた東山の“直接謝罪”は、どうやらナシになるということだった。
「弁護士からは“もともと東山さんが担当されていたけれど、新会社の社長を辞任されたことなどもあって事務局の方が対応することになった”とのことでした」(Aさんのコメント)
これをもって「週女」は東山の責任放棄、裏切りだと糾弾する。メディアの変わり身は早い。
羽生結弦のスピード離婚で抱いた違和感
これまた驚いた。つい最近電撃結婚したばかりの羽生結弦が、スピード離婚したから。結婚から105日だって。そんな羽生離婚について「週刊女性」が取り上げている。記事にはネットの反応とこれまでの羽生の秘密主義、そして離婚したとはいえ前妻とは“事実婚のような選択肢”も考えられるとの推測が記されている。
羽生を多く取り上げる「週女」だから、一報として短い記事を掲載した、という程度の記事だが、それにしても違和感があった。「週女」にではない。羽生がX(旧ツイッター)に発表した離婚文書に、だ。
まず「現在、様々なメディア媒体で、一般人であるお相手、そのご親族や関係者の方々に対して、そして、私の親族、関係者に対しても、誹謗中傷やストーカー行為、許可のない取材や報道がなされています」というくだり。
これを読むと“メディア媒体”つまりマスコミやネットメディアなどが羽生や妻、関係者を誹謗中傷し、ストーカー行為を行っているということだが、それは本当か? 羽生の結婚後、さまざまな報道があったが、どれが誹謗中傷で、どのメディアがストーカーをしたのか? それは取材を逸脱したものだったのか? 全く抽象的でわからない、かつ疑問だ。
さらに“許可のない取材”というのも違和感がある。フィギアの実績も人気も凄まじく、国民栄誉賞も受賞する国民的スター、超有名人が羽生だ。その言動は、これまで多くの人々に大きな影響を与えてきた。羽生もこれまで数多くのメッセージをファンや社会に送っている。そんな羽生が結婚したとなれば、大きな話題となり人々の大きな興味を引く。よって当然メディアはこれを取材する。これに関し、羽生に許可を取る必要があるのか? 否だろう。しかも羽生は妻の経歴など一切を公表しなかった。がぜん人々の興味は増す。マスコミも取材する。羽生は影響力のある準公人という存在だから当然だ。
さらに羽生は結婚に際しても離婚に際しても、妻を“一般人”だと何度も強調しているがこれにも違和感が。というのも前妻は、実際はバイオリニスト(現在は辞めたといわれるが)で、かつては羽生の公演に出演したり、『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)やラジオなどにも出演歴がある。
矢沢永吉のバックバンドの一員だったり、X JAPANのYOSHIKIとファッションショーで一緒に演奏したり、LUNA SEAの真矢とセッションもしたと報じられてもいる。現在は辞めたのかもしれないが、あまり“一般人”と強調されると、首を傾げざるを得ない存在だ。
いろんな疑問が渦巻く羽生の離婚とそのメッセージ。あまりに身勝手、自己中だと思う。