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Netflix『幽遊白書』の評価分かれる一方……音響スタッフが「天才」と評するアニメ版の声優は?

 コミックスの累計発行部数5000万部を超える冨樫義博氏の大人気マンガを原作としたドラマシリーズ『幽遊白書』が、12月14日より、Netfilixで全世界配信されている。

 『幽遊白書』は、不慮の事故に遭い、命を落とした不良少年・浦飯幽助が、エンマ大王の息子・コエンマから与えられた試練を乗り越えて甦り、悪事を働く妖怪を倒す霊界探偵として仲間たちと活躍する様を描いたバトルアクション。

 1990年12月~94年7月に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載され、92年10月~95年1月にはフジテレビ系でアニメ化。放送終了から25年以上たった今でも、国内のみならず、海外でも根強い人気を誇っている。

実写版『幽遊白書』視聴者の評価分かれる

 なお、今回の実写ドラマ出演者には、主人公・幽助役の北村匠海のほか、蔵馬役・志尊淳、飛影役・本郷奏多、桑原和真役・上杉柊平、戸愚呂兄役・滝藤賢一、左京役・稲垣吾郎、戸愚呂弟役・綾野剛ら豪華キャストが集結。

 90年代を代表する大人気マンガの実写ドラマ化とあって、制作発表の時点から大きな注目を集めていたが、ニュースメディア「NewsPicks」によると、公開3日目の12月16日時点で、世界85カ国でトップ10入りを果たし、日本のみならずアジアや中東などの11カ国で1位、アメリカでも2位にランクインするなど、大反響を呼んでいる様子。

 ネット上では実際に視聴した人から、「しっかり原作へのリスペクトを感じられた」「アクションシーンの迫力がすごかった!」「俳優さんたちがアニメの声優さんの声に寄せてくれているような気がする」といった好意的な意見はもちろん、原作やアニメファンからは「ただ名前使った別物って感じ」「原作やアニメのイメージと違う」とネガティブな意見も寄せられており、評価が分かれているようだ。

 多くの人から愛されてきた作品の実写化だけに、批判的な声が上がるのは、致し方ないのかもしれない。

アニメ『幽遊白書』主人公声優・佐々木望は“天才”!?

 また、実写ドラマ配信にあたり、あらためてアニメを見返した人も多いようで、「声優陣が良すぎる」「再アニメ化したとしても、声優さんが変わってしまうのであれば、私は多分見ないのかもしれないなぁ」と、出演声優を評価する声も。

 実際、業界内ではアニメ版キャストはどのように評価されているのか? 音響スタッフに、メインキャラクターである幽助、蔵馬、飛影、和真役を務めた4人について話を聞いた。

「まず、幽助を演じた佐々木望は、アイドル声優の先駆け的な存在でありながら、現在も粛々と声優という職業を全うしている印象。一時期、喉の調子が悪くなり、仕事から離れていた時期がありましたが、昔の高いキーの声ではなく、落ち着いた声でもハイレベルな芝居を見せてくれています」(音響スタッフ)

 また、現在56歳の佐々木は、2020年に東京大学を卒業。13年に受験・合格して、仕事の傍ら休学期間を挟みつつ通学していたと明かして話題を集めた。

「業界内では、『在学中、東大に通っていることを一切公表しなかったのもかっこいい』と評判でした。彼はデビュー当時からずば抜けて芝居がうまかった、いわゆる“天才”。人柄はシャイで繊細な人です」(同)

 続いて、蔵馬を演じた緒方恵美は、「非常に作品に恵まれた人」(同)だという。

「『新世紀エヴァンゲリオン』(テレビ東京系)シリーズの碇シンジ役でおなじみの彼女は、最近では『呪術廻戦』(TBS系)の乙骨憂太役などで話題になりましたが、実は同世代の人気声優と比べると、それほど多く仕事はしていません。いい役に恵まれてここまで来た人なので、声優としてのスキルや評判も、そこそこといったレベル。ただ、彼女は役にハマるととても良い演技をします。とはいえ、業界内での評価と世間の評価との乖離は激しいです」(同)

アニメ『幽遊白書』声優・檜山修之が、業界でずっと生き残っている理由

 3人目の飛影役・檜山修之については、「『ヒーロー的なテンション芝居』で彼にかなう人はいない」(同)とか。

「20代の頃は、ヒーロー役が多かったものの、50代になった今ではコミカルな役など、幅広く芝居ができる声優になりましたね。檜山と同じ、“昭和42年組”の声優には、先に挙げた佐々木や、林原めぐみ、森川智之、三石琴乃、子安武人、石田彰ら、アニメファンなら名前を見ただけですぐに声を思い浮かべることができるような、個性が強くて芝居がうまいメンツがそろっています。日々努力し、常に芝居をアップデートし続けている彼らだからこそ、業界でずっと生き残っているのでしょう」(同)

 最後の一人、和真役の千葉繁は、現在69歳の大ベテランだが、実力はもちろん、その人柄からも一目置かれる存在のようだ。

「芝居のレベルも人柄も、誰もが認めるレジェンド。テンションの高い演技だったら右に出る人はいませんし、文句のつけようがないくらい素晴らしい芝居をする人。千葉さんにしかできない役はいっぱいありますし、演技仕事のほか、ナレーションや音響監督もこなしています。人柄はとても明るく、不真面目なことも全力でやる楽しい人。後輩の面倒見も良い人格者で、下の世代から慕われ、尊敬されています」(同)

 実写ドラマがきっかけで、25年以上前に放送されたアニメにも再び注目が集まりそうな『幽遊白書』。声優陣と俳優陣の演技の違いに注目すると、より一層作品を楽しめるかもしれない。

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