10月にスタートした連続ドラマもいよいよ折り返し地点を過ぎ、後半戦に突入。最近は民放公式動画配信サービス「TVer」など視聴方法の選択肢も増え、「電波放送をとんと見なくなった」という人もいるのでは？
しかし、テレビ局としては「オンタイムで電波放送を見てほしい」というのが本音。というのも、現状では、無料動画の売上高はテレビCMの売上高の30～50分の1程度にすぎないためだ。
なお、このCM売上を大きく左右するのが、男女13～49歳の個人視聴率（4歳以上の家族全員の中で誰がどれくらい視聴したかを示す割合）から導き出される“コアターゲット視聴率（コア視聴率）”。
この個人視聴率は3年半前に導入されたばかりということもあり、正直マスコミの記事などでは“世帯視聴率（テレビ所有世帯のうち、テレビが見られた割合）”を目にする機会が多い。だが、テレビ各局はそれよりも個人視聴率を重視しているのだ。
そこで「サイゾーウーマン」では、10月にスタートした民放4局のGP帯連続ドラマを対象に、第1～5話の平均個人視聴率の平均値を算出。中間ランキングとして紹介する。
『相棒』がトップ！ 『下剋上球児』は“盛り返し”見せる
1位は水谷豊主演『相棒season22』（テレビ朝日系）で、第5話までの平均個人視聴率は6.7％（ビデオリサーチ調べ、関東地区／以下同）。なお世帯も11.7％と高く、今期民放連ドラでは唯一の2ケタとなった。
これに次ぐ2位の日曜劇場『下剋上球児』（TBS系）は、第5話までの平均個人視聴率が6.2％を記録。単話では第4話で5.1％まで落ち込んだものの、第5話で6.4％まで盛り返するなど、根強い人気を見せている。
なお、同ランキングにおける『相棒season22』と『下剋上球児』の差は0.5％と接戦であるが、性年齢別視聴率まで測定するスイッチメディア「TVAL」のデータを比較すると、前者の視聴者層は65歳以上の男女が突出しているのに対し、後者はコア層やZ世代といった若年層が断トツ。
これまでも「ジジババしか見ていない」と指摘されてきた『相棒』シリーズだが、『下剋上球児』の視聴者層とは大きく異なっているようだ。
『マイ・セカンド・アオハル』『いちばんすきな花』は“3％以下”で下位
第5話までの平均個人視聴率が3％以下だったのは、『マイ・セカンド・アオハル』（TBS系）、『いちばんすきな花』『パリピ孔明』（ともにフジテレビ系）、『たとえあなたを忘れても』（テレビ朝日系）の4作品。
12位の広瀬アリス主演『マイ・セカンド・アオハル』は、『逃げるは恥だが役に立つ』や『私の家政夫ナギサさん』が高視聴率を記録したTBSの「火ドラ」枠で放送中だが、第2話以降で2％台が続いており、この調子だと“同枠最低”を記録しそうだ。
14位の向井理主演『パリピ孔明』は、初回こそ3.5％だったが、第5話で1.9％までダウン。諸葛孔明役の向井のインパクトが強いせいで“出落ち感”もあり、視聴者離れが起きたのかもしれない。
15位の堀田真由主演『たとえあなたを忘れても』は、業界内での評価は高いものの、第2話以外1％台を記録。第5話は1.0％で、1％割れもありそう。
『相棒』と『下剋上球児』がともに6％で上位となった同ランキング。最終回へ向けて、数字が上昇する作品はあるだろうか。
2023年10月期ドラマ「個人視聴率」中間ランキング（民放4局、午後8～10時台）
1位：『相棒season22』（テレビ朝日系、水曜午後9時）6.7％
2位：『下剋上球児』（TBS系、日曜午後9時）6.2％
3位：『家政夫のミタゾノ』（テレビ朝日系、火曜午後9時）4.5％
4位：『うちの弁護士は手がかかる』（フジテレビ系、金曜午後9時）3.9％
5位：『ゆりあ先生の赤い糸』（テレビ朝日系、木曜午後9時）3.5％
同：『コタツがない家』（日本テレビ系、水曜午後10時）3.5％
同：『ゼイチョー～「払えない」にはワケがある～』（日本テレビ系、土曜午後10時）3.5％
同：『ONE DAY～聖夜のから騒ぎ～』（フジテレビ系、月曜午後9時）3.5％
9位：『セクシー田中さん』（日本テレビ系、日曜午後10時30分）3.4％
10位：『トクメイ！警視庁特別会計係』（フジテレビ系、月曜午後10時）3.1％
同：『フェルマーの料理』（TBS系、金曜午後10時）3.1％
12位：『マイ・セカンド・アオハル』（TBS系、火曜午後10時）2.8％
同：『いちばんすきな花』（フジテレビ系、木曜午後10時）2.8％
14位：『パリピ孔明』（フジテレビ系、水曜午後10時）2.7％
15位：『たとえあなたを忘れても』（テレビ朝日系、日曜午後10時）1.7％
※数字は第1～5話の平均個人視聴率の平均値。小数点第2位を四捨五入。