どーもどーも編集部のJ子です。年の瀬も年の瀬ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。わたくしJ子は地元・名古屋に帰省しており、2歳の息子の世話を母親と妹にぶん投げ、1人静かに仕事をしているところです。
さてせっかく名古屋にいるので、今日は何か“名古屋っぽい”ことを書こうと思っているのですが、皆さん「西アサヒ」という喫茶店をご存じでしょうか? 昭和7年創業、円頓寺商店街にある老舗喫茶店で、名古屋の喫茶店文化を牽引してきたといわれる有名店なのです。
もともとは「タバコのすえたニオイが漂ってきそう」というか、「レトロではなく単に古びてる」というか、「ギリギリ映えない」というか(失礼!!)……そんな激シブ喫茶店だったものの、数年前に改装を行い、屋号を「なごのや」に変更。今はライフスタイル誌「BRUTUS」(マガジンハウス)に載っていそうなオシャレカフェに生まれ変わっています。しかもゲストハウスとしても営業しているそうで、雑な言い方ですが、すごく今っぽい……!!
しかし、老舗がリニューアルして、若者向けのオシャレスポットになるBRUTUS化現象を寂しく思ってしまう私は、ある店舗に足を運びました。それは、西アサヒの天池店。実は、円頓寺商店街以外にも西アサヒは存在しているんです。
名古屋市営地下鉄鶴舞線「荒畑駅」から徒歩数分、住宅街(しかも全然人が歩いていない)の真ん中にひっそりと佇む天池店。看板や店の外装がかわいい……! ドアノブが一風変わったつくりなのも目を引きます。ただ、そこには、あえてレトロを狙う“あざとさ”は皆無。長い年月をかけ、自然と人にノスタルジーを抱かせる面構えになっただけで、むしろ「レトロ? 知るかよ」という店側の気概すら感じさせます。
店に足を踏み入れると、そこは常連客らしきおばちゃん2人、店員のおばちゃん1人という、全員おばちゃん空間。笠置シヅ子の話に花を咲かせており、ここが観光地化された喫茶店ではないことがはっきりわかりました。
本当は店でゆっくり食べたかったのですが、予定があったため、今回は西アサヒ名物「たまごサンド」を持ち帰りで注文。家に帰ってゆっくり食べることにしました。
西アサヒの「たまごサンド」、おいしすぎて一瞬でなくなる
というわけで、こちらが西アサヒの「たまごサンド」(1個600円)!! できたてでアツアツだったので、パンが潰れないよう注意して持ち帰ったつもりですが、ふたを開けるとややしぼんでいる?
このたまごサンドの特徴は、「卵がオムレツ」という点。バターとマスタードが塗られたパンに、オムレツとマヨネーズで和えた細かいキュウリが挟まっているという超シンプルなサンドウィッチなんです。
食べてみると、余計な味がせず、オムレツの旨味が口いっぱいに広がることにビックリ。全体的にふわふわトロトロの食感で、いうなれば「溶けるたまごサンド」なのですが、そんな中、キュウリのしゃきしゃきした歯ごたえが気持ちいいのです。
あまりにもおいしすぎて、4切れあったたまごサンドは一瞬でなくなりました。私のベストたまごサンドは間違いなく西アサヒ天池店のこれですよ!
ちなみに店員さんに頼めば、マスタード抜きでも作ってもらえるようでした!
編集部コラムに書いておいてあれですが、ここはレトロ喫茶愛好家が大挙して押し寄せる……というタイプの店ではなさそう。これからもひっそり地元民に愛されながら店を続けていってほしいものです。