下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
作家の伊集院静氏が逝去した。73歳。若い。その直前、「週刊文春」(文藝春秋)で長年続いた人生相談コラムが終了し、ジャニーズ問題では東山紀之を絶賛しひんしゅくを買ったが、その裏で深刻な病と闘っていたとは。筆者も「噂の真相」時代、伊集院氏に関する記事を書いたことを思い出す。数奇な人生を歩んだ伊集院氏に合掌したい。
今週の女性週刊誌ランキング:第676回(11/23〜11/28発売号より)
1位「南野陽子 横領夫の8億円『私が背負う!』妻の意地」(「女性自身」12月12日号)
2位「スクープ撮 木村一八 倉科カナ似美女とお泊まりデート&来年1月結婚へ!」(「週刊女性」12月12日号)
3位「羽生結弦 懊悩 元妻と母『凍った関係』」(「女性自身」12月12日号)
※「女性セブン」は合併号休み
11月27日、南野陽子が離婚を発表し、大きな話題になっている。もちろん“夫の逮捕”という衝撃的な出来事が原因だ。いや、実は衝撃的でもなんでもない。南野の夫・金田充史容疑者は2011年に南野と結婚した直後から、何度も金銭トラブルや女性スキャンダルを報じられてきた人物だったから。今週の「女性自身」では、南野前夫のそうした過去を振り返っているのだが、あらためて見るとすごい(いろんな意味で)。
今回逮捕された容疑は、福祉法人の口座から自身と共犯者の関係会社の口座に1,500万円を送金した業務上横領容疑で、被害額が数千万円に上るといわれる。が、ほかもそれ以上の高額なトラブルばかり。結婚から1カ月に発覚したのは、4億8,000万円を医療関係会社社長から騙し取ったというトラブル。
さらに18年には、赤坂のクリニックから9,000万円以上の使途不明金があると刑事告発され、その翌年には、銀座のクリニックでの1億8,000万円の使途不明金が。さらに今年8月には、学校法人の理事長が理事だった金田氏に4,200万円の借金を負わされたと告発するトラブルも起きていたという。そして今回の逮捕――。
これまでなぜ逮捕されなかったのか不思議なくらいで、これら金銭トラブルをどう解決したのかも、報道がないので不明だが、凄腕の詐欺師といっていい“実績”の数々だ。「自身」では取り上げていないが、ほかにも家賃滞納トラブルや、従業員に対する暴力事件、銀座クラブママとの“隠し子騒動”もあった。そして、その出産費用も“滞納”している、とも。
こうしたトラブルが報じられるたび、マスコミはこんな疑問を呈してきた。“なぜ南野は離婚しないのか”と。その疑問は当然だろう。今回「自身」では、その謎について南野の実父の存在が大きかったと指摘している。実母亡き後、東京に父を引き取った南野だが、糖尿病を患い車椅子生活となった父、そして仕事と介護で苦しんだ南野を支えてきたのが前夫だった、と。
確かにそうなのだろう。そして前夫の金銭トラブル歴や南野の夫擁護以上に、今回の「自身」記事もまたすごいのだ。というのも、この記事は南野が離婚を発表する前に書かれたもの。よって離婚を「自身」は知らない。にもかかわらず、記事には“これまで離婚しなかった南野が今回決断したであろう理由”が随所に散らばっているのだ。
以下「自身」の記述を見てほしい。
「実父は昨年5月、85歳で亡くなった」
「金田容疑者は南野さんの舞台にいろんな人を連れてきては楽屋で南野さんを紹介していたそうです。彼の“手口”なのでしょう」(ともに南野の知人のコメント)
「今年から金田容疑者は南野さんの個人事務所のマネージャーとして働いていました」
「金田容疑者の逮捕により、来年はコンプライアンスを重んじるテレビ局からのオファーは厳しいです。彼女の仕事に大きな支障が出てくるんです」(ともにテレビ局関係者のコメント)
ね、すべて離婚の理由となるでしょ。恩義を感じていた父の存在もなくなってしまった。そんな中での夫の逮捕で、このまま婚姻関係を続ければ、南野自身も夫の広告塔、共犯関係などと批判される可能性も高い。さらに逮捕当時は夫をマネジャーにしていたという南野。自身にも損害賠償の可能性もある。さらに、これまでは夫をかばってきたが、コンプライアンスが厳しくなっている現在の芸能界にあって、今回ばかりは自分の仕事に大きな影響があることは必至――。
「自身」の指摘は結果的に、南野の離婚の原因としては納得することばかりだった。
「週刊女性」芸能トップ記事の“木村一八”が懐かしすぎる
今週の「週刊女性」表紙を見て驚いた。“木村一八”の名前が左トップにデカデカと踊っていたから。な、懐かしいと思った。若者はほとんど知らないだろう。伝説の漫才師・横山やすしのご子息さまであ〜る。いや、横山やすしって誰? という若い世代が大半か。
まあ、知りたい人は芸能史、漫才の歴史でも勉強してほしい。ともあれ、破天荒でトラブルメーカーでお騒がせで、超酒飲みで、西川きよしの相方で超天才漫才師で96年に51歳で亡くなった横山やすしの息子が一八(54)だ。
一八もまた芸能界に入り、85年には中山美穂とドラマ『毎度お騒がせします』(TBS系)で大ブレーク、しかしお父さまと同様に、少々ヤンチャで暴行事件やらで世間を騒がせ、表舞台から姿を消していたと思っていた。そんな木村一八の名が、女性週刊誌の表紙タイトルにデカデカと載るとは。
知らなかったが、木村は現在Vシネマのスターのひとりなのだという。マジで知らなかった。すみません。そんな木村が結婚するらしい。石原真理子、荻野目慶子、アン・ルイス、藤あや子、飯島直子という超スゴ&ぶっ飛び芸能人と浮名を流してきた一八だが、意外にも今回が初婚だという。
そんな木村を直撃する「週女」。あとはお決まりの流れで、質問には答えないがニコニコしていたという木村と彼女。その後の「週女」の質問に結婚を認めるコメントを出した事務所。事務所担当者は、“今後はNHKと民放の2つの仕事も決まっていてテレビドラマにも出演する”とのアピールも忘れない。
“あの人は今”的な匂いが濃厚な記事だが、しかしこれ、「週女」の芸能トップ記事なのだ(その前の2本の特集記事は皇室記事)。すごいな「週女」。
羽生結弦、電撃スピード離婚後の報道
先週も取り上げた羽生結弦の電撃スピード離婚だが、羽生がX(旧ツイッター)に発表した離婚文書は密かにマスコミを怒らせた模様だ。その証拠に、離婚を機にこれまでになく羽生の言動を疑問視する報道がなされている。なにしろ「様々なメディア媒体」から「誹謗中傷やストーカー行為、許可のない取材や報道がなされています」とマスコミをストーカー扱いしちゃったんだからね。
そんな中「女性自身」も羽生一家の特殊性をクローズアップし、結婚に反対した羽生の母と、ファミリーになれなかった元妻を「凍った関係」とまで揶揄している。風向きが変わった!?