2023年、アニメ界に明るい話題をもたらした作品といえば、22年12月公開され、異例のロングランヒットを飛ばした映画『THE FIRST SLAM DUNK』が挙げられるだろう。同作は、最終興行収入157億3000万円を記録し、国内歴代興行収入ランキング13位に躍り出た(興行通信社調べ)。
また、4月期放送の『推しの子』(TOKYO MXほか)は、YOASOBIが歌う主題歌「アイドル」も含めて一大ブームを巻き起こした。
前述した2作以外にも、昨年アニメファンの間で話題を呼んだ作品は多数存在するが、それを語る上で、出演声優たちの存在は欠かせないだろう。
そこで今回は、業界関係者に「23年に活躍したMVP声優」を挙げてもらった。バラエティやドラマ・映画などのタレント活動を除き、本業である“声優”としての仕事ぶりを評価されたのはいったい誰なのか――。
声優・松岡禎丞は「表現力豊かで地道に仕事をしている」
最初に名前が挙がったのは、松岡禎丞。19年4月にアニメ化された『鬼滅の刃』シリーズの嘴平伊之助役で知名度を上げた彼は23年、4月期放送の『鬼滅の刃 柱稽古編』(フジテレビ系)や7月期の『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』(テレビ東京系)、10月期の『東京リベンジャーズ 天竺編』(同)など、21本のアニメに出演している(ウェブサイト「声優共演検索」が公開しているデータをもとに集計、以下同)。
「彼の芝居は“ザ・アニメ声優”といった感じで、表現力が豊か。性格的にはあまり社交的なタイプではなく、アニメの関連イベントやテレビ出演などはあまり好きではなさそうですね。現場でも、共演者とつかず離れず一定の距離を保ちながら、地道に仕事をしている印象です」(音響スタッフ)
声優・島崎信長は「学ぼうとする意識が高い」
また、「目立つ役はあまりありませんが、多くのアニメ作品のレギュラーを獲得している」(同)という島崎信長も評価が高い様子。彼も松岡同様、7月期の『呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変』(TBS系)や10月期の『東京リベンジャーズ 天竺編』など、昨年は21本のアニメに出演した。
「彼は少し天然なところがあり、素直で性格も良い。現場では先輩から学ぼうとする意識が高く、勉強熱心です。ルックスも良いですし、もう少しバラエティ露出を増やしてもいいと思うのですが、所属事務所や本人が、あまりタレント活動に積極的ではないのかもしれません」(同)
果たして今年、松岡と嶋崎はどんな活躍を見せてくれるだろうか――動向に注目したい。