1月14日放送のフジテレビ系情報バラエティ『ワイドナショー』で、かつてのレギュラーコメンテーターであるダウンタウン・松本人志の性加害疑惑を再度取り上げた。
松本をめぐっては、昨年12月26日配信のニュースサイト「文春オンライン」および翌日発売の「週刊文春」(文藝春秋)の報道により、8年前に“女性に性行為を強要した疑惑”が浮上。同誌の取材を受けた松本は報道を完全否定し、波紋を呼んだ。その後、同29日放送の『ワイドナショー 年末3時間生放送SP』で、同ニュースを扱った。
「年が明けても騒動は収まらず、1月8日には吉本興業が松本の芸能活動休止を発表。また同日、松本はX(旧Twitter)で『事実無根なので闘いまーす。それも含めワイドナショー出まーす』(原文ママ)と宣言しましたが、これがまた物議を醸すことに。同番組は松本の“古巣”で、出演者も基本的に彼の味方ばかりというスタンスであるため、『公共の電波を私物化して釈明するつもりか』と苦言を呈するネットユーザーが続出。結局、同10日には松本の『ワイドナショー』出演は取りやめになったとフジテレビから発表されました」(芸能ライター)
こうして迎えた14日、松本不在の『ワイドナショー』では、あらためて性加害疑惑が取り上げられたが……。
「業界内では、今回の『ワイドナショー』をめぐっては“悪手連発”と指摘されています。松本が出演を予告したものの、一転して出演しなくなった経緯そのものが悪手ですが、ネット上には、出演者の各コメント、番組のスタンスにも批判が噴出してしまいました」(同)
特に批判された3つのポイントを解説する。
松本人志不在の『ワイドナショー』、視聴者から批判された3つのポイント
西川貴教、週刊誌は「漁夫の利」発言はブーメラン
今後、性加害疑惑の詳細や真偽が裁判で明らかにされるという前提で、「まだ何もわかっていない」と話していた西川。そして松本と被害者とされる女性には、どちらにも「ストレス」がかかるとする一方、裁判が続くことで記事を出し続けられる週刊誌は「漁夫の利を得ているような感じ」と批判したが、ネット上では批判を買った。
「西川は『文春』だけ得をしているのはおかしいと主張したわけですが、この話題を取り扱うメディアは『文春』以外にも多く、むしろ『ワイドナショー』だって同じ立場とあって、これは完全に“ブーメラン発言”。西川はオープニングから出演したくなさそうな雰囲気を醸していましたし、ヘタなコメントをするくらいなら出演キャンセルしてでも貝になるべきでした」(スポーツ紙記者)
安藤優子の「その場にいたわけでもないのに」発言に「コメンテーター失格」
安藤も今後の裁判に着目し、「裁判で争われる事実関係というのは、もし週刊誌の報道が事実だとすればね、密室の中の出来事なので、当事者同士しかわかり得ない」とコメント。その上で、「私たちが、第三者が、その場にいたわけでもないのに“何が起きたんだろう”という想像の範疇で何かを言うことはナンセンス」と主張した。
「この発言には『コメンテーター失格』といった批判が噴出。確かに性加害や人権侵害という深刻な問題なだけに、中立でいようとすると何も言えないのは正論ではありますが、視聴者が求めるスタンスではなかったようです。“ナンセンスだから語れない”が通るなら、同騒動を取り上げる意味もなく、この手の番組の存在意義も問われかねません」(テレビ局関係者)
指原莉乃のような“松本に肩入れしない”スタンスの出演者の不在
昨年の『ワイドナショー 年末3時間生放送SP』では、元AKB48・指原莉乃が被害者とされる女性に「8年も前のことを」という批判の声があることを問題視し、「時間がたっても同じように扱うべき」と意見したことがネット上で評価されていた。しかし、今回の『ワイドナショー』に指原はキャスティングされておらず、彼女のように松本に肩入れしないスタンスの出演者もいなかった。このキャスティングについて、視聴者から「ワイドナショーは全然ダメ」と批判されている。
「基本的に『ワイドナショー』は、こと出演者のコメント内容に関して、松本の意向に左右されがち。今回も番組全体に“松本擁護”の空気が漂い続けていました。なお、裏番組の『サンデー・ジャポン』(TBS系)では、総合司会の爆笑問題・太田光が、被害を訴えた女性側に寄り添い、『(過去の被害を告発をしたことを)責めるべきではない』などとコメントし、ネット上でも共感を呼んでいるだけに、それと比較されているようです」(芸能プロ関係者)
ゲストコメンテーターのキャスティングに関しては、以前から決まっていたものではあるだろうが、「それにしても全員が中立、もしくは踏み込みすぎないということを意識しすぎた結果、視聴者から批判を招く結果になってしまった」(同)という指摘も。やはり『ワイドナショー』が松本不在でこのニュースを取り上げること自体、無理があったのかもしれない。