1956年に「東芝日曜劇場」としてスタートして以来、長らくTBSの看板ドラマ枠として続いている「日曜劇場」。今期は鈴木亮平主演『下剋上球児』が放送中で、視聴率は同枠としては大ヒットと呼べるほどではないが、熱心なファンも多いようだ。
また、今年の「日曜劇場」は4月期の福山雅治主演『ラストマン-全盲の捜査官-』が平均世帯視聴率の全話平均で12.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。7月期の堺雅人主演『VIVANT』も最終回で19.6%を叩き出しており、本格ドラマ枠としてのブランド力は健在といえるだろう。
今回「サイゾーウーマン」では、「日曜劇場」枠で10年以降に放送された全54作品の全話平均視聴率をランキング化。トップ10を紹介する。
『半沢直樹』が上位独占! 続編の可能性は?
1位と2位は「お化けドラマ」と呼ばれる堺主演『半沢直樹』シリーズで、13年版が28.7%、20年版が24.7%。初回19.4%で発進した前者は、回を追うごとに右肩上がりで視聴率が上昇し、最終回では42.2%を記録。
今世紀の単話視聴率ランキングにおいては、それまで最終回で40.0%を記録した松嶋菜々子主演『家政婦のミタ』(日本テレビ系、11年10月期)がトップだったが、『半沢直樹』がこれを上回った。
また、21年10月に『東京ドラマアウォード2021』の優秀賞を受賞した際には、同シリーズを手がける福澤克雄監督が「半沢直樹が頭取になるくらいまでやってみたいなと思っています。原作がありませんが、続けられるなら続けていきたい」と続編に意欲を見せていたものの、今年、堺の主演で放送されたのは『半沢直樹』ではなく『VIVANT』だった。
堺といえば、昨年末に20年以上所属した大手芸能事務所・田辺エージェンシーを退社。業界内では「『半沢直樹』の続編制作は、堺が前の事務所で受けた仕事であることがネックになっているのではないか」ともささやかれているが、果たして……。
『下町ロケット』の阿部寛、「日曜劇場」での主演回数は……
3位は11年4月期の大沢たかお主演『JIN-仁-完結編』で、全話平均は21.3%。同作は村上もとか氏による漫画『JIN-仁-』(集英社)の実写化シリーズの第2期にあたり、最終回では自己最高となる26.1%を記録した。
同作はヒロインを中谷美紀が務めていたが、現在フジテレビ系「月9」枠で放送中の『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』では大沢と中谷がトリプル主演のうちの2人として出演。
ネット上では、放送前から「JINコンビが復活!」などと盛り上がっていたものの、『ONE DAY』は視聴率が4%台まで落ち込むなど振るっておらず、『JIN-仁-』の人気には及ばず……。
4位は『下町ロケット』シリーズの第1期にあたる15年版で、全話平均は18.5%。同作は、池井戸潤氏の小説『下町ロケット』と『下町ロケット2 ガウディ計画』(ともに小学館)をベースとした2部構成であった。
主演の阿部寛は、「日曜劇場」枠の主演をこれまで5回も務めているが、彼を上回るのが7回の木村拓哉と故・田村正和さん。阿部の同枠初主演作は10年4月期の『新参者』であり、これも初回が21.0%を記録するなどヒットした。
木村拓哉、松本潤主演ドラマも並んでランクイン
5~7位には、旧ジャニーズ所属タレントの主演作がランクイン。5位の木村主演『南極大陸』は“TBS開局60周年記念番組”の集大成として制作され、撮影に半年かかったことも話題になった。
6位および7位は、嵐・松本潤が弁護士を演じる『99.9-刑事専門弁護士-』シリーズが続き、シーズン2が17.6%、シーズン1が17.2%。21年に公開された劇場版『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』は興行収入30億円を突破し、松本主演映画としては最大のヒット作となった。
毎クールの視聴率ランキングにおいて、“独り勝ち”状態になることも珍しくない「日曜劇場」。今後もテレビドラマ史に残る名作を生み出してくれそうだ。
1位『半沢直樹』(13年7月期、堺雅人主演)28.7%
2位『半沢直樹』(20年7月期、堺雅人主演)24.7%
3位『JIN-仁-完結編』(11年4月期、大沢たかお主演)21.3%
4位『下町ロケット』(15年10月期、阿部寛主演)18.5%
5位『南極大陸』(11年10月期、木村拓哉主演)18.0%
6位『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』(18年1月期、嵐・松本潤主演)17.6%
7位『99.9-刑事専門弁護士-』(16年4月期、嵐・松本潤主演)17.2%
8位『陸王』(17年10月期、役所広司主演)16.0%
9位『小さな巨人』(17年4月期、長谷川博己主演)15.7%
『下町ロケット』(18年10月期、阿部寛主演)15.7%
※小数点第2位以下を四捨五入。