12月11日発表の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、12月8日~10日)で、ティモシー・シャラメ主演映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(12月8日公開)が初登場1位を獲得。洋画が同ランキングの首位に立つのは、9月1日公開の『ホーンテッドマンション』以来だ。
2005年9月に公開された『チャーリーとチョコレート工場』(ジョニー・デップ主演)に登場する「工場長」ことウィリー・ウォンカの“はじまりの物語”を描く同作。前作と同様にティム・バートン氏が監督を務め、若き日のウォンカ役に『君の名前で僕を呼んで』(18年4月公開)などで知られるシャラメを起用した。
そんな『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は初日から3日間で観客動員26万6800人、興行収入4億1700万円を記録。初動が2日間で4億6900万円だった前作には及ばずだったが、“チャリチョコ”ファンの期待値は高い。ただ、鑑賞済みのネットユーザーからは「期待しすぎてたかも」「前作のダークな感じが好きだったんだけど……」といった厳しい意見も散見される。また、「ミュージカル色が強い」ことで、楽しめる層/楽しめない層に分かれている印象だけに、今後の成績に影響を及ぼしそうだ。
TikTokで話題の『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』、初動3億超え
ランキング第2位につけたのも、初登場の『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(福原遥と水上恒司のダブル主演、12月8日公開)。原作は、若者を中心にTikTokで「泣ける」と話題になった小説家・汐見夏衛氏の同題作品で、累計発行部数90万部を突破した大ベストセラーだ。
内容は、親にも学校にも不満を抱える現代の女子高生・加納百合(福原)が、1945年6月の日本にタイムスリップし、特攻隊員・佐久間彰(水上)と出会い惹かれ合っていく……というラブストーリー。初日から3日間の動員は24万6500人、興収は3億2200万円を記録しており、“初動で3億超え”は大健闘といえるだろう。
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』口コミ人気で興収大幅アップ!
第3位は公開4週目のアニメーション映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(11月17日公開)。前週まで“V2”の今冬の最注目作『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』(二階堂ふみとGACKTのダブル主演、11月23日公開)が、今週は第4位までランクを下げ、ここに来て、先に封切られた『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』が追い抜くという異例の展開が見られた。
漫画家・水木しげる氏の生誕100周年記念作品ではあるものの、そこまで大々的に宣伝していたわけではない同作。しかし公開後、ネット上のアニメファンを中心に口コミが広がり、「大傑作」と話題に。興収は公開初週末が1億6000万円、2週目が1億6900万円、3週目が1億8900万円と右肩上がりで、そして4週目は2億4900万円とさらに大幅アップ。累計興収も11億5000万円を突破する凄まじい勢いを見せている。
『映画 窓ぎわのトットちゃん』は初登場6位の物足りないスタート
なお、同じアニメ映画で、初登場6位となったのは『映画 窓ぎわのトットちゃん』(12月8日公開)。タレント・黒柳徹子の自叙伝『窓ぎわのトットちゃん』(講談社)をアニメ化した作品で、トットちゃん(黒柳徹子)の声優に子役・大野りりあな、そのほかの登場人物に役所広司、小栗旬、杏、滝沢カレンらが起用され、主題歌はあいみょんが担当。なんとも豪華な布陣だが、全国337館で大規模上映されている割に、やや物足りない順位でのスタートとなった。
鑑賞済みのネットユーザーからは評判が良いものの、予告段階で、老若男女のキャラクターたちがアイシャドウやチーク、リップグロスを施しているような顔であることに対して「どうしてあんな化粧してるような顔なの?」「キャラクターの顔の塗り方がどうにも気になってしまう」といった苦言がネット上に散見されていた。
全国映画動員ランキングトップ10(12月8日~10日、興行通信社調べ)
1位:『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』
2位:『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
3位:『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
4位:『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』
5位:『ゴジラ-1.0』
6位:『映画 窓ぎわのトットちゃん』
7位:『首』
8位:『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』
9位:『ナポレオン』
10位:『怪物の木こり』