下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
作家で日本大学理事長の林真理子氏が窮地に立たされている。同大アメフト部の薬物汚染をめぐり、会見でも記者たちからも鋭い追及を受けた。これまで“作家”という優遇的立場、“マスコミタブー”として守られてきた林氏にとっては経験したことのない逆風であり、きつい状況だろう。今後どう乗り切るのか、本当に日大を立ち直らせることができるのか。大学運営の素人である林氏の人間力が鍵であり、勝負どころだと思う。
第677回(11/30〜12/5発売号より)
1位「異様な結婚 羽生結弦 完無視された嫁の追い出し部屋」(「女性セブン」12月14日号)
2位「松本潤 新社長へ憤怒の本音『嵐の安売り許さない』」(「女性自身」12月19日号)
3位「『カスハラ』するのは50代が最多! “加害者”にならないためには」(「週刊女性」12月19日号)
いやはや、羽生結弦にとって人生最大の逆風ではないか。電撃スピード離婚した羽生に対する批判報道が続いている。女性週刊誌もしかり。先週の「女性自身」では羽生一家のあまりに強固な絆といった“特殊性”をクローズアップし、結婚に反対した羽生の母とファミリーになれなかった元妻A子さんを「凍った関係」とまで揶揄した。そして今回は、「女性セブン」も“異様な羽生ファミリー”をクローズアップした特集を組んでいる。
“異様な結婚”“完無視された嫁”“追い出し部屋” ――。タイトルだけでも強烈だが、内容も苛烈だ。離婚発表文章でも“妻”でなく“お相手”と称されたことの違和感、両親と姉の住む高級マンションの隣の部屋で「息を潜める生活を送っていた」「潜伏生活」を送らざるを得なかったA子さん、などA子さんに同情的な記述が並ぶ。
そして羽生家だ。これまで結弦が両親と姉に手厚く支援され、アスリート生活を送ってきたことは有名だ。特に母親は息子に密着し、健康・食事管理をしてきた。しかし「セブン」によると結婚後、結弦ママは嫁に対し食事についてのアドバイスもなく、生活のルーティーンの助言もないなど、完無視だったというのだ。さらに家族全員が役員に名を連ねている羽生家のファミリー企業に妻A子さんの名前はなかった。そして追い詰められていったA子さんの様子がこう描かれる。
「(練習で生活が)昼夜逆転する羽生さんとは生活リズムも異なりましたから、外出できず家ですることも一切ないとなれば、愛の巣もただ孤独なだけで、いつか出ていくだろうと予期される“追い出し部屋”のように感じてしまっていたとしても不思議ではありません」(スケート関係者のコメント)
これが本当だとしたら相当な嫁いじめだ。さらに記事ではA子さんは“地元が生んだスーパースター”であるバイオリストなのに“一般人”と押し切って隠そうとした羽生家に疑問を呈す。しかも秘密主義は世間に対してだけでなく、結弦の祖母や親族、A子さんの“父親代わり”だった著名ジャーナリストすら、お相手はおろか結婚することさえ知らなかったことを改めて指摘するのだ。さらに結弦が “(A子さんには)制限のない幸せでいてほしい”という離婚文書も、あまりに自分たちに都合のいい主張であり、実際は羽生の元妻の肩書は一生消えないと、その無責任さを追及する。
まさにケチョンケチョンの羽生批判記事だ。まあ、それも当然だよね。ナルシスト・結弦が今回の離婚に際し、自分や両親・姉といった“旧家族”のことしか考えてなかったのは、「セブン」だけでなく多くのマスコミ報道からも明らかだから。まるでA子さんを切り捨てるような離婚をしたから。さらに、そんな自分勝手な離婚をマスコミのせいにしたから。
離婚問題でその馬脚を現した羽生結弦
先週も当欄で指摘したが、羽生がX(旧ツイッター)に発表した離婚文書は、マスコミを怒らせるに十分なものだった。「様々なメディア媒体」から「誹謗中傷やストーカー行為、許可のない取材や報道がなされています」とマスコミをストーカー扱いしちゃったんだからね。許可がないと取材してはいけないなどと、驚くような主張をしたのだから。
これまでは、そのカリスマ性、ナルシストぶりがマスコミにも好意的に受け止められてきた羽生だが、離婚問題でその馬脚を現してしまった。今後は風向きが変わるのだろう。実際、「セブン」記事は羽生のマスコミに対する姿勢についてこんな苦言を呈している。
「特にスケート以外の話を聞くことはご法度で、少しでも聞こうものなら、“取材拒否”されかねない雰囲気があるんです。まるで、旧ジャニーズ事務所がメディアをコントロールしていた問題と同じような構図ですよ」(スポーツ紙記者のコメント)
確かに今回の離婚騒動で、マスコミを自己宣伝には使うものの、都合の悪いことは決して許さないという羽生の姿勢が明らかになったが、しかし羽生とジャニーズのメディアコントロールは同等だと指摘する「セブン」もすごい。やっと変わりつつあるのか!? こんなことを書いてしまうジャニーズ御用媒体の「セブン」!
ジャニー喜多川氏の固有名詞を出そうとしない「女性自身」
こうして「女性セブン」も変化させている旧ジャニーズ事務所へのマスコミの態度だが、今週の「女性自身」は興味深い。相変わらず新社長に就任が予定されている福田淳氏の手腕を疑問視し、それは嵐の松本潤も同様なのだと指摘する。
「タレントのことよりも、改革アピールを最優先する、いわゆる“スタンドプレー“をしかねないのでは、と危惧しているといいます」
「これまでの社風から大きく変わることで、ファンたちを一気に落胆させてしまうのではと恐れているようです」
「タレントたちの絆を断つような方針変更や嵐を安売りするような新社長の言動があれば、徹底抗戦も辞さない覚悟なのです」
すでに新会社をめぐりって派閥闘争が勃発! の予感だが、派閥闘争も旧ジャニーズから引き継がれたお家芸か(笑)。そして記事には、もうひとつ興味深い記載が。
「表には出ず裏方に徹していた創業者とはあまりに対照的で、(松潤は)戸惑ったのでしょう」
「求心力のあった創業者がタブーな存在となり、疑心暗鬼になっているタレントもいるようです。
ジャニー喜多川氏の固有名詞を決して出そうとせず、しかし“創業者”と称して暗にその手腕を礼賛・称賛する。今後、“ジャニーさん”は“創業者”に置き換わるのか。
「週刊女性」の読者は50代?
「週刊女性」の巻末ワイド的な「Jam Today」。ちょっとした芸能ネタ、有名人ネタが書かれていて面白い。今週はその中のひとつ、「カスハラ(カスタマーハラスメント)」記事に目をひく記述が。カスハラは特に50代が多いらしい。“お客様は神様”という言葉を曲解している中高年だからだそう。なるほど。そして記事にはこんな一文が。「(50代は)まさに本誌の読者世代であり、人ごとではない」。紙媒体読者の高齢化が言われて久しいが「週女」読者は50代が多いのか。なるほどね、と意味もなく納得してしまった。そうなんだ〜。