「週刊少年ジャンプ」(集英社)のウェブサイト「少年ジャンプ+」で連載されている『SPY×FAMILY』(漫画家・遠藤達哉氏作)のアニメーション映画『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』が12月22日に公開。同25日発表の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、12月22~24日)で初登場1を獲得した。
原作は、スパイの“黄昏”ことロイド・フォージャー、殺し屋の“いばら姫”ことヨル・ブライア(ヨル・フォージャー)、超能力者の“被検体007”ことアーニャ(後にアーニャ・フォージャー)が赤の他人同士から「仮初の家族」を築き、トラブルに見舞われながらも「家族としての普通の日常」を送るために奮闘するという内容。これまでにテレビアニメ化やミュージカル化などもされている。
劇場版は、テレビ東京系で放送されたテレビアニメ版と同じくロイド役を江口拓也、ヨル役を早見沙織、アーニャ役を種崎﨑敦美といった声優陣が担当し、フォージャー家が初の家族旅行へ行くことから物語が展開していく。全国383スクリーンで上映を開始し、初日から3日間の観客動員は86万6000人、興行収入は12億2400万円を記録。
今年、300館以上で封切りされたアニメ映画では、4月14日公開の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(378館)が初動31億4600万円、7月14日公開の『君たちはどう生きるか』(385館)が初動16億2600万円を上げていた。これまで、両作に次いで初動の成績が良かったのは、2月3日公開の『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』(377館)の11億5900万円だったが、同じ「ジャンプ」系列原作の『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』が3位に躍り出た。
『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』松竹にとって思った以上の“アタリ”作?
前週の全国週末興行成績ランキングで1位だったディズニーアニメ映画『ウィッシュ』(12月15日公開)は2位に、2位だった『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(12月8日公開)は3位となったが、業界内からは後者の健闘ぶりに感心する声も。
TikTok上で若者を中心に「泣ける」と話題になった同題小説(著・汐見夏衛氏、スターツ出版)を実写化した同作は、現代の女子高生・加納百合(福原遥)がタイムスリップ先の1945年6月の日本で特攻隊員・佐久間彰(水上恒司)と出会い惹かれ合うというラブストーリー。
「ネット上の評判を見ても、原作と同様に若い世代を中心に支持されている様子。ちょうど冬休みに入った学生も多いためか、公開3週目の週末3日間も興収3億1000万円を上げ、累計興収は15億8500万円を突破。配給元の松竹にとっても、思った以上の“アタリ”作品だったかもしれません」(エンタメ誌ライター)
一方、第5位の『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』(11月17日公開)は、前週第6位からランクアップ。2位(初週)、4位(2週目)、3位(3、4週目)、6位(5週目)、そして6週目となる今回は5位と、“順位を下げたかと思いきやまた上がる……”という推移を見せている。今月23日から配布された入場者特典第3弾も、今回の順位上昇につながったとみられ、累計興収は16億円を突破した。
『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』ギリギリトップ10入り
そんな『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』よりも後に上映開始した『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』(11月23日公開)は、1位(初週、2週目)、4位(3週目)、7位(4週目)と徐々に勢いが落ち、5週目となる今回はギリギリ10位に留まった。
同作は、『パタリロ!』(白泉社)で知られる漫画家・魔夜峰央氏が、「花とゆめ」(同)の別冊で3回に分けて連載した『翔んで埼玉』の実写映画第2作目で、第1作目(19年2月公開)と同じく二階堂ふみが壇ノ浦百美役、GACKTが麻実麗役を好演。
1作目は初動3億3094万9400円、2作目はそれを上回る初動4億1500万円を記録した。しかし、公開3週目の時点で比較すると、累計興収は1作目が15億3444万4100円、2作目は14億7700万円と、失速している感は否めない。また1作目は順位変動しながらも公開11週目までトップ10に入り続け、最終興収37.6億円の大ヒットとなったが、2作目はすでにトップ10ギリギリとあって、“雲行きが怪しい”といえるかもしれない。
全国映画動員ランキングトップ10(12月22~24日、興行通信社調べ)
1位:『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』
2位:『ウィッシュ』
3位:『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
4位:『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』
5位:『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
6位:『仮面ライダー THE WINTER MOVIE ガッチャード&ギーツ 最強ケミー★ガッチャ大作戦』
7位:『パウ・パトロール ザ・マイティ・ムービー』
8位:『ゴジラ-1.0』
9位:『PERFECT DAYS』
10位:『翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて』